9月のオーストラリアは春!ワトルとワイルドフラワーを楽しもう
コアラやカンガルーなど、めずらしい動物が有名なオーストラリアですが、花の種類も実に豊富。9月になると、国のシンボルになっている黄色いワトルの花が咲き、冬の終わりを告げます。ワイルドフラワーの宝庫、西オーストラリア州には、この時期にぜひ訪れたい必見の花畑がたくさんあります。
広い国土に様々な気候帯が集まったオーストラリアには、日本では見たことがないエキゾチックな花々がたくさんあります。なかでも春を迎える9月は、花が1年で最も美しい季節。シドニーやメルボルン周辺では、ミモザを思わせる、鮮やかな黄色い花をたくさんつけた灌木が目をひきます。これがオーストラリアの国の花、ゴールデン・ワトルです。サッカーや五輪の大会で、オーストラリアのナショナルチーム選手が着るユニフォームの色、鮮やかな黄色とグリーンの由来でもあります。
一方、春といえば、西オーストラリア州のワイルドフラワーを忘れてはいけません。この時期にしか堪能できない、めずらしい野生の花々がいっせいに咲き乱れ、あちこちに天然の花畑が出現。花がお目当ての方にとっては、1年中で最高の季節を迎えます。ブラシのような形が特徴的なバンクシア、種類豊富なオーキッド(蘭)の仲間たち、カンガルーの前足のような姿のカンガルー・ポー、白くて愛らしいサザンクロスなど、どれも非常に希少なものばかりです。
ワトルの花が国のシンボルに選ばれた理由
めずらしい花の宝庫、オーストラリアですが、その中で、ワトルがオーストラリアの「国の花」に選ばれたのは、英国からやってきた開拓民の歴史と深い関係があることが一因です。中世の英国には、しなやかな枝を編んで骨組みを作り、周りを泥で固めて建物の壁などを作る技法がありました。オーストラリアにやってきた最初の頃の移民たちは、この手法で小屋を建て、その際、ワトルの木を活用したのだそうです。春を告げる黄金色の花の美しさに加え、その枝の耐久性、強靱さが建国当初の暮らしを支えたこともあり、ワトルが国花に選ばれました。
なお「ワトル」には、もともと英語で「枝を編む」「枝を編んだ細工」という意味があります。ゴールデン・ワトルは、植物学的にはマメ科アカシア属の樹木で、もしかしたら「アカシア」と呼んだほうが、分かりやすいのかもしれませんが、オーストラリアでは「ワトル」の呼び名が定着。この名前で親しまれています。
オーストラリアの紋章にも、ワトルが描かれています。国の紋章に採用された動物は、「前進あるのみ!」のカンガルーとエミューですが、その背景をよく見ると、ワトルの枝と花が描かれています。また9月1日は「ワトル・デイ」に指定されています。9月にシドニーやメルボルン、アデレードを訪れる機会がある方は、ぜひ、黄金色の花をたわわに咲かせたゴールデン・ワトルの木を探してみてください。
春爛漫!野生の花々を満喫するならパース近郊へ
花や植物が大好きな方には、西オーストラリア州パース近郊への観光がおすすめです。ここではゴールデン・ワトルの他にも、たくさんのワイルドフラワーが1年で最も美しい姿を見せてくれます。例えばパース市内、スワン川沿いにあるキングスパーク(Kings Park & Botanic Garden)では、毎年9月に「ワイルドフラワー・フェスティバル」を開催。なんと3000種以上の花々を鑑賞することができます。
パースでワイルドフラワーを楽しむツアーはこちら(毎年8月~10月に実施)
https://www.jtb.com.au/tour/perth/detail.php?id=247
西オーストラリアを代表する絶景、ピナクルズへ向かう途中にも、この時期ならば、めずらしいワイルドフラワーの数々を楽しむことができます。パースから北へ約1時間のドライブで到着するヤンチェップ国立公園(Yanchep National Park)や、インド洋沿いに北へ伸びるブランド・ハイウェイ(Brand high way)沿いなど、様々なところで、バンクシアやカンガルー・ポーなど、西オーストラリア州固有の花々が楽しめます。ヤンチェップ国立公園には、野生のコアラもいますよ。
たっぷり時間をかけて、旬のワイルドフラワーをもっともっと満喫したい!という方は、レンタカーを借りて、さらに北へドライブ。パースから北へ約250kmのレシュール国立公園(Lesueur National Park)や、もう少し北にあるコールシーム自然保護区(Coalseam Conservation Park)を目指しましょう。
コールシーム自然保護区まで行く場合、パースからは約5時間のドライブとなり、少々、長旅ではありますが、黄色いエバーラスティングの花を始め、さまざまな種類のオーキッド、バンクシアなど、野生の花々が春にだけ見せてくれる見事なお花畑は、圧巻です!保護区内には、カンガルーやエミュー、エキドナ(ハリモグラ)、インコやオウムなど、野生の動物や鳥たちも生息しています。カメラ必携です。
ヤンチェップ国立公園とピナクルズの夕陽をどちらも楽しめる欲張りなツアーはこちらへ。
動物との触れ合いやチョコレート、ワインを楽しめるツアーはこちら。