シンガポールから国境を超えて異文化体験!
マレーシアでマレー文化に触れる


ケンケン

小さな島シンガポールから、ジョホール水道を渡れば、そこはマレーシア。レゴランド・マレーシアリゾートや食事に行くなど、気軽にジョホールバルへ出かけるシンガポール人も少なくありません。シンガポール滞在中に、国境を越えて日帰りで文化や言語の異なる異国マレーシアへ出かけるのもおすすめです。世界遺産に登録されている古都マラッカや、すぐお隣のジョホールバルなどいかがでしょう。

両国の歴史を紐解くと…

シンガポールの歴史を振り返ると、地理的に見ても、マレーシアとの関りの深さ、結び付きの強さが分かります。簡単にご紹介しましょう。
伝説によると、シンガポール島は14世紀頃、シンガプーラ(ライオンの町)と呼ばれていたといいます。15世紀初め、マラッカ王国が建国されます。シンガポール島もこのマラッカ王国の領域にありました。その後、ポルトガルに占領されたマラッカ王国は滅亡し、王はマレー半島最南部のジョホールに移り、ジョホール王国を建国しました。
近代シンガポールの建国は19世紀。イギリスのトーマス・スタンフォード・ラッフルズ卿が、ジョホール首長から小さな漁村があるだけのシンガポール島を買い取り、イギリスの商船を迎える貿易拠点としての素地を作りました。シンガポールもマレーシアも1824年にはイギリスの植民地となり、戦時中、日本軍による占領を経て、シンガポールは1959年、イギリスから自治権を得てシンガポール自治州となりました。63年にはマレーシア連邦が成立し、シンガポールはその一州となったものの、65年にはマレーシア連邦から脱退して独立を果たします。シンガポールを率いた初代首相で、建国の父リー・クアン・ユーは、多民族、多言語、多宗教主義を掲げてシンガポールの国づくりを進めました。

1km先の異国、町の雰囲気や文化の異なる隣国マレーシア

かつてイギリスの植民地であり、1つの国であったシンガポールとマレーシアですが、現在の両国を見ると、異なる特徴があります。どちらも、仏教、イスラム教、ヒンズー教といった多民族、多宗教の国ではありますが、人口に占める民族構成の割合が異なります。
シンガポールは、中華系が人口の約74%を占め、仏教徒が約33%と多数を占めているのに対し、マレーシアではマレー系が人口の約69%が占め、イスラム教徒が約61%と多数を占めています。言語を見ると、両国ともに国語と公用語としてマレー語が定められていますが、シンガポールの公用語は、マレー語だけでなく、英語、中国語、タミール語の4言語が認められています。

最狭部の幅わずか約1kmのジョホール水道に隔てられたシンガポールとマレーシアですが、こうした民族構成の違いは、町の雰囲気はもちろん、食文化などにも表れていて、両国ではその印象が異なります。全体的に見て、シンガポールは中華系文化のイメージが強く、食についても中華系料理が主流という印象。一方で、マレーシアはイスラムの雰囲気が強く、マレー料理が多いと感じるはず。

ジョホール水道に架けられたコーズウェイ(橋)

世界遺産の古都マラッカ、ジョホールバルでマレー文化を感じる

◆シンガポールと国境を接するジョホールバル
ジョホール水道に架けられたコーズウェイ(橋)を渡れば、そこは異国の地。直通バスや鉄道でアクセスでき、出入国管理(イミグレーション)を経てマレーシアに入国すれば、イスラムの世界が広がるジョホールバルに到着です。
市内には、印象的な建物が点在しています。中でも、白壁と青い屋根が美しい「アブバカールモスク」はこの町の大きな見どころ。ヒンズー教の寺院で別名ガラスの寺と呼ばれる「アルルミグ・スリ・ラジャカリアマン・グラス・テンプル」、コロニアル調の「ジョホール州庁舎」や合同庁舎や州議事堂など州政府機関が集まる「コタ・イスカンダル」などがあります。

マレーシアでもっとも美しいとされるアブバカールモスク

市街地から外に出ると、スルタンの新王宮で王冠を戴くゲートが目を引く「ブキット・セレネ宮殿」、そして、マレーシア文化を知り体験できる「マレー文化村」がおすすめ。文化村には、田舎の風景を模して家屋が建てられ、ゴムの木や果物やスパイスの木々を受けた庭が広がっています。バティック染体験や民族舞踊などを鑑賞することも。マレーシアの国民食ともいえる朝食のひとつ、ロティチャナイ(サクサクとした薄いパイのようなもの)とテタレ(甘いミルクティ)の試食も楽しめます。
シンガポールからジョホールバルへは、入国審査の時間をいれて、1時間超でアクセスできます。

マレー文化村では、バティック染の体験もできます!

◆世界遺産の古都マラッカ
世界遺産にも登録されるマレーシアの古都マラッカも日帰りで楽しめる観光地です。シンガポールからは、コーズウェイを通って、バスに乗り約3時間30分でマラッカに到着です。
古都マラッカは、16世紀以降、ポルトガル、オランダ、イギリスといった列強の支配を受けた歴史を今に伝える建造物が点在しています。見どころは、オランダ広場とその周辺に集中。ビクトリア噴水を取り囲むようにマラッカレッドなどとも呼ばれている赤茶色のキリスト教会、スタダイス(旧総督府)、タン・ベン・スウェー時計台などの特徴的な建物が並びます。

マラッカを象徴するオランダ広場

近くの小高い丘には、16世紀に建造されたセントポール教会跡が残されているほか、マラッカ王国の宮殿(15世紀頃)を復元した「スルタン・パレス」、「サンチャゴ砦」やゴシック様式の「セント・フランシス・ザビエル教会」。さらに、17世紀創建のマレーシア最古の仏教寺院で、極彩色の装飾、彫刻などが見事な「青雲亭」などを含め、歩くにはちょっと距離があるところもありますが、おおよそ徒歩圏内に多くの見所が集約されています。

見事な装飾や彫刻が施されたマレーシア最古の中国寺院「青雲亭」

かつて東洋一の強固さを誇った「サンチャゴ砦」

シンガポールからマレーシア最南端のジョホールバル、あるいはマラッカへは、いずれも日帰りできる距離にあります。公共交通機関でアクセスできるほか、JTBでは現地発着のツアーもご用意しています。こうしたツアーに参加すると、現地での市内観光や移動、イミグレーション(入国審査)での手続きなどもスムーズです。
※現在JTBでは「マラッカ日帰りツアー」は取り扱っておりません。

  • オプショナルツアー(現地発着)
    JPY27,704〜
    ※価格は予告なく変更になることがございます。
    国境を越えて、マレーシア・ジョホールバルへ!!青と白とのコントラストが美しいアブバカールモスク。マレー村では、バティック染め体験、ロティチャナイ・テータレの試飲と試食、マレーダンス鑑賞をご案内。国境を超えて異文化体験が楽しめる昼食付の日帰りツアーです。

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