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第一次遠征オーストリア合宿レポート

こんにちは!
JTBコミュニケーションズ、パラ・アルペンスキー競技の小池です。

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大回転練習の様子(左腕まひのため、ストックが一本となります)

さて、10月15日~11月9日の期間で、パラ・アルペンスキー代表チームの2015-2016シーズン第一次合宿がオーストリア・チロル州 スチューバイ氷河スキー場にて開催されましたので、その報告を致します。

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写真提供:SAJD

今回の目的は、シーズンイン合宿として、スキーの基本技術の再確認や、今期使用していく用具のセッティング確定が主な目的でした。

そして、9月に参加しましたチリ遠征でのオーストリアチーム合宿の成果も踏まえ、2014年ソチ大会以降に新たに取り組んできた “姿勢の改善” がどこまでスキーの運動に反映できるか、それらの現在地を確認する合宿でもありました。

併せて、チームとしては、先日、合宿直前に行われましたJISS(国立スポーツ科学センター)での低酸素トレーニングの成果や、栄養指導をメールでやり取りするといったサポートを受けた合宿でした。

さて、合宿地のスチューバイスキー場ですが、標高3000m付近の氷河エリアでも、-2度~-9度と比較的暖かかったのですが、連日の晴天で天候に恵まれたこと、雪質も滑りやすいハードパックされた硬い雪質であったことから、質の高い練習を集中的に積むことができました。

今回は、アルペンスキー5種目のうち、技術系種目の回転、大回転、そして高速系種目のスーパー大回転という3種目を交互におこないましたが、その日の天候状況や、練習コースの割り振りにより、日本チーム単独で練習する日もあれば他国と合同練習する場合もありました。
(※秋は、欧州でも氷河スキー場のみ練習可能なため、各国ひしめきあっています。)

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大回転(左)回転(右)の様子(チーム数が多く、まるで旗門の林です)

合宿中のスケジュールですが、週5日~6日の雪上と陸上練習をし、そのうち週一日は近郊のインスブルック市内のジムに通うスケジュールでした。

一日の流れですが、午前中に雪上練習(日々、横滑りやプルークボーゲン、片足スキーといった基礎メニューから、旗門を立てた実戦メニュー)、午後はホテル内の会議室をジムスペースとして、エアロバイクやバランスボール等を設置しフィジカル練習。 その他、ビデオミーティングや、用具のメンテナンス(スキー板のエッヂの研磨や、滑走面のホットワクシング作業)をします。
また、高地練習時は非常に身体の負担も大きいため、柔道整復師のスタッフによるマッサージや、長めのセルフストレッチで身体のケアも入念に行っていました。

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小池、チームメイトの三澤選手(片足大腿切断)

さて、合宿の成果ですが、スキー技術は昨季に比べ、着実に変わってきています。 平均的には、各種目とも1秒~2秒タイムアップという状況でしょうか。 各国とも成長著しいなか、まだまだ大きな飛躍には至っていませんが、その基礎となる部分の準備をしている段階で今回は終了しました。
以下、主な成果と今後の課題です。

<成果>
○基礎体力向上

この夏の期間に積んできた自転車練習での基礎体力向上は、平常心拍数が毎朝35拍~40拍前半という以前よりも低い数値にも現れ、毎日の練習量を支えてくれていると感じました。

○姿勢改善
姿勢改善として歩行やランニングから始め、スクワット姿勢や体幹トレーニング時、特に股関節、肩甲骨を機能的に使うことを目的に改善に取り組んでいますが、スキー中に、これまでより無駄な力を抜く感覚が定着してきたことに効果が現れていると感じています。 ただ、不足している点も明確になってきました。

<課題>
●筋持久力の更なる向上

ハムストリングスや背筋群など、身体の後ろ側の筋力アップがさらに必要です。 そして、筋持久力アップとして、インターバルメニューを繰り返し、高い負荷で全力で動き続けられる身体がもっと必要です。 このことで、さらなるスキー練習の質の向上と、日々の回復力の向上が見込まれます。

●バランス能力の向上、姿勢改善のさらなる向上
まだまだスキー中に姿勢が崩れて無駄な力を使っているため、継続して正しい動きの習得が必要です。

●身体の柔軟性の向上
転倒時の負傷のリスクを減らすため、これまで以上に、各関節の柔軟性を広げなければなりません。
これらの点について、成果と課題点を自覚できた有意義な合宿でした。

今後、今月22日~12月18日の期間で、第二次遠征がカナダ・パノラマスキー場にて開催されますので、一次遠征の収穫と反省点を引き続き良く分析して、今期は2月~3月にピークに達するようにしつつ、長期的には2017-2018シーズンの平昌大会の成功繋げて成長するよう、取り組んで参ります。

<合宿詳細>
・チーム構成
選手7名(立位2名、座位5名)、スタッフ6名(コーチ3名、理学療法士1名、柔道整復師1名、サービスマン1名。)
※サービスマンとは、スキー用具の手入れのプロ、車イス選手が使用するチェアスキーと呼ばれるマシンのメカニックの呼称です
・滑走日数:24日間中、15日の滑走
・気温:氷河スキー場でー2度~-9度(標高2400m~3200m)
・生活状況<雪上練習時のタイムスケジュール>
 起床:5時半 ジョギングやストレッチ等のアップ後、朝食
 出発:6時半移動開始 スキー場まで30分移動後、ゴンドラ乗車
 練習:雪上 8時~11時 移動後、昼食、小休憩
    陸上 14時~17時
 ミーティング:18時~ ビデオ確認含め個別指導
        その他、ワクシング作業等用具のメンテナンス
 ストレッチ:夕食や入浴後、ストレッチポールや、ソフトボールといった各種器具を使ってケア
 就寝:23時前後

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コーチスタッフは寒い中もじっと耐えて、練習環境の確保、ビデオ撮影等、すべての準備と運営をサポートしてくださいます

以上、第一次遠征レポートでした!
引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。


JTBコミュニケーションズ
小池 岳太

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