ノスタルジックな街・十分(シーフェン)と天燈フェスティバル

JTB台湾
飯田尚美

「平溪天燈節」は、日が暮れてすっかり暗くなる頃、何十万ものランタンがいっせいに空へと昇っていく光景がとても幻想的で、新年の決意を込めるのにふさわしい、祝賀ムードにあふれています。台湾におけるこのお祭りの歴史は100年ほど。その起源をたどると、もともと中国の農村地帯で、天に召されたご先祖様に、新しい年の「五穀豊穣」を願い、天燈を上げる行事だったようです。時代と共に、願い事の内容は次第に広がり、子孫繁栄、さらに様々な個人的な願い事が込められるようになりました。一説によると、台湾の言葉で、「男子が増える」と「天燈」の発音が似ていることも、ランタン人気が高い理由と言われています。

願い事は、油をしみこませた紙でできたランタンに書きます。そのあと、熱気球と同じ原理を利用し、ランタンの内部に火をつけて、空へと飛ばします。天燈節の夜、メイン会場となる十分の広場には、大勢の人々が集まり、みんなで同時にランタンをあげます。何千、何万ものランタンが、輝きながら夜空へゆらゆらと舞い上がっていく様子は、まるで何か魂が宿っているようにも見えます。夜の暗闇のなかで、たくさんの願い事をのせたランタンの灯りが輝くマジカルな情景、ぜひ一度、体験してみてください。

大きなランタンに願い事を書いて、空高く舞い上がる光景をパチリ。思いが天まで届きますように。

世界中のメディアが注目する人気の町に

この平溪天燈節、ここ数年で急激に注目度が上昇しており、台湾のみならず、世界的に話題を集める大人気イベントになっています。訪れる人の数や混雑ぶりも増しており、2017年は10月初旬にもランタン・フェスティバルが開催される運びとなりました。また2016年、台湾政府当局が実施した調査で、平溪天燈節は「台湾の10大観光デスティネーション」に選出されました。
人気は台湾国内には限りません。同じく2016年には、なんとナショナル・ジオグラフィックから「冬におすすめの世界10大旅行先」の一つに、台湾の平溪天燈節が選ばれました。そのほか、これまでにCNN、ディスカバリーチャンネル、世界大手のガイドブック出版社Fodorなど、名だたるメディアが、平溪天燈節を「絶対行くべき」イベントとして紹介しています。中華文化圏の旧正月といえば世界各地で様々な行事がありますが、その中で今、最も注目されているお祭りなのです。

残念ながら、平溪天燈節の夜、会場でランタンを上げるためには、当日、配布される参加証が必要で、これをゲットするには、かなりの混雑を覚悟する必要があります。しかし、前後にも様々なイベントが開催されていますし、十分駅周辺では年間を通じて、雨さえ降らなければ、ランタンを点灯して、願い事を空へと飛ばすことができます。

 

台北市内から十分へのアクセス方法

台北市内から十分へのアクセス方法は、電車、車、バスなどがあります。台北に宿泊しながら、日帰りで十分まで往復し、夕食は台北に戻ってゆっくり楽しむことも可能です。車を利用する場合は、片道1時間ほどのドライブになりますが、特にイベント期間中は、道路規制などがありますので、おすすめの方法ではありません。
電車を利用する場合は、台北駅から台湾鉄道で瑞芳駅まで行きます。所要時間は、「自強号」(特急)などで45分ほど。瑞芳駅に着いたら、黄色いローカル電車、平渓線に乗りかえ、25分ほどで十分駅に到着します。また、台北からMRTとバスを利用する方法もあります。市内各地から、MRT文山線の木柵駅まで行き、ここから運行している十分(平渓)へのシャトルバスを利用します。

十分は、のんびりした山間の町ですので、せっかくならローカル電車に揺られて、緑豊かな景色や、旅情を楽しみたいものです。終点の菁桐駅まで全長13kmの平渓線は、かつては炭鉱の町を結ぶ路線としてにぎわったそうです。沿線には、こうした歴史を伝える博物館や、どこか懐かしい面影の残るノスタルジックな街並みが点在しています。
今、世界が注目するランタン・フェスティバルの町、十分へのおすすめツアーは以下へ。

目下、台湾で人気急上昇&大好評のツアーといえばここ!

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飯田尚美

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