まずは、表彰の対象となる勤続年数を決め、表彰される従業員をリストアップすること。特に勤続年数は途中で変更すると不公平感につながるから、慎重に決める必要があるわ。次に、表彰式の内容を決めること。全体会議やキックオフミーティングなどの行事と一緒に行う場合はその担当者との連携が必要だし、表彰式単独で行う場合はホテルやスペースレンタルを行う企業に連絡して、会場をおさえておきましょう。
「永年」が何年を指すのか、正解はないけれど、今回はさすがにやりすぎね(笑)。でも、そうやって従業員のがんばりを日々称えるぐらいの気持ちでいたほうが、きっといい表彰式になると思うわ。それに、たびとくんのような他部署のメンバーに日頃から相談しておくのは確かにいいことね。一人で抱えず、まわりからアドバイスやサポートをもらうことで、結果的にみんながうれしい表彰式につながるはずよ。
意外と忘れがちなのが、表彰状。表彰式を行う場合は必要になるわね。社内で印刷するか、オンデマンド印刷で発注するかは予算しだいだけど、表彰式で読む人と文面を決めておかないと。記念品を贈る場合はその内容を決めて、人気のあるものは早めに確保しておいたほうがいいわ。
会社によって規模は異なるけれど、産労総合研究所の調査※によると、賞金(金一封)を贈る場合の平均金額は勤続5年で約18,000円、勤続10年で約36,000円、賞品(記念品)を贈る場合の平均価格は勤続5年で約16,000円、勤続10年で約36,000円とあるわ。詳しくは下の表を見てみてね。賞金と商品を両方贈る場合は金額が変わってくると思うけど、目安にはなると思うわ。
永年勤続表彰で贈られる賞金・賞品の平均額
賞金(金一封) | 賞品(記念品) | |
5年 | 18,000円 | 16,000円 |
10年 | 36,000円 | 36,000円 |
15年 | 49,000円 | 37,000円 |
20年 | 74,000円 | 75,000円 |
25年 | 91,000円 | 71,000円 |
30年 | 133,000円 | 132,000円 |
35年 | 119,000円 | 85,000円 |
40年 | 140,000円 | 111,000円 |
※2006年11月の調査によるもの。古いデータでごめんなさい…(ええねん先輩)。
「永年勤続表彰」で贈る金一封(賞与)は、月々の給与と同じ金銭の支給とみなされて、所得税や住民税が差し引かれるわ。商品券や旅行券も換金しやすいから、やっぱり税金がかかるの。従業員の多くは課税されることを知らないから、伝えておかないとトラブルになるから注意してね。ただし、旅行券を支給する場合は一定の要件(下記)を満たせば課税対象にならないの。額面通りの贈り物になるから、きっと喜ばれるんじゃないかしら。
永年勤続表彰対象者に支給する旅行券が非課税となる要件について
1.旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること。
2.旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なものであること。
3.旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必要事項を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して貴社に提出すること。
4.旅行券の支給を受けた者が当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部又は一部を使用しなかった場合には、当該使用しなかった旅行券は貴社に返還すること。
(国税局 所基通36-21、昭60直法6-4)
※上記の内容および永年勤続者以外に贈る場合の詳細につきましては、国税庁ホームページまたは、管轄の税務署へご確認ください。