「永年勤続」の文字通り、「長期にわたって勤務」する従業員を雇用主が表彰する制度なの。記念品や景品、リフレッシュ休暇、金一封(賞与)などが贈られるケースが一般的よ。表彰の対象になる勤続年数は企業や組織によってさまざま。10年ごとに行うことが一般的だけど、まずは勤続5年目に表彰して、その後は10年目、20年目…と10年ごとに表彰をすることも多いわ。
「永年勤続表彰」は法律で定められている制度ではないから、導入は任意なの。それでも多くの企業が導入しているのは、入社数年で転職することがめずらしくない今の日本で、従業員の早期離職を防ぐ効果に期待しているから。他にも、それまでの功績に対する感謝と将来の期待を寄せることで企業と従業員の信頼関係を深めて、従業員のモチベーションアップが期待できるわね。
永年のがんばりを評価することで従業員が喜び、それを見た家族も喜ぶ。そして、さらなるモチベーションアップにつながっていく。永年勤続表彰には、そんないろいろなメリットがあるのよ。それにしてもわかばさん、いいところに気がついたわ。一番がんばっているのは、もしかしたらシャチョーかもしれないわね。サプライズでシャチョーも表彰してあげたら、今度はうれし泣きしちゃうんじゃないかしら?
「永年勤続表彰」は、企業が任意で表彰条件や内容を決められるわ。だから、正社員(正職員)のみとするか、非正規社員(非正規職員)も対象とするかは、人事制度の考え方しだいなの。ただ、「長年の労をねぎらい表彰する」という「永年勤続表彰」の趣旨から考えると、雇用形態を問わず勤続年数で一律に表彰を行うことが望ましいと思うわ。シンプルで公平な制度とすることは、企業のイメージアップにもつながるはずよ。
表彰の権利が発生する時期は、対象者の入社日によってばらばら。表彰式を行う時期についても特に決まりはないけれど、全体会議やキックオフミーティングなどと一緒に行うことで、会社全体の行事として盛り上げることができるし、魅力的な式になれば他の従業員のモチベーションアップにもつながるはずよ。もちろん、朝礼などの時間を使って簡単に行うことや、表彰式は行わず記念品やリフレッシュ休暇のみを支給する場合もあるわ。