インド・デリーにある荘厳な世界遺産レッド・フォートの魅力
インドの世界遺産と聞かれれば、多くの人はタージマハル宮殿を思い浮かべると思いますが、実はインドには世界文化遺産が30件、自然遺産や複合遺産も合わせると38件も登録されています。首都デリーにも3件の世界文化遺産が登録されていて、それぞれがとても見ごたえがあります。その中でも今回は「ラールキラー(別名レッド・フォート)」をご紹介しましょう。デリーを訪れたら必見の“赤い城”です。
シャー・ジャハーンによる築城
ラールキラーはムガール帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンによって建てられた居城です。デリーの大河ヤムナー河を背に、1639年から1648年まで8年の歳月をかけて築かれた壮麗な城で、赤砂岩で造られた城壁と門の赤い印象的な色合いから、「レッド・フォート(赤い城塞)」とも呼ばれています。
シャー・ジャハーンと言えば、こよなく愛していた妃を失い、悲しみのなか建てた廟「タージマハル宮殿」であまりにも有名ですが、そのほかにもインドの歴史に名を刻むような建築物をいくつも手掛けています。そのひとつがラールキラーです。
イスラムとインド文化が融合した内部
かつてインドがイギリスの植民地となった時には、この城は接収され軍事施設として利用されていました。インド独立後にはインド軍の施設となり、城の一部は今も軍事施設として一般の人の立ち入りが禁止されています。
しかし世界遺産に登録されるほどのあまりのすばらしさに、一部の施設は一般開放され、「地上の楽園」とも称された城の内部を垣間見ることができます。
現在観光できるのは、かつて「一般謁見の間」とされた「ディーワーネ・アーム」、ヤムナー河を背にした「貴賓謁見の間(ディーワーネ・カース)や「彩りの間(ラング・マハル)」、「皇帝の私室(カース・マハル)」などです。精緻な彫刻や人々を圧倒するかのような建物は、とてつもない財と人力を投入したことがうかがえることでしょう。
見学できる建物はもうひとつあります。それは「真珠のモスク(モーティ・マスジット)」と呼ばれるモスクで、この建物は次の皇帝アウラングゼーブによるもの。壮大な建物の建築に没入したシャー・ジャハーンとは異なり、アウラングゼーブ帝は信仰が篤い王でした。
アウラングゼーブ帝の後は、帝国は次第に衰退していき、やがてイギリス統治の時代へとうつります。イギリス統治に抵抗する人々の反乱の際にはこの城が戦場となり、大半が破壊されてしまいます。現在の姿は、破壊をかろうじて免れた部分のみなのです。
毎年8月15日の独立記念日には、インド首相がラールキラーで演説するなど、現在もインドの人々の心の砦ともなっています。
●ラールキラー(レッド・フォート)
時間:9:30~16:30
休日:月曜日、1/22~26、8/5~15
最寄り駅:メトロ・バイオレットライン「ラールキラー Lal Quila」駅から徒歩2分
できれば解説を聞きながら見学がおすすめ
ラールキラーができた頃のインド、時代背景、建物の歴史的価値、人々にどれだけ愛されてきたのか…などなど、城内をぐるりと観光するだけではなかなかわからないことはいろいろあります。
もし時間や予算が許せば、ガイド付きツアーなどに参加してラールキラーやシャー・ジャハーンの生きた時代を、より感じながら見学してみては。
JTBでは知識と経験豊富なガイドの解説を交え、ラールキラーのほかデリーの世界遺産などをじっくり回るツアーなどをご用意。安心と充実のデリー旅行をご案内します。
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