黒川温泉
個性的な露天風呂が勢揃いした山あいの温泉地で湯巡りを満喫別府と阿蘇を結ぶやまなみハイウェイから、熊本県側の西方に5km弱下った地に、豊富で良質な湯が湧く黒川温泉がある。人気温泉地として毎年上位にランキングされ、年間100万人もの観光客が訪れる。源泉温度が48.3~97.8℃と高温なため露天風呂向きで、各宿がこぞって趣向を凝らした露天を備えている。宿は独立した別館も含めると約30軒。そのほとんどが徒歩圏内にある。湯巡りの強い味方・入湯手形は1300円でシールが3枚ついていて、3カ所の露天風呂に入浴、または2カ所の入浴と1枚のシールは飲食や土産品と交換できる。黒川温泉組合「風の舎」をはじめ、各旅館で販売されていて、有効期間は半年間。浴衣姿で入湯手形を片手に露天風呂のはしごを楽しもう。温泉街の食事処や喫茶、甘味処なども充実している。
黒川温泉の情報
所在地:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川
泉温:48.3~97.8℃
源泉:30
湯量:100リットル/分(泉源による)
飲用:不可
泉質:塩化物泉、硫酸塩泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉、含鉄泉、単純温泉、酸性泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、打ち身、慢性消化器病、高血圧、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、糖尿病、肝臓病、痔疾、慢性婦人病、美肌など
宿泊施設:30
アクセス:(公共交通機関)JR熊本駅から九州産交バス、九州横断バスで2時間47分、バス停:黒川温泉下車。博多から黒川温泉行き2時間59分のバスもあり(車)大分道日田ICから国道212号・442号経由45km
杖立温泉
約1800年の歴史を誇る温泉情緒豊かな湯けむりの街阿蘇外輪山の北、筑後川の源流杖立川の渓谷に湯煙を上げる温泉。杖立川の両岸に16軒ほどの温泉宿が軒を連ね、湯治場の情感を残す湯の町だ。杖立の名の由来は、その昔、弘法大師の立てた竹杖から枝葉が生えた、という伝説に由来するともいわれている。源泉が約98℃と高温のため、ほとんどの宿にむし湯があり、この温泉ならではの天然サウナも楽しめる。また、4月1日から5月初旬まで「杖立 鯉のぼり祭り」が行われ、約3500匹の鯉のぼりが杖立川の上空を勇壮に泳ぐ。温泉蒸気を利用した「杖立プリン」は地元のスイーツとして大人気。テイクアウトできる店もある。
杖立温泉の情報
所在地:熊本県阿蘇郡小国町下城杖立
泉温:98~100℃
源泉:約20
湯量:施設により異なる
飲用:一部可
泉質:塩化物泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、打ち身、切り傷、美肌など
宿泊施設:16
アクセス:(公共交通機関)JR日田駅から日田バス杖立温泉行きで45分、バス停:ひぜんや前、終点などで下車(車)大分道日田ICから国道212号経由20km
阿蘇内牧温泉
阿蘇内牧温泉(あそうちのまきおんせん)阿蘇市観光協会提供
阿蘇随一の温泉街として賑わう外輪山の裾野に広がる温泉郷九州の中央にそびえる活火山・阿蘇山。その周辺は中岳火口、草千里などの自然を満喫できるレジャーエリアも豊富だ。世界最大級のカルデラのいたる所に湧き出す温泉は、阿蘇の豊かな自然に抱かれて点在している。なかでも、外輪山の裾野にある阿蘇内牧温泉は100以上の源泉を誇り、16軒ほどの宿泊施設を擁する阿蘇随一の温泉街として古くから賑わったところ。源泉数も多いので、泉質も豊富だ。近代的なホテルから6カ所ある町湯(共同浴場)まで、いろいろな施設が揃っている。阿蘇山周辺でレジャーを楽しんだ後は、温泉でゆっくりしよう。
阿蘇内牧温泉の情報
所在地:熊本県阿蘇市内牧
泉温:38~45℃
源泉:100以上
湯量:源泉により異なる
飲用:一部可
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉、マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉、単純温泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、皮ふ病、打ち身、慢性消化器病、動脈硬化症、慢性婦人病、ストレスなど
宿泊施設:16
