ガウディが作った「グエル公園」の魅力を解説!周辺の建築作品もご紹介【スペイン バルセロナ】

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ガウディが作った「グエル公園」の魅力を解説!その他の建築作品もご紹介【スペイン バルセロナ】
バルセロナの街を彩るガウディの個性的な建造物
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公開日:2023.09.05
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更新日:2024.10.10
19世紀から20世紀にかけて活躍したバルセロナの天才建築家アントニ・ガウディ。彼の手掛けた建築はバルセロナ市内に点在しており、そのうち7つが「アントニ・ガウディの作品群」として世界遺産に登録されています。未完の大聖堂「サグラダ・ファミリア」が最も有名ですが、そのほかにも見るべきものは多数。今も街なかに残る、稀代の天才の豪華絢爛な建築をご紹介します。
JTBホームページ エディター 島田久美子
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グエル公園(Park Güell)

丘の斜面を活かした造りの大階段
丘の斜面を活かした造りの大階段
ガウディのパトロンであった実業家・グエル伯爵から依頼を受けて1900年から1914年にかけて設計・建設されたグエル公園。当初は高級住宅街を目指していましたが、そのあまりに独創的なデザインから買い手がつかず、壮大な計画は道半ばに終わります。グエル氏の死後、その土地を1922年にバルセロナ市が買い取り、1926年から現在に至るまで公園として開放されています。1984年にはユネスコ世界遺産に登録され、現在では年間約400万人が訪れる人気観ています。

天才建築家・ガウディのこだわりと独創的なデザイン

公園に入ってまず見えてくるのは大階段。公園のシンボルでもあるカラフルなドラゴン(サラマンダー)が出迎えてくれます。階段を上った先には、市場になる予定だった列柱ホールがあります。86本もの列柱はドーリア式と呼ばれるもので、古代ギリシアの神殿建築と同じ様式です。天井には円形のモザイク装飾が施されています。

協力者・ジュゼップ・マリア・ジュジョールと創り上げた中央広場

ホールの上は中央広場になっていて、そこにある波形のベンチは必見。協力者であるジュゼップ・マリア・ジュジョールによりデザインされ、長い歳月をかけて作られた110mのベンチは、降り注いだ雨が溜まることなく排水される仕組みになっています。また、公園内にあるピンクの建物は、ガウディが1906年から1926年まで住んでいた家で、現在はミュージアムとなっています。
グエル公園(Park Güell)の情報
住所:Carrer d’ Olot 営業時間:9時~19時30分(季節によって異なる) 定休日:なし 観覧料:公式サイト予約€10

グエル公園周辺のガウディ建築

グエル公園や最も有名なサグラダ・ファミリア以外の天才建築家ガウディの建築をご紹介。

グエル邸(Palau Güell)

館の主・グエル氏は民間人でありながら伯爵号を授与された実業家 Palau Güell - Diputació de Barcelona
ガウディの初期の作品で、パトロンのグエル氏の別邸として建築されたのが、ここグエル邸。グエル氏はこの別邸を大変気に入り、後にここへ移り住みます。 他の作品とは違い、厳格な雰囲気のグエル邸には、2つの大扉があります。そのファサードでひときわ目を引くのが、大扉の間に位置する、上部に神話上の動物・不死鳥が踊るオブジェ。数百のピースを溶接ではなく、すべて職人の手作業でつなぎ合わせたというから驚きです。
グエル邸(Palau Güell)の情報
住所:C.Nou de la Rambla 3-5 営業時間:10~20時(10~3月は~17時30分) 休日:月曜(祝日の場合は開館)、1月の3週目 観覧料:€12※チケット販売は閉館1時間前まで(公式サイト予約可)

カサ・バトリョ(Casa Batlló)

大通りに面する豪華な建物
大通りに面する豪華な建物
ガウディが改装を手掛けた邸宅、カサ・バトリョが通行人から「骨の家」と呼ばれたのは、バルコニーの柱が人骨のように見えることから。外壁は全面が破砕タイルで飾られているなど、あまりに斬新なスタイルですが、すべての扉に通気口が設置されており機能性にも優れています。 カサ・バトリョが何をイメージして建てられたかは諸説ありますが、その一つにドラゴンが挙げられます。入口ホールの階段はドラゴンの背骨、屋根の瓦はドラゴンの鱗と背を表現しているとも言われ、ガウディの独創的なひらめきを感じさせます。
色彩豊かなガラスから部屋の中に自然光が差し込む
色彩豊かなガラスから部屋の中に自然光が差し込む
2階の中央サロンは、部屋全体に光が行き届くよう、壁一面のガラスにクリスタルがふんだんに使用されています。そこから見えるのはバルセロナのメインストリート、グラシア通り。通りをゆく人々をこの場所から眺めるのが、当時のブルジョア階級の特権意識だったといわれています。
カサ・バトリョ(Casa Batlló)の情報
住所:Passeig de Gràcia 43 営業時間:9時~20時15分(最終入場は~19時15分。定期的に~14時の日がある) 定休日:なし 観覧料:€39(公式サイト予約€35)

カサ・ミラ(Casa Milà)

“カサ・ミラ”は日本語で「ミラの家」という意味
“カサ・ミラ”は日本語で「ミラの家」という意味
次にご紹介するのは、ガウディが建築した個人邸宅では最後のものとなるカサ・ミラ。直線が使われておらず、うねる波のような外観はひときわ異彩を放ちます。バルコニーのぐにゃぐにゃの手すりは植物をモチーフにしており、まるで生きているかのよう。
"アスレホ"という白いタイルを使用した屋上
"アスレホ"という白いタイルを使用した屋上
一番の見どころは屋上。白いタイルを使用した、高低差のある波打つような構造の床は、山の峰を表しています。兜を被った戦士の顔をイメージしたという煙突や、空き瓶をリサイクルしたオブジェなどが並び、アヴァンギャルドな空間を形成しています。
カサ・ミラ(Casa Milà)の情報
住所:Passeig. de Gràcia92 営業時間:9~20時(11~2月は~18時30分※クリスマス期間は除く)、夜間見学21~23時(11~2月は19~21時※クリスマス期間は除く) 定休日:1月の1週間 観覧料:€28(夜間見学€38、公式サイト予約€25)

レイアール広場の街灯(Placa Reial)

そのほかにも、グラシア通りとランブラス通りをはじめとするバルセロナのストリートには、ガウディの建築が数多く残ります。その中の一つが、ガウディの初期作品として知られるレイアール広場の街灯です。
ガウディの街灯は広場内に2カ所立つ
ガウディの街灯は広場内に2カ所立つ
石造りの台座、金属製の支柱から伸びる6本のアームの先にランプがあります。支柱にはバルセロナの紋章が配されている、豪華な街灯です。サグラダ・ファミリアの巨大さと比べてしまうと、あまりに小さなガス灯ですが、天才建築家・ガウディを知るうえでは外せません。 まだまだある鬼才・ガウディの建築。それらを巡りながら、バルセロナを紐解いていく旅はいかがでしょうか。 ※2023年5月時点の情報です。営業内容などの詳細はホームページなどでご確認ください。
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