北京に向けた展望とアルペンスキー合宿開始について
JTBスポーツブログYELLをご覧の皆様、ご無沙汰しております。
アルペンスキー競技において、来年3/4開幕の冬季・北京パラリンピック出場を目指しているJTBコミュニケーションデザイン(JCD)の小池岳太です。
あっというまに夏季の練習期間が過ぎ、10/22よりスイス・Saasfee氷河スキー場にて雪上合宿が始まっています。
直近の最大目標は、北京パラリンピックの出場権を獲得することです。
今回は合宿報告と、北京パラリンピックの出場要件についてご報告します。
スイス・Saasfee氷河スキー場にて
【北京パラ出場権獲得について】
下記2つの条件いずれかを満たす必要があります。
①
アルペンスキー5種目のうち、3種目で規定の国際ポイントを獲得すること
②
ワールドカップ(12月~1月下旬に3大会開催)、もしくは世界選手権(1月上旬に開催)で1種目でも8位以内入賞すること。
現在、①については5種目のうち、滑降(DH)の1種目のみ規定をクリアしている状況です。
年明け1月末までの大会の中で①②どちらかの達成を目指しています。
天候や新型コロナウイルスの影響を受けなければ、1月末までに5会場19試合が開催される見通しですが、種目によって多くて4試合、少ない種目は2試合のチャンスとなっています。
今季よりトップチームに復帰を果たせたことを生かし、チャンスを掴み取るよう全力を尽くす覚悟です。
以上、北京に向けての現状報告でした。
【練習状況について】
トップチームは夏季(8月~9月)に欧州遠征にて雪上練習をしていましたが、4月より日本体育大学大学院に入学した私は授業や研究活動の都合で参加することが難しく、今回の秋季合宿が久々の雪上練習となっています。
国内では、合間を縫って野沢温泉スキー場のサマースキー練習(ピスラボ)にて滑走感覚の練習を積んできました。
またフィジカル面強化という意味では菅平高原や日体大、または恵比寿のR-bodyジム、自宅周辺の林のなかを走るトレイルランや、階段ダッシュ、自転車練習等、感染症対策に注意しながら練習を積んできました。
大学院ではバイオメカニクス(生体力学)を専攻することで、物理や力学から動作の改善や用具セッティングの改善に生かし、競技力向上に生かせるとの思いで学んでいます。
競技活動との並行はなかなかスムーズにいかないことが多い状況ですが、自身の成長の最後のチャンスとも思い、食らいついていこうと考えています。
野沢温泉スキー場のサマースキー練習
野沢温泉スキー場拠点のsnow bustersチーム練習の様子
【雪上合宿について】
Saasfee氷河スキー場にて第1クールの5日間が終了しました。
ゴンドラを2回乗り継ぎ、山岳電車にて標高3,700m付近の氷河エリアでの練習となりますが、朝一、上がった瞬間の酸素不足にはまだまだ体が慣れません。
宿泊地も1,900mと準高地なことから回復もしにくく、39歳の私には怪我や体調不良とギリギリの生活となっています。
午前中は雪上練習、下山後夕方に陸上練習(ウェイトと有酸素週300分)で5日練習し1日オフのスケジュールです。
さて、肝心の練習内容は、非常に手応えを感じています!!
スキー板に効率よく力を伝えて加速させる方法のコツを、アルペンスキー歴17年にしてようやく掴んできた実感です。
食事面は、主食のパンやパスタだけではエネルギー(炭水化物)が足りず、炊飯器を持ち込んで魚の缶詰と一緒に炊いたご飯などで補うこともあります。
回復の方法としては、入浴時のマッサージや、ストレッチする際に振動するタイプのマッサージ器具を用い、少しでも筋肉をほぐすようにして翌日に備えています。
こういった生活面は過去の経験から最適な方法を実施しています。
振動で筋肉をほぐすマッサージ器具
チームメイトと協力し合う陸上練習の様子
現状順調に推移していますが、先ずは北京パラリンピックの出場権利獲得、そして本大会では悲願のメダル獲得に向けて好スタートを切れていることに一喜一憂せず、技術の定着と更なるフィジカル強化を果たすよう、チームメイトと切磋琢磨しつつ全力で日々取り組んで参ります。
以上、北京に向けた展望と、近況ご報告でした。
JTBコミュニケーションデザイン(JCD)
DX推進プロジェクト
パラアルペンスキー日本代表
小池 岳太