「会社が贈りたいものを贈る」のではなく、「相手が喜びそうなものを贈る」と考えたらいいわね。でもそれを一人ひとり確認するわけにもいかないから、「使い方を自分で決められる」ものはどうかしら。そのほうがきっとうれしいし、強く印象に残るはず。たとえば商品券やカタログギフト、最近だと電子マネー感覚で使えるデジタルギフトもおすすめよ。リフレッシュ休暇も一緒に付与する場合は、旅行券もおすすめね。従業員のご家族も楽しめるすてきな思い出になるし、一定の要件(下記)を満たせば税金を差し引かれることもないわ。
永年勤続表彰対象者に支給する旅行券が非課税となる要件について
1.旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること。
2.旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なものであること。
3.旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必要事項を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して貴社に提出すること。
4.旅行券の支給を受けた者が当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部又は一部を使用しなかった場合には、当該使用しなかった旅行券は貴社に返還すること。
(国税局 所基通36-21、昭60直法6-4)
※上記の内容および永年勤続者以外に贈る場合の詳細につきましては、国税庁ホームページまたは、管轄の税務署へご確認ください。
たとえば、永年勤続を称える言葉を添えた名入りの表彰品などは、「もらっても困る」と敬遠される傾向にあるようね。社名や企業のロゴマークを入れたものも、「使いにくい」と感じる人が多いと思うわ。「プライベートに仕事を持ち込みたくない」人のことも考えて、企業色の強い贈りものは避けたほうが無難ね。
シャチョーの若い頃は、いわゆる一般的な表彰品を贈ることが主流だったんだと思うわ。でも、今は私たちの生活や価値観も多様化しているからね。仕事は仕事、と割り切る人や、物をたくさん持ちたくない人も増えたし。「自分がこれをもらったら、どう感じるかな?」と想像力を働かせることが大事ね。大切な誰かへのプレゼントを選ぶ時も、きっとそういう風に考えるでしょ?それと変わらないと思うわ。
「永年勤続表彰」は、特に従業員数の多い企業では毎年のように発生するイベントだから、飽きずに楽しめることはもちろん、「今年はなんだろう?」と楽しみになるようなサプライズ演出はどうかしら。従業員に内緒でご家族を招待したり、元同僚・元上司などのメッセージを流したり。併せて、支給する商品券や旅行券にゲストからのメッセージを添えることで、式の印象はぐっと深まると思うわ。
商品券や現金を支給する場合は、給与や賞与と同様に税金がかかるわ。具体的にいうと、所得税や住民税を差し引いて支給しなければいけないの。表彰式後に「思っていた金額と違って少ない!」とトラブルにならないように、事前に従業員へ伝えておかないとね。旅行券の支給なら、支給後1年以内に使用することで非課税になる場合があるけど、それを知らずに1年を過ぎてしまうと、未使用の旅行券は会社へ返還しないといけないの。1年以内に使ってもらえるよう、定期的に確認が必要よ。