アクセス:(公共交通機関)JR阿蘇駅から九州産交バス内牧温泉行きで15分、バス停:内牧温泉入口下車(車)九州道熊本ICから国道57号・212号経由44km
菊池温泉
菊池一族の歴史香る“乙女の肌”の温泉古くは平安時代中期から、豪族・菊池一族の本拠地だった菊池市。菊池温泉は昭和29年(1954)に湧出した比較的新しい温泉だ。湯は無色透明のアルカリ性で、肌に優しく柔らかい泉質。入浴後は乙女の肌のようにしっとり、なめらかになると評判で、「美肌の湯」、「化粧の湯」とも呼ばれ、女性をはじめ多くの観光客に親しまれている。歴史ある城下町だけに老舗和菓子店が多いので、お着き菓子やおみやげ選びも楽しみだ。
菊池温泉の情報
所在地:熊本県菊池市隈府
泉温:42~46℃
源泉:約30
湯量:施設により異なる
飲用:一部可
泉質:アルカリ性単純温泉など
温泉効能:神経痛、関節痛、筋肉痛、疲労回復、美肌、美容など
宿泊施設:8
アクセス:(公共交通機関)JR熊本駅から熊本電鉄バス菊池温泉行きで1時間10~30分、バス停:菊池温泉市民広場前下車、徒歩すぐ(車)九州道植木ICから国道3号、県道53号経由13km
山鹿温泉
豊富な湯量と千年の歴史を誇る情緒あふれる温泉郷でゆったり「山鹿千軒たらいなし(温泉で洗濯ができるほどに湯が豊富で、たらいが必要ない)」と唄われるくらい、全国でも有数の湯量を誇る山鹿温泉。その歴史は古く、平安時代の文献に「温泉郷」としてその名が残り、古くから湯治場だったことがうかがえる。また、山鹿の湯は「飲んで胃によし、腸によし」ともいわれ、昔から飲用水としても人気があったという。14軒の宿泊施設(日帰り入浴可は13軒)と、4軒の入浴施設があり、湯の端公園内には無料の足湯もある。周辺には、明治時代に建てられた芝居小屋・八千代座や山鹿灯籠民芸館(山鹿灯籠まつりは8月15・16日に開催)などもあり、湯上がりは、情緒あふれる町並みの散策が楽しめる。
山鹿温泉の情報
所在地:熊本県山鹿市山鹿
泉温:36~45℃
源泉:66
湯量:1200リットル/分
飲用:一部可
泉質:アルカリ性単純温泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、痔疾、美肌など
宿泊施設:14
アクセス:(公共交通機関)JR玉名駅から九州産交バス山鹿温泉行きで50分、バス停:山鹿バスセンター下車(車)九州道菊水ICから県道16号、国道325号経由10km
玉名温泉
1300年を数える歴史と人情あふれる温泉今から1300年前に発見されたという歴史の古い温泉で、傷を負ったシラサギが沐浴したという伝説がある。古くは立願寺温泉として湯治客に親しまれてきた。豊かな湯量を誇り、無色透明でツルッとした泉質が特徴だ。11軒の宿泊施設と4軒の日帰り入浴施設がある。温泉街の真ん中には「しらさぎの足湯」があり、夜は22時までライトアップされ、多くの観光客で賑わう。湯上がりには、熊本ラーメンのルーツとされる玉名ラーメンを味わいたい。玉名周辺には多くの古墳や史跡が残っていて、のんびりと散策をするのもいい。高瀬地区では初夏に花菖蒲が見ごろを迎える。
玉名温泉の情報
所在地:熊本県玉名市立願寺
泉温:38~49℃など
源泉:約50
湯量:施設により異なる
飲用:一部可
泉質:単純温泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、五十肩、冷え性、打ち身、慢性消化器病、動脈硬化症、慢性皮ふ病、痔疾など
宿泊施設:11
アクセス:(公共交通機関)JR玉名駅から車で5分(車)九州道菊水ICから県道16号、国道208号経由10km
人吉温泉
霧と球磨川、歴史の町の温泉宿で名物のアユに舌鼓人吉藩の城下町として栄えた人吉は、古き良き時代の街並みが今も色濃く残っている。市内の広範囲に温泉宿や入浴施設が点在し、多くの宿が自家源泉をもつ。16軒ほどの温泉宿のほか、共同浴場が13カ所もあり、観光客や市民に親しまれている。球磨川に面した旅館からは、球磨川くだりの舟も眺められ、春の桜、秋の紅葉と、1年を通じて様々な景色を楽しむことができる。秋から冬にかけては、球磨川の川面は霧に包まれ、その中を川下りする様子は幻想的だ。また、九州で唯一体験できるラフティングと川沿いを走るSL人吉も人気がある。6月から秋までは、球磨川は鮎漁のシーズンを迎える。
人吉温泉の情報
所在地:熊本県人吉市市内
泉温:45~55℃など
源泉:約50
湯量:施設により異なる
飲用:一部可
