JTB現地スタッフが語るデリーの魅力と観光スポット
インドの政治経済の中心であるニューデリーは、インドを旅行する人にとっても拠点となる大事な都市。ゲートウェーとして、そして世界遺産を有する観光都市として、一度は訪れたことがあるという方もきっと多いことでしょう。そんなデリーには外国人観光客にはあまり知られていないスポットもたくさんあります。今回はJTB現地スタッフが必見のスポットをご紹介しましょう。
エネルギッシュな国 インドの多彩な魅力
インド。
ひと言で表すとカオス。
エネルギッシュでいろんな色が氾濫している国。
自分が情報を知らないと痛い目にあう国。
ノープロブレムはメニープロブレム。
町や村には、いまだに牛(奈良の鹿と同じく聖なる動物なので…)やイノシシ、サルなどが自由に闊歩している国。(これらも全て神様に共通する動物なので…)
ウォッシュレットはないけれど、昔から水でお尻を清めていた人々。
道端で生活している多くの人々。泥水に入ってはしゃぐ子供たち。
インドと聞くとそんなイメージを頭に浮かべる人も少なくないでしょう。
けれど、デリーの町を歩くと点在する名もなき遺跡、そこから少し車を走らせると、きれいな湖のほとりでインド人たちがピクニックを楽しんでいます。もちろんサンドイッチなどではなくカレーとチャパティです。
北へ行けばヒマラヤ山脈が控え、その雪解け水を源に、聖なる河ガンジス川へと姿を変え、リゾート地も南北に点在します。
自然の魅力だけではありません。
古代から受け継がれる心身の治療を中心に発展してきたアーユルヴェーダ。
急速にITが発展し高層ビルがあちこちに建つとともに、インド本来の姿を保ち続ける村々。
現在はヒンズー教が大部分を占め、他にイスラム教、シク教、日本に伝来をもたらした仏教など、多岐にわたる宗教が存在します。
民族衣装や伝統音楽・舞踊も各都市ごとに特色があり、言葉は18の主要言語と844の方言があり、そして人口は中国に次ぎ世界第2位。
本当に多彩で、いつも発見がある国。
こんな、日本とは比較のしようがない、まだ見たこともない聞いたこともない宝物がたくさん詰まっているインドの、今回は首都デリーの知られざる観光地をご紹介します。
ニューとオールドの顔、首都デリー
古いものと新しいものが混在する都市デリー。
インド東部の大河ガンジス川の支流ヤムナー川が流れる町は、背後にインド有数の穀倉地帯が広がり、古くから交通の要衝となっていました。
ご存じのようにデリー市内には、オールドデリーとニューデリーがあります。
ニューデリーには大統領官邸を始め、国会議事堂、官庁や各国の大使館などが集まり、インドの政治・経済・文化の中心地。また、世界遺産もあります。南郊外にはインド最初のイスラム王朝が建てたモスク「クトゥブ・ミナール(Qutub Minar)」がありますし、市内中心部には、ムガル帝国第2代皇帝フマユーンの廟(Humayun's Tomb)があります。

クトゥブ・ミナール内部。
一方オールドデリーは、本来のデリーの姿。
コンノート・プレイスの北東側に広がり、人々も車も行き交う活気溢れるエリアです。
ムガル帝国の後期の首都だった歴史にふさわしく、その中心地にはインド最大のモスク「ジャマー・マスジッド(Jama Masjid)」が建っています。一方、町の東側にそびえる「ラール・キラー(レッド・フォート/Lal Qila, Red Fort)」は、第5代皇帝シャー・ジャハーンが建設し自らの居城としました。それらの周囲には、庶民の生活感溢れるバザールが、賑やかさを加えます。
ラール・キラーからまっすぐ西へと延びる大通りは「チャーンドニー・チョウク(Chandni Chowk)」と呼ばれるオールドデリーの目抜き通り。この周囲には宝石店や金銀細工の店、商店街などがびっしりと並び、大勢の買い物客で1日中賑わいます。
一方、チャーンドニー・チョウクの南側にはデリー駅があり、何本もの鉄道が発着しています。現在では、インターネットで事前に鉄道切符の予約ができたり地下鉄(メトロ)の駅ができるなど、交通は一昔前と比較にならないくらい便利になりました。(交通網の整備には日本企業も参加しています)。
しかし、庶民の足ともなっているオートリクシャ(トゥクトゥク)やサイクルリクシャ(人力車)に乗って、間近でインドの空気に溶け込むのも楽しい旅となるでしょう。

ジャマーマスジットでは毎週金曜日にイスラム教の集団礼拝があります。
デリーにも有名な階段井戸が!!
雨季と乾季で気候が大きく異なるインドでは、雨水を1年中確保するのがとても重要なため、はるか古代の人々は、「階段井戸(=バオリ)」と呼ばれる井戸施設を作りました。
階段井戸といえばジャイプール近郊の「チャンド・バオリ(Chand Baori)」が有名ですが、実はデリー市内にも階段井戸があるのはご存知でしょうか?ガイドブックにもあまり載っていない、知る人ぞ知る穴場スポット「アグラーセン・キ・バオリ(Agrasen ki Baori)」です。
「チャンド・バオリ」に比べるとこじんまりとした作りですが、一見の価値があります。長さ60m、幅15m。1958年にインド考古学調査研究所(ASI)によって保護遺跡に指定されました。マハーバラータ(インド古代の叙事詩)の時代に、伝説の王様アグラーセン"Agrasen"によって建設されたと信じられ、現在残っている井戸は14世紀に再建されたものです。
<アグラーセン・キ・バオリに行くには>
メトロ:コンノート・プレイス駅下車
コンノート・プレイス駅からカツルバ・ガンディー・マルグを進み、ハイレイ・ロードを左折。
駅からオートリクシャーで行くことをおすすめします。
住所:Hailey road,near KG Marg, Connaught Place, New Delhi 110001
入場料:無料(駐車代:INR 100)
まだまだ知られていない遺跡があちこちに点在しているインド。
一歩先ゆく旅人として、訪れてみませんか?

アグラーセン井戸
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