将棋のまち天童が誇る、人にも自然にも優しい“ほほえみ宿”で癒される【山形県 ほほえみの宿滝の湯】

山形
将棋のまち天童が誇る、人にも自然にも優しい“ほほえみ宿”で癒される【山形県 ほほえみの宿滝の湯】
閑静な佇まいを見せる老舗の温泉旅館
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公開日:2023.01.02
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更新日:2023.01.02
山形空港から車で約15分、JR山形新幹線・奥羽本線の天童駅から予約制の送迎車で約5分、徒歩でも15分ほどの位置にある「ほほえみの宿滝の湯」。天童駅からまっすぐ東に延びる通りを、路面に描かれた歩道詰将棋にチャレンジしながら歩けば、宿に着くまでの間に、“将棋のまち天童”をしっかり実感すると思います。 将棋駒の日本一の産地であり、“いで湯とフルーツの里”としても知られる天童市。市街地がそのまま温泉街でもある天童温泉は、明治末期の1911年に田んぼの中に高温の源泉を掘り当てたのが始まり。「ほほえみの宿滝の湯」はその温泉と同じ歴史をもつ老舗のお宿です。 「人と自然に優しい宿」であり、「日本一ほほえみが行き交う宿」を目指すというだけに、老舗の格式にとらわれない気配りのあるフレンドリーな接客でも評判。将棋のタイトル戦「竜王戦」の対局場としても知られ、伝統的な和の心地よさと現代の快適性を併せもつ旅館でもあります。
JTB地域ナビゲーター 山形担当 髙内 沙織

茅葺屋根の茶室が立つ中庭の眺めに、心がほっと和んで行く

本館と別館をつなぐ通路は、中庭に面した絶好の撮影スポット
本館と別館をつなぐ通路は、中庭に面した絶好の撮影スポット
全館バリアフリーの館内に入ると、市街地とは思えない静けさに包まれ、広々としたロビーにゆったりとした時間が流れて行きます。明治末期に創業し100年を超える歴史を紡ぐ老舗ホテルの落ち着きが、忙しく過ぎて行く日常を忘れさせてくれるようです。 客室棟はフロントがある5階建ての本館と、7階建ての別館があり、本館と大浴場のある別館を繋ぐ通路は中庭を眺めながら歩くことができる開放的な空間。鯉が泳ぐ池や茅葺屋根の茶室「通仙庵[つうせんあん]」を配した中庭は、桜や新緑、紅葉や雪景など四季折々の楽しみがあります。時折ラウンジコンサートなども行われる本館のラウンジ「欅」から、コーヒーやオリジナルスイーツを味わいながらゆったりと中庭を眺めるひと時もまたおすすめです。 中庭の通路途中にある将棋型の湯釜も見逃さないで。ここでできるのが温泉たまご作り。1人1個ですが、お宿の無料サービスです。自分で作る温泉たまごはとっても美味! 別館大浴場の前のギャラリーでは、お宿が所蔵する数々のコレクションを季節に応じて展示しています。春にはかわいいお雛様の展示もありますよ。

さまざまなニーズを満たす客室はどれも居心地満点

別館の特別フロア「季のはな」の露天風呂付き客室
別館の特別フロア「季のはな」の露天風呂付き客室
お部屋は本館3~5階と別館の3~7階に全部で89室。広さやベッドの高さの違い、ビジネス利用のシングルルームや和洋室タイプもあり、多様なニーズに対応できます。 玄関とロビーのある本館のお部屋は、伝統的な旅館スタイルのお部屋。南側のお部屋からは天から童が舞い降りたと伝えられる舞鶴山を間近に、遠くに蔵王連峰を望み、移りゆく四季折々の景色を楽しめます。将棋のタイトル戦の対局場として知られる、和の贅を凝らした四季亭和室特別室「竜王の間」があるのも本館です。対局のない時期は「竜王の間」に宿泊することもできます。 別館の3~5階は開放感のある和モダンのお部屋。大きな出窓と畳敷きのベンチは開放感があり、北側のお部屋からは霊峰・月山の山並みが、南側からは四季折々に移ろう中庭が眺められます。別館6~7階の特別フロア「季[とき]のはな」は、モダンな和ベッドや温泉露天風呂付き客室など、端正な美しさに包まれた空間。露天風呂に浸かりながら月山や天童の夜景を眺める至福のひとときをぜひ味わってくださいね。