泉質:炭酸水素塩泉、単純温泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、疲労回復、五十肩、冷え性、打ち身、慢性消化器病、糖尿病、動脈硬化症、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾、婦人病、美肌など
宿泊施設:16
アクセス:(公共交通機関)JR人吉駅下車(車)九州道人吉ICから県道54号経由3km
平山温泉
1300年以上の歴史を誇る田園風景が広がる美肌の温泉郷“山鹿の奧座敷”ともよばれる温泉地。約1300年前に皮ふ病の流行に悩む村人たちが阿蘇大明神に祈りを捧げたところ、温泉が湧き、その湯に浸かると皮ふ病がよくなったという伝説が残る。また、加藤清正があせもを治したとも伝えられる。硫黄分があり、美溶液に浸かったような肌ざわりが特徴の湯は、入浴後、肌がしっとりする「美肌の湯」と女性に人気。近年、貸切風呂を設けるなど、宿のオープンやリニューアルが続き、九州でも屈指の温泉地になった。貸切風呂やエステを併設した日帰り入浴施設や、早朝から気軽に立ち寄れる宿や日帰り温泉もあり、高級からリーズナブルまで、使い方に合わせて様々に対応できることも人気の理由だ。
平山温泉の情報
所在地:熊本県山鹿市平山
泉温:40~60℃
源泉:30
湯量:不明
飲用:施設により異なる
泉質:アルカリ性単純硫黄泉など
温泉効能:神経痛、関節痛、筋肉痛、疲労回復、五十肩、冷え性、打ち身、切り傷、アトピー、皮ふ病、慢性消化器病、糖尿病、痔疾、婦人病、美肌など
宿泊施設:15
アクセス:(公共交通機関)JR玉名駅から九州産交バス山鹿温泉行きで1時間の山鹿バスセンターで平山温泉経由南関上町行きに乗換え10分、バス停:平山温泉観光協会前、または平山温泉元湯前などで下車(車)九州道南関ICから県道10号・4号・195号経由13km
日奈久温泉
不知火海の幸と元藩営温泉のたたずまいが残る温泉地約600年前の南北朝時代に、浜田六郎左衛門という人物が戦で受けた父の刀傷を癒そうと神に祈り、お告げによって温泉を発見したという。江戸時代には肥後細川藩の藩営温泉として栄えた由緒ある温泉地で、歴史の重みを感じさせる建物が立ち並ぶ。応永26年(1419)創建の高台の温泉神社からは温泉街と不知火海を隔てて、天草・島原の島々が一望できる。温泉街のシンボル「憩いの広場」には、昭和5年(1930)にこの温泉地を訪れた種田山頭火の石碑や足湯、からくり時計がある。宿泊施設は、国の登録有形文化財に指定されている木造3階建ての宿「金波楼」など、15軒ほどの宿が点在する。日帰り入浴を受け付けている宿も多い。
日奈久温泉の情報
所在地:熊本県八代市日奈久
泉温:39~49℃
源泉:16
湯量:70~190リットル/分
飲用:不可
泉質:アルカリ性単純温泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、打ち身、切り傷、美肌など
宿泊施設:16
アクセス:(公共交通機関)肥薩おれんじ鉄道日奈久温泉駅から徒歩10~15分(車)南九州道日奈久ICから国道3号経由1km
下田温泉
青い海と夕陽の美しい温泉街で湯三昧風光明媚な海岸線が連なる天草西海岸にあり、約700年の歴史をもつ温泉。無色・無味・無臭のサラリとした湯が楽しめる。1羽の傷ついた白鷺が傷を癒しているところに行ってみると、温泉が湧き出していたという昔話から、別名“白鷺温泉”とも呼ばれている。天草といえば江戸幕府によるキリスト教弾圧で、信者が密かに信仰を守ってきたところだが、青い海に囲まれたこの町は、現在では夏はキャンプやマリンスポーツを楽しむ人々で賑わう。宿泊施設は10軒ほどの宿が点在。露天風呂も完備している「下田温泉センター白鷺館」や無料で利用できる足湯「五足の湯」もあり、気軽に温泉を楽しむことができる。
下田温泉の情報
所在地:熊本県天草市天草町下田北
泉温:48~51℃
源泉:4
湯量:2200リットル/分
飲用:一部可
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉など
温泉効能:神経痛、筋肉痛、疲労回復、冷え性、五十肩、打ち身、慢性消化器病、切り傷、やけど、慢性皮ふ病、痔疾など
宿泊施設:12
アクセス:(公共交通機関)JR熊本駅から九州産交バス快速あまくさ号(5番のりば)で2時間20分、バス停:本渡バスセンター下車、下田温泉行きに乗り換え45分、バス停:終点下車(車)九州道松橋ICから国道266号・324号・266号、県道24号経由93km