故宮博物院の別館!台湾・嘉義の故宮南院の魅力と見どころ


JTB台湾マイバスチーム

2015年末にオープンした故宮博物院南院、通称「故宮南院」には、もう足を運ばれましたか?故宮博物院の別館として、また、台湾南部の発展を促すための目玉施設として、台湾中南部の嘉義に建てられました。故宮の展示品の中でもナンバーワンの人気者、「肉形石(にくがたいし)」も、2017年10月までは南院でゆっくり鑑賞できます。

世界四大博物館の新館へ!予約制だから混雑もなし

台北から故宮博物院南院へのアクセスは、‘台湾の新幹線'と呼ばれる高鐵(高速鉄道)の嘉義駅まで、約1時間半の鉄道の旅になります。同駅から南院までは、無料のシャトルバスが運行していて、所要時間は10分ほど。博物院の建物の周りには、広大な敷地が広がり、人口湖や庭園が配されています。

台北の故宮博物院といえば、世界的に知られる必見スポット。あまりにも有名で、とにかくいつも見物客で大混雑しています。長い行列にストレスを感じてしまうこともありますが、南院はなんと入場券の予約制を採用しているので、見物客があふれかえって、待ち時間ばかりなんてことがないのが嬉しいところ。平日であれば、当日、ウォークインで入館できる可能性もありますが、週末や台湾の祝祭日に当たる場合は、長い待ち時間が発生するのを避けるためにも、要予約です。

南院の予約は、日にちに加え、入場の時間帯も併せて申し込む方式。10人以上は団体、9人以下は個人扱いになります。南院の公式ウェブサイトからの予約も可能です。入場料は、個人は250元、団体は1人230元。国際学生証を提示すると、学生は150元の割引料金になります。

毎週月曜日は休館。開館時間は、博物院が午前9:00~午後5:00。公園が午前8:00~午後9:00。公園は入場無料となります。

嘉義といえば、台湾で大ヒットし、日本でも2015年に公開された映画『KANO~1931海の向こうの甲子園~』の舞台となった町でもあります。

2017年秋までは肉形石(東坡肉の石)も見られます!常設展と特別展をチェック


台北の故宮は、中国清王朝の財宝コレクションで有名ですが、南院は、中華圏のみならず、シルクロードから東南アジアまで、アジア全体の工芸品やアートのコレクションと研究を行う場、という位置付けになっています。こうしたコンセプトは、建物のデザインから展示内容に至るまで、随所で感じられます。

例えば南院の建築は、アジアの諸文明の源流といえる中華、インド、そしてペルシャの三大文明をイメージしたもの。流線形の不思議な形をしたメインの建物2つは、三大文明の象徴である動物、「龍」、「象」、「馬」の形を忍ばせたデザインになっているそうです。

南側エントランスから博物院に向かうと、まず目に入るのが、人口湖の上に架けられた全長130mの「景観橋」。この橋の構造デザインには、書法の草書の様式が採り入れられ、リズミカルで勢いある印象的な景観を作り出しています。この橋を渡りきると、博物院の2階ホールへ到着します。博物院およびエントランス・エリアの面積は約20ヘクタール、展示スペースは1~3階まであります。

現在、開催中の特別展では、2017年10月8日まで展示予定の「肉形石」をぜひお見逃しなく。故宮博物院で人気の展示品の1つですが、期間限定で南院で鑑賞できます。南院でなら、ゆっくりと楽しむことができて嬉しいです。肉形石とは、天然の縞模様がある玉髄(ぎょくずい)類の碧玉(へきぎょく)を、あの中華料理の美味な料理「東坡肉(トンポーロウ、豚の角煮)」に見立てて創られた工芸品。その遊び心、食文化の奥深さ、それを愛でた宮廷の雅な人々の暮らしぶり、など色々と想像してみてください。

また、2017年は日本に関連したテーマも多数あります。「KIMONO 18~20世紀日本服飾特展」は2017年7月23日まで、「出帆万里—日本伊万里磁器特別展」は2018年12月28日まで開催中です。ヨーロッパや中国の影響を受けながら洗練されていった古伊万里の美を、海外の人々の目を通して鑑賞するのも興味深い体験になること必至です。大阪市立東洋陶磁器美術館や、故宮博物院が所蔵する伊万里焼が展示されています。紫禁城への貢物となった最高傑作の数々を、ゆっくり南院でご鑑賞ください。

常設展では、南院の舞台に選ばれた台湾中南部の町、嘉義の歴史を紹介しているほか、同院が収蔵するアジアの織物コレクション、仏教芸術の作品、アジアの茶文化などが紹介されています。シルク産業の歴史に加え、東南アジア、南アジア、中央アジア、西アジアそれぞれの地域ごとの見事な織物文化を堪能することができます。

世の東西を問わず、美しいものが好きな方、アジア各地から集められた至高の芸術作品を、自分の好きなペースで、ゆっくり眺めることができる南院はおすすめです。

國立故宮博物院南部院區 - 亞洲藝術文化博物館
住所:61248 嘉義縣太保市故宮大道888號

JTBでは、現地発着の故宮南院へのツアーを企画しています。自分で入場予約をするのはちょっと心配という方、せっかく台南へ行くなら、他にもいろいろな観光スポットを回りたいという方、ぜひチェックしてみてください。ツアーの詳細は以下へ。

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