2017梅雨、順調に強化中!!
JTBスポーツWEBをご覧の皆さまこんにちは!
JTBコミュニケーションデザイン所属、パラアルペンスキー競技の小池です。
梅雨入りし日中もかなり暑くなってきましたが、リハビリも順調終了に近づき、練習強度も徐々に上がり、いよいよ強化練習へ移行している近況です。
今日は、以下の報告をします。
・パラスキー連盟 記者会見&感謝の夕べ
・講演活動
・練習内容概要
① 6/8 パラスキー連盟記者会見&感謝の夕べ(日本財団ビルパラサポートセンター)
前年シーズンの結果報告をスポンサー企業様や選手の所属会社、そしてスキーメーカー関係者をお招きして行う機会ですが、今年は平昌パラリンピック前の機会ということで、平昌への抱負も交え、より緊張感のある機会となりました。
記者会見では20社ほど、感謝の夕べでは日ごろサポートいただく皆様およそ100名の来賓に感謝の意と平昌での活躍を誓う決意表明をさせていただきました。
今回、リハビリ中ということで鈴木大地スポーツ庁長官もお越しいただき激賞いただき、私自身、より身が引き締まる思いの機会でした!
アルペンスキー、クロスカントリー、スノーボード三つの団体が属するパラスキー連盟、昨季活躍した選手の様子
② 講演活動 2件
・5/30 秋田県鹿角市花輪小学校 5年生対象 JFA夢先生 心のプロジェクト参加
サッカー協会主催の夢先生プロジェクトですが、小学5年生を対象に、一クラスずつ「体育の授業+通常授業」にて実施。
夢を追う過程で学んでいること、大切にしていることを、「夢曲線」として幼少期から現在までの過程を曲線で板書しつつ、特に事故や障害の受傷により落ち込んだ時に、周囲の皆さんにどのように助けていただいて今があるか、児童の皆さんに大切にしてほしい点を伝えさせていただいています。
特に、障害のような困難があっても、「自分の心持ち次第で、いくらでも前向きにチャレンジしいける」、という点を強調しました。
・6/1 船橋市船橋中学校 全校生約1200名
「自分の可能性を信じて」というタイトルで、中学生ということで、パラリンピックの歴史や、海外と日本の障碍者を取り巻く環境の違いなど、海外遠征で見てきた経験を含め、片手の障害体験も交えて話させていただきました。
話をすることは私にとってまだまだ難しい取り組みですが、少しでも若い後輩たちの視野が広がり、前向きに生きていくヒントになればと思い実施しています。
夢先生講演では、夢について書いた“夢シート”が後日届き、一人ひとり返信していくことで形としても残します
<今後の講演予定>
・7/4 千代田区富士見小学校 小学4年生
・7/7 岡山県倉敷市 小学校5年生 JFA夢先生
③ 競技活動報告
JISS(国立スポーツ科学センター)中心のリハビリや練習と、外部での健常者の練習に混ざる個人合宿を織り交ぜ、徐々に強度を上げて練習しています。
リハビリは主に微弱電流機器での治療を進め、練習ではコアトレーニングやスクワットなどの筋力トレーニングはジムにて負荷を順調に上げ、その他、健常者の練習に混ざる練習では、ジャンプ系の瞬発力向上、自転車での追い込み練習など、徐々に負荷を上げたメニューに取り組んでいます。
食事も一日5食(バナナやおにぎりなど捕食含め)にした結果、順調に筋力も増え、80kgに達しました。
冬季シーズンに向けて84~85kgまで増量しておき、3月の平昌大会に向けてはベスト体重の80kg(体脂肪10%)を維持するよう組んでいきたい考えです。
反復横跳びや、60cm台跳び左右など、昔ながらのメニューも大切です
このほか、永遠の課題としては、心理面があげられます。
どうすれば最高の心理状態で試合に臨み、自分の滑りに集中できる心技体を作り上げるか。
この点は、これまで自分の感覚で行ってきましたが、JISSのハイパフォーマンスサポートで受けている心理スタッフに個人面談を受け、個人的には、著名なアスリートやこの分野の文献を参考にしつつ構築していこうと考えています。
以上、8月の南米チリでの雪上強化合宿に向けた、近況報告でした。
◇平昌に向けてパラリンピック マメ知識♪ ~用具、ハンディ形式について~
① 用具
パラリンピックは障害を補う、オリジナルの義肢装具を使用できます。
陸上選手の義足や、スキーでは車いす選手のチェアスキーなどです。
スキー競技では、毎年秋までに新規で作成した装具を国際スキー連盟に登録することで使用できます。
もし登録していない装具を使用すると『失格』となるため注意が必要です!
② ハンディルール
夏季、冬季ともに障害ごとに細かくクラス分けされており、スキー種目でも30近くの障害別に細かくクラス分けされています。
夏季は全体の選手数が多いことや、競技上、他の選手と同一スタートの種目が多いため、各クラスにメダルを設けています。
一方で、冬季種目はタイムで争う個人戦が主なため、メダル数を集約し、各障害のクラスにハンディ制度を設けて、立位(立っている障害)、座位(車いす選手)、視覚障害の三つのカテゴリー(※金メダルは三つ)に集約して争っています。
具体的には、私の属する立位カテゴリーの場合、私の障害である片腕障害クラス(ストックが一本のクラス)は最も軽い障害クラスのため、ハンディなしで実測タイム勝負です(見た目最も速く滑る必要あり)。
ちなみに片足切断の選手は実測タイムから10秒ほど差し引くハンディが与えられます。
つまり、障害が重いほど、タイム計測時、ハンディ分遅くカウントされるルールです。
この結果、コースによりクラスごとの有利不利がどうしても出てきますが、平昌のコースは、昨季のプレ大会結果を見ると、難しすぎず、簡単でもないため、全クラスに公平なテクニカルなコース設定となっている様子です。
メダルの価値が高まる分、50人ほどの選手が一つのメダルを争うため、熾烈な争いとなります!
以上、梅雨入りの活動レポートでした。
今後とも、応援のほど、よろしくお願いいたします。
JTBコミュニケーションデザイン所属
パラアルペンスキー 日本代表 小池岳太