「安全・安心・美味しい」が基本、地元自慢の食の恵みを堪能

山形牛と米沢牛の食べ比べが楽しめる和会席の夕食(イメージ)
山形牛と米沢牛の食べ比べが楽しめる和会席の夕食(イメージ)
食事処は別館1階にオープンキッチンとワインセラーのある天童ダイニング「木もれ日」があるほか、古民家をイメージした「蔵膳」、別館3階に畳敷きの料亭「花車」などが。いずれの食事処も個室形式でイス・テーブル式か掘りごたつ式です。 お料理のモットーは「安全・安心・美味しい」です。山形牛をはじめ、地元の自然に育まれた旬の食材、さらに自家農園で栽培した無農薬・有機野菜を使ったお料理が膳を彩ります。 宿泊プランによって違いますが、夕食は基本的に山形牛を中心とした和会席膳。使用する山形牛は肉質4等級以上のもの。口の中に入れるととろけていくような食感と芳醇な味わいを楽しんでください。 自社ブドウ園で採れたブドウで作ったワインをはじめ、県内11ワイナリーの主要銘柄のワインのほか、「出羽桜 大吟醸 万禮」や「十四代」など、山形の地酒も豊富に揃っています。時間をかけてゆっくりとお料理とのペアリングを。 朝食は日本庭園に面した別館2階のハーモニーホールで。和・洋・中約40種類を取り揃えたバイキングです。シェフが目の前で調理したでき立ての料理が提供されるオープンキッチンがあり、郷土料理の「だし」や「玉こん」、「薬膳そば」、山形県産つや姫のご飯など、多彩な料理が並ぶので、朝から気分が盛り上がります。

硫酸塩泉の温泉でお肌すべすべ、ほっこり温まるお風呂が好評

気兼ねなく浸かれる、広々とした内湯「紅の湯」
気兼ねなく浸かれる、広々とした内湯「紅の湯」
天童温泉の開湯は、明治時代が終わる1年前の1911年。鎌田地区の田んぼで井戸を掘っていた時に温泉が突然吹き出したというのが始まりとか。「天童温泉」という名は大正時代になってつけられたもの。昭和半ばには、天童温泉協同組合が温泉を共同集中管理し、今も天童温泉の旅館・ホテル約15軒や3つの足湯に配湯しています。2021年には高さ約10mの櫓をもった第10号源泉もできました。 泉質はナトリウム-カルシウム硫酸塩泉。保湿効果のある美人泉質で、あたたまりの湯として知られます。硫酸塩泉の中でも、特にナトリウムとカルシウムを多く含んでいるため、飲用すれば便秘に効果があるとされています。 そんな温泉を引くこのお宿のお風呂は、別館1階に女性用の「紅の湯」と男性用の「藍の湯」の大浴場が1カ所ずつ。2つの浴場を合わせると約1000㎡もの広さがあり、それぞれ内湯と露天風呂を備えています。広々とした内湯の湯船には無色透明の温泉が溢れ、湯上りはぽかぽか。飲泉所も設置されています。湯上りにはどくだみ茶や冷水などをどうぞ。 2022年3月に中庭に造られた宿泊者のみが利用できる庭園貸切風呂「湯庵」は有料で予約制ですが、源泉掛け流し。「さくらんぼ」と「こま」の2タイプの湯船で濃厚な源泉の恵みを堪能できます。入口から浴室まで段差がないユニバーサルデザインなので車椅子でもOK。

環境への配慮が人へのやさしさへと繋がる、ほほえみの宿

食べて安心のおいしい野菜作りをする自家農園
食べて安心のおいしい野菜作りをする自家農園
お宿のテーマは「人と自然に優しい宿づくり」。常に自然環境に配慮しながら快適な空間づくりを進めています。その取り組みの一つが自家農園。約7000㎡の農園で、農薬を使わずに露地栽培で野菜を栽培。農園で採れた有機野菜を中心に旬の新鮮な食材を、化学調味料を使わずにおいしく調理する工夫を凝らしています。生ゴミは堆肥に、食事の際の竹箸は農園に自生している竹を利用し、使用後は農園内の炭焼き釜で焼いて竹炭や竹酢液にして、畑の土壌改良や防虫、除菌に使用しています。 自家農園とともに大切に栽培に取り組んできたというのがブドウ園。有機栽培で実ったブドウは自家製有機ワイン「陽だまり」になりました。夕食時にはその芳醇な味わいを楽しんでください。 さらに、大浴場から廃出されるお湯の廃熱をロードヒーティングに再利用し、除雪作業を軽減するなど雪国ならではの取り組みも。 環境を考えてのさまざまな取り組みは、安心・安全、信頼へとつながり、スタッフの穏やかな微笑みとなって表れているよう。人にも環境にも優しい宿なのですね。 ▶宿の基本情報・アクセス・地図はこちら
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