台北とは少し違う「台南」グルメを徹底解剖！

台南は、1885年に首都が台北になるまで、台湾の中心都市であったことから、日本でいえば京都のような歴史ある街です。
それだけに、台湾の人々にとって、とても懐かしい味の宝庫でもあります。
台湾の新幹線、高鐵を利用すれば、台北や高雄からのアクセスも難しくありません。

今回は、そんな台南を代表する料理、「小吃」の中から、一度はお試しいただきたい味をピックアップしてみました！
台南が産地として有名な牛肉やもち米、魚介類など、新鮮な食材を使っているものが多いので、滋養にあふれたお味が楽しめます。
色々なグルメを種類豊富に楽しみたいという日本人旅行者にぴったりです。

◆牛肉湯（ニョウロウタン）◆
台南を訪れたら、何よりもまず食べていただきたいのがこちら、牛肉のスープです。
台南の街では、あちこちで「牛肉湯」の看板を目にすることでしょう。
人気店になると、朝から長い行列ができることも。
また牛肉料理しかメニューにない店も多いです。
というのも実はここ台南、台湾屈指の牛肉の産地なのです。
新鮮な牛肉がいつでも手に入るため、美味しい材料で美味しいスープが作れる、という訳です。

この料理の最大の特徴は、なんと生の牛肉を使っていること。
薄切りにした生肉の上から、熱々のスープをかけているので、ロゼ色に火が通ったやわらかい牛肉が堪能できます。
新鮮であるがゆえ、臭みが無く、強烈なスパイスなどは一切不要。
「これ中華料理？」と意外に思うほど、さっぱりとして滋養にあふれたお味です。
千切りにした生姜や、テーブルに置いてあるタレを加えると、さらに美味しいです。

◆坦仔麺（タンツーメン）◆
台南の人々にとって、古き良き時代のなつかしい思い出がつまった麺料理がこちら。
うまみの濃い海老の頭で出汁をとった、あっさり系の醤油味スープと小麦麺の組み合わせです。
小ぶりサイズの小吃なら、お腹がいっぱいになり過ぎず、最後のスープ一滴まで美味しく楽しめるのもよいですね。
麺の上には、豚のそぼろ肉、海老、ニンニク、香菜などがトッピングされています。
これに加え、玉子を追加するのがおススメ！という声も。
その昔、「担子（天秤棒）」で麺を担いで売り歩いた料理なので、「坦仔麺」という名前がついたとか。
名前の由来は、四川料理「担担麺」と似ていますが、味付けはまったく異なります。
気候が温暖な台南名物の坦仔麺は、全く辛くありません。

◆虱目魚（サバヒー）◆
台湾ではおなじみの魚、サバヒーは、日本のニシンに似ており、焼いてよし、炒めてよし。
あるいは煮たり、揚げたりと、様々な調理方法で登場します。
特に台南は、このサバヒーの養殖がさかんなところなので、新鮮な素材を活かした料理をぜひ。
なかでもサバヒーを煮込んだスープのお粥は、台南の朝食で定番の人気メニューです。

◆タウナギ◆
ウナギと言っても、日本ではあまり馴染みのない種類。
小ぶりで臭みが少ないため、様々な料理によく合います。
このタウナギも台南名産の一つ。
麺料理に入れたり、野菜炒めに入れたり、様々なメニューが考案されています。

◆碗?（ワーグエイ）◆
台南の名物料理を語る上で、欠かせない食材が米です。
米粉やもち米を上手に使い、もっちりした美味しい料理に仕上げます。
その代表選手がこちら、碗?。
米をすりつぶして作る、グラタンのような、茶わん蒸しのような料理です。
オーブンではなく、蒸し料理になります。
小ぶりの容器に入って供されることが多く、台南の歴史のある小吃の一つとして知られています。

トロ～リとした食感が独特で、台湾の食の奥深さを実感することでしょう。
醤油ベースの甘辛いソースを使うのが一般的で、中に入っている具材は、ピーナツ、豚足、鶏肉、肉そぼろ、海老、しいたけなど、お店によって様々。
台湾では、「おばあちゃんの碗?はへこんでいる」と言いますが、これは蒸しあがったとき、真ん中がヘコんでいるものの方が、モチモチ感が絶妙で美味しいからだそうです。

同じく米を使った台南の伝統料理、米?（ミーガオ）もぜひお試しください。
もち米を使ったおこわで、自家製の肉そぼろ、魚のでんぶ、ネギ、ニンニクなどが入っています。
伝統的には、竹の筒に入れて調理した料理で、今でも小皿の上に、プリンのように盛り付けられて供されます。

台北の夜市は歩きつくしたという方、台湾リピーターの方、ぜひ次の訪問では、台南まで足を延ばして、地元ならではの名物料理を味わってみませんか？
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