南アフリカ代表スプリングボックの新ヘッドコーチにラッシー・エラスマス氏が就任
こんにちは! 南アフリカ観光局です。
南アフリカラグビー協会(SARU)は3月1日、昨年後半から同協会でラグビー・ディレクターを務めているヨハン・“ラッシー”・エラスマスをスプリングボックスの新ヘッドコーチに任命しました。
1999年のオーストラリア代表とのテストマッチでキャプテンを務めたエラスマスは、南アフリカ代表として36キャップを持っており、2023年にフランスで開催されるラグビーワールドカップ終了までスプリングボックスを率いることとなります。
45歳のラッシー・エラスマス、本名ヨハン・ラスマスは現役引退後まもなく、フリーステート・チーターズのコーチに就任。
南アフリカ国内リーグ戦のカリー・カップで2005年と2006年にチームを優勝(2006年はブルー・ブルズと同率優勝)に導いたことで、コーチとしてその名を高めました。
ホームのフリーステート・スタジアムでは試合中にディスコ照明や様々な色のカードを用いてフィールド上の選手に指示を出していたことから“DJラッシー”と称されていました。
※「写真提供:南アフリカ観光局」
フリーステート州の州都「ブルームフォンテーン」
チーターズをスーパーラグビーへと復帰させた2006年の成績は10位。翌年も11位に留まり、通算成績は26戦中9勝という結果に終わりましたが、後にエラスマスはスプリングボックスのテクニカル・アドバイザーに就任し、2007年ラグビーワールドカップに向けて当時ヘッドコーチだったジェイク・ホワイト(現トップリーグ・トヨタ自動車ヴェルブリッツ監督)をサポート。
その後はケープタウンへ移り、前任のアリスター・クッツェー氏がヘッドコーチを務めていたウェスタン・プロビンスでシニア・プロフェッショナル・コーチ、ストーマーズでは事実上のヘッドコーチを務めました。
ストーマーズでの成績は2008年が5位、2009年は10位に終わり、2009年後半にはアリスター・クッツェーがヘッドコーチに就き、エラスマスはチーム戦術や選手の採用などを担当するラグビー・ディレクターとしてストーマーズを支えました。
そして、ストーマーズはアリスター・クッツェーの下で2010年は決勝、2011年は準決勝進出を果たす傍ら、エラスマスは2010年にウェスタン・プロビンスの21歳以下のチームの指導にあたりました。
その後、2011年のテストシーズンからワールドカップまではテクニカル・アドバイザーとしてスプリングボックスへ戻り、当時ヘッドコーチを務めていたピーター・デ・ヴィリアーズを支えました。
2012年1月にウェスタン・プロビンスを離れたエラスマスは、同年4月にSARUの初代GM for High Performanceに就任。
ラグビー・ディレクターと同様の任務を担い、ヘッドコーチに着任したばかりのハイネケ・メイヤーが率いるスプリングボックスのサポート役を務めました。
当時、エラスマスはディフェンスの神様ジャック・ニーナバー、キックのスペシャリストであるルイス・コーエン、スクラムコーチのピーター・デ・ヴィリアーズとチームを組んで、男子と女子の代表チーム、セブンズ代表を含めた全てのナショナルチーム、時にはスーパーラグビーのチームの指導にも携わりました。
しかし、その任務には不明瞭な面もあり、2016年のアリスター・クッツェーのヘッドコーチ就任に伴い、アイルランドのマンスターへと去って行きました。
エラスマスはアリスター・クッツェーに師事しながらスプリングボックスに携わることへの不満を抱いていたとも言われていましたが、半年後にケープタウンに戻りSARUのラグビー・ディレクターに就任すると状況は一転し、昨年11月にはクッツェーの上司にあたる職務に就いたのです。
SARUより解任を言い渡される際、クッツェーはSARUのジュリー・ルーCEO宛に手紙を送り、2018年以降もヘッドコーチを続ける場合には、エラスマスへの報告義務を課すというSARU側からの条件に対して、そんなお飾りヘッドコーチ職は侮辱以外の何物でもない、と言い放ったと伝えられています。
真偽のほどはさておき、エラスマス新体制下の初戦でスプリングボックスは6月2日に米・ワシントンDCでウェールズ代表とのテストマッチに挑み、その後はエディー・ジョーンズ率いるイングランド代表をホームに迎えてテストマッチ3連戦(9日:ヨハネスブルグ・エリスパーク、16日:ブルームフォンテーン・フリーステートスタジアム、23日:ケープタウン・ニューランズ)を争います。
エラスマス新ヘッドコーチの下、スプリングボックスが強さを取り戻してくれることを期待しています。
※「写真提供:南アフリカ観光局」
南アフリカで唯一の草原から成る国立公園「ゴールデンゲート・ハイランド国立公園」
さて、エラスマスは東ケープ州のデスパッチという街に生まれ育ち、フリーステート大学を卒業していますが、フリーステート州には南アフリカの雄大な自然が奏でる美しい景観で知られる「ゴールデンゲート・ハイランド国立公園」があります。
南アフリカで唯一の草原から成る国立公園で数百万年前にはこの辺りを恐竜が闊歩していたそうです。
沼地だったこの周辺は、やがて風と砂によって砂漠と化し、有名な金色の崖を築きあげていきました。
このゴールデンゲート・ハイランド国立公園では、現在上映されているマーベルスタジオの最新作「ブラックパンサー」の舞台であるアフリカの超文明国ワカンダの風景の撮影が行われました。
手付かずの自然に囲まれたハイキングコース、古代からの歴史、華麗な野生動物との出会いなどが楽しめるゴールデンゲート・ハイランド国立公園はフリーステート州を代表する観光名所であると同時に、デジタル・デトックスにも最適な場所。
南アフリカへお出かけの際にはぜひ足を伸ばしてみてください。
以上、南アフリカ観光局レポートでした。
記事協力:南アフリカ観光局