インド 世界遺産の塔「クトゥブ・ミナール」の魅力


JTBインディア スタッフ

デリーは経済成長著しいインドの中心として、常に変化し進化し続けていますが、ツーリスト、特に歴史や古代文化ファンの中には「見どころが少ないのでは?」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
けれどもデリーには歴史的建造物が多く残されていて、世界文化遺産が3つあります。ムガール帝国の城・ラール・キラー、ムガル第2代皇帝のフマユーン廟、そして今回ご紹介するクトゥブ・ミナールです。
その魅力をJTB現地スタッフがご紹介しましょう。

青い空に美しく映えるクトゥブ・ミナールのミナレット

800年の歴史を持つ世界遺産

クトゥブ・ミナールは、デリー南の郊外にある古いモスク。
「ミナール」とはモスクの尖塔(ミナレット)のことで、その名が示すように、赤砂岩や大理石がグラデーションを描いて天に伸びるさまは、青空に映えてとても美しいものです。このクトゥブ・ミナールとともに同じ敷地内にあるいくつかの古い建築物が、「クトゥブ・ミナールとその建造物群」として世界文化遺産に登録されています。
このモスクは、1200年頃にこの地にインド最初のイスラム王朝を開いたクトゥブッディーン・アイバクが、ヒンドゥー勢力に対する勝利を記念して建てたもので、イスラム様式とヒンドゥー様式が混在した独特の様式が特徴です。
ミナレット高さは72.5mもありますが、建築当初はなんと100mの高さがあったとか!天災などで何度か壊れ、修復を繰り返すうちに現在の高さになりました。

美しい装飾に目を奪われます

クトゥブ・ミナールの特徴は高いミナレットだけではありません。
その装飾彫刻にも思わず目を奪われます。
イスラム教は偶像崇拝を禁止しているため、装飾のためとはいえ「物や人の形」を描いたり彫ったりすることはできません。ですからイスラム文字を幾何学模様のように装飾にするのです。ミナレットにはコーランの章句が精巧に彫り込まれています。
一方、偶像崇拝禁止のイスラム建築でありながら、モスクの一部や回廊などで、イスラム文様に混じってなぜか人や動物などが彫り込まれているのを見つけることができます。
これは、建築材料の一部にヒンドゥー教やジャイナ教の寺院などのものを流用したためだとか。アクバルは、この地を占領した時に、それ以前建てられていた多くの施設を破壊しました。そして急いでイスラム教のモスクを建てるために、破壊した施設の資材を、そのまま使ったのです。
建物のあちこちに、その痕跡を発見すると、はるか昔にこの地で繰り広げられた栄枯盛衰を、思わず肌で感じることができそうです。

モスク周辺も見逃せない建築物が

モスクの中庭にある高さ7mの鉄柱は、さらに歴史を遡り3~4世紀に立てられたと考えられています。側面にはサンスクリット文字が刻まれるこの鉄柱は、なんと錆びていません。純度ほぼ100%の鉄は、錆びないのだそうです!
一方、クトゥブ・ミナールの奥には、まるで破壊されたかのような不思議なドーム状の建物が。アラーイーの搭と呼ばれます。この搭は未完のまま放置されてしまったミナレットで、建設当初の1300年代には、クトゥブ・ミナールの倍の高さを目論んで、搭の基底部は直径25mもあります。クトゥブ・ミナールは14.3mなので、もし完成していたら、高さ100mは優に超えていただとうと言われています。
そのほか、ドーム状の屋根を持つアラーイー・ダルワザという建物もあります。これはかつては正門として利用されいたものです。

行き方は?


メトロイエローラインの「Qutab Minar」駅から約2km。駅からは歩いても行けますが、タクシーかオートリキシャーがおすすめです。
せっかくの世界遺産、知識や経験豊富なガイドとともに回るツアーをおすすめします。歴史や建築の秘話などを聞きながら見学すると、楽しさも倍増します。
現地旅行会社からさまざまなデリー発ツアーが出ていますし、JTBでもクトゥブ・ミナールなどデリーの見どころをお得に回るツアーをご用意しています。ご参照ください!

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