ヤンゴンで「ビルマ建国の父」アウンサン将軍の軌跡を辿る

JTBミャンマー支店
野島 啓介

アウンサン・スー・チーさんのお父さん「アウンサン将軍」は、ミャンマーでは知らない人はいない歴史的人物。「ビルマ(ミャンマーのかつての呼び方)建国の父」として、人々に深く尊敬されています。この国で長く続いた軍事政権の下では、アウンサン将軍のゆかりの地はほとんど立ち入ることができませんでしたが、近年いくつかが公開されるようになりました。ミャンマーの歴史に欠かせないアウンサン将軍の足跡を辿ってみませんか。

ビルマを独立へ導いた英雄

アウンサン・スー・チーさんの父であるアウンサン将軍は、1915年、イギリスの植民地となっていたビルマに生まれ、第2次世界大戦下で反英の活動家として、ビルマに侵攻してきた日本軍とともにイギリスと戦いました。
その後日本軍の戦況が悪化するにつれ抗日武装闘争を展開し、1945年の日本軍の撤退後には、再び占領国となったイギリスに対して独立交渉を開始。そして1947年にイギリスと協定を結び、翌年の独立の確約に至ります。
第2次世界大戦末期、独立への戦いを本格化させた頃から、ビルマの人々は彼のことを、尊敬を込めて「将軍」と呼ようになりました。
しかしアウンサン将軍は、独立をその目で見ることはできませんでした。独立まであと半年という1947年7月に政敵の銃弾に倒れ、非業の死を遂げたのでした。
独立後のビルマはさまざまな苦難と直面し、1962年には軍のクーデターによって当時の政府は倒され、軍が政治を支配する時代が約50年続きます。アウンサン将軍が目指した自由な祖国とは大きくその姿を変えることになりました。

ヤンゴンに将軍ゆかりの地

アウンサン将軍ゆかりの地は、ヤンゴンにいくつもあります。
第2次世界大戦後に将軍が家族とともに住んだ邸宅が、現在「ボジョーアウンサン博物館」として公開されています。

<ボジョーアウンサン博物館>




  • 所在地
    15, Bogyoke Museum St, Near Bogyoke Aung San Park, Bahan Tsp

  • 開館時間 9:30~16:00

  • 休館日 月・火

  • 入場料 5000チャット


将軍が暗殺されるまで住んでいた邸宅を改築したボジョー アウンサン博物館

将軍が暗殺された部屋もある「旧大臣事務所」の建物が公開されるようになりました。イギリス統治時代の建物で、レンガ造りが美しいビクトリア様式です。現在はリノベーションのため、敷地内に入ることはできませんが、その壮麗な姿を望むことができます。

<旧大臣事務所>




  • 住所 300, Theinbyu Rd, between Anawratha Rd and Mahabandoola Rd, Botahtaung Tsp

  • 入場不可



一方、ミャンマー料理を楽しめるレストラン「ハウスオブメモリーズ」は、アウンサン将軍率いる独立軍の本部に使われていた邸宅をリノベーションしたものです。築150年以上というチーク材造りの建物には、ダイニング・ルーム、バーや個室も。当時のインテリアや家具も残され、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。ミャンマーとタイを中心にインド料理や西洋料理なども用意されています。2階には将軍の執務室があります。



ミャンマーの近代史をぎゅっと凝縮したような、アウンサン将軍の足跡をたどって、ヤンゴンの奥深い魅力に触れてみては。
JTBではアウンサン将軍ゆかりの地を訪ねるオプショナルツアーをご用意しています。そちらもご参考までにどうぞ!

6名の官僚とともに将軍が暗殺された旧大臣事務所。現在はリノベーション中ですが見学は可能です。

築150年の住居を利用したレストラン「ハウスオブメモリーズ」。2階には将軍の執務室があり公開されています。

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野島 啓介

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