これぞ秘湯。湯船の底から湧く歴史の湯に癒やされる
温泉は3つありますが、名物は趣のある「法師乃湯」です。築100年を超える大きな建物は、洋の要素が混ざった鹿鳴館様式。中央には田の字に切られた浴槽があり、底に敷き詰められた玉石の間から直接、ぼこぼこと源泉が湧出しています。法師乃湯には、男女別の脱衣所がありますが、湯船は昔ながらの混浴のスタイル。女性専用の時間も設けられているので、混浴が苦手な女性も名物の湯を楽しめるようになっています。
このほか、宿には内湯と露天風呂がある「玉城乃湯」と、泉質の良さで知られる「長寿乃湯」があります。いずれも男女入れ替え制なので、全部の湯に入って、肌ざわりなどを比べてみてください。
群馬県産にこだわった食材を季節替わりで楽しむ
できる限り町内産、県内産にこだわる夕食は、安心・安全をモットーに調理された滋味溢れる和食です。上州牛や上州麦豚、赤城鶏などの食材が料理を彩り、格別なひとときを過ごせます。
宿の先祖が新潟県南魚沼の出身ということもあり、秋口には契約農家で収穫された魚沼産コシヒカリを食べることもできます。自家水源から引くミネラル豊富な清水も、お料理の味を引き立てています。
時代が異なる4つの棟にお部屋が並ぶ。レトロ気分を味わうなら本館がおすすめ
お部屋は、明治8年に建てられた本館と、法師川を隔てて立つ昭和15年築の別館、昭和53年に建てられた法師川沿いの薫山荘、平成元年築の法隆殿の4つの棟にあります。圧倒的なレトロ感がお好みなら本館が、昔ながらの風情と快適さを求めるなら別館がおすすめです。薫山荘と法隆殿のお部屋はゆったりとした間取りで、各国の著名人が滞在した部屋もあります。ワンランク上の快適さを求めるなら、この2館がおすすめです。
囲炉裏がつなぐ、ゲスト同士のふれあいのひととき
玄関の左側にある囲炉裏のあるお部屋は、ゲストが自由に利用できる場所。一年中、薪がパチパチと燃えており、自在鉤に下がる茶釜では湯がシュンシュンと沸いています。ひとり、ふたりと集まればいつしか会話も弾み、ゲスト同士のふれあいの場に。宿の主人が自ら鉄瓶のお茶をふるまってくれることもあります。
豊かな自然と、人とのふれあいを身近に感じることができる宿。レトロな建物といまでは貴重な秘湯情緒を味わいに、ぜひお出かけください。