自転車競技 順調に強化中です!!
皆様、連日の猛暑の厳しい中ですが、いかがお過ごしでしょうか。 私は、アルペンスキーで出場した平昌パラリンピック以降、競技転向し、取り組む自転車競技(パラサイクリング)で、苦しみつつも順調に強化を進めています。 今回はこの夏にかけての近況レポートをいたします。
ロードレース、オランダ・EMMEN戦の様子
JPCF(ayako koitabashi)提供
自転車競技活動レポート
現在、伊豆サイクルスポーツセンターでの練習を拠点としながら、山口県、岐阜県、長野県といった各地での合宿も経て、ここ3か月で走行距離3500kmを超え、順調に強化が進んでいます。
4月以降の強化合宿、大会出場結果は以下の通りです。
<強化合宿>
1.4月17日~23日
山口県山陽オートレース場にてロード乗り込み合宿
2.5月下旬の2週間、7月16日~22日
岐阜県御岳山高地トレーニングセンター合宿
(尿検査・血液検査による疲労度や脱水チェック、栄養含めたコンディショニングを測定しながらのロード合宿)
3.6月20日~30日
伊豆ベロドロームに東南アジア各国からの若手代表候補選手が集い、日本の競輪ノウハウを啓蒙するトラック種目合宿に参加
<大会成績>
1.長野県チャレンジトラック大会(松本市美須々湖競輪場・4月30日)
1kmタイムトラアル54位、200mタイムトライアル47位
2.全日本ロード選手権兼パラサイクリング大会(石川県志賀町・6月14日~16日)
16km個人タイムトライアル:5位
3.ワールドカップ・EMMEN(オランダ)戦(7月6日~8日)
24㎞個人タイムトライアル:15位
88㎞ロードレース:21位
オランダ遠征参加選手、スタッフと
(JPCF(ayako koitabashi)提供)
パラリンピックにおいての自転車競技は、ツールドフランスのようなロードレースと、日本発祥の競輪のようなバンクを走るトラック競技、双方とも毎年、世界戦・ワールドカップ・各大陸別大会(アジア大会等)・国内大会と開催されていますが、これらの国際大会入賞(8位以内)以上で獲得できるポイントを積み重ねていくことで上位大会に出場する権利を得ていきます。
なお、パラサイクリングは自転車競技の国際機関であるUCI(国際自転車競技連盟)の全てのルールに基づき、国内ではJCF(日本自転車競技連盟)の主催のもと、大会も健常者大会の一部として行われることが多いです。そのため、全日本大会は競輪選手も多数参加していることで、非常にピリピリした神聖な雰囲気があります。
オランダ・ワールドカップ遠征 初参加
7月2日からの10日間は、オランダ・ワールドカップ遠征に初参加してきました。
遠征中、オランダ・アムステルダムから約200kmの地、EMMENで行われたワールドカップに出場しました。
コースはさすがオランダというだけあって、ほとんど平坦であり、特に高速道路をコースの一部として使用したことは印象深かったです。
この大会では、ロードレースに初出場するとともに、今後の国際大会出場の権利を得るための障害別の「クラス分け」を受けることも大きな目的でした。
「クラス分け」の結果、私の障害別のクラスは、アルペンスキー同様に、もっとも軽い障害のクラス(C5)に確定しました。
※通常の二輪自転車はC1~C5に分かれ、数字が大きいほど軽い障害となります。
メダルはC1~5それぞれのクラスに与えられます。その他、3輪自転車クラス、車いすクラス、視覚障害の選手が後ろ、健常者がパイロット役で前に乗るタンデムクラスがあります。
私は障害が軽いクラスなので、健常者のトップクラスと同等のレベルでないとパラリンピックで勝てないのが私の運命ですが、自転車競技はアルペンスキー以上にその傾向が強く、非常に競技レベルが高いです。
(参考:24㎞個人タイムトライアル 優勝のイタリア選手の平均時速47km。これは日本で例えますと、Jプロツアーのトップ選手並みとのことです。プロ中のプロレベルです!)
ロードレース、オランダ・EMMEN戦の様子
JPCF(ayako koitabashi)提供
今回、私の出場したC5 クラスは40名ほどの出場でしたが、完走した中でほぼ最下位と、全く相手にならないほど非常に厳しいレース結果でした。
特に、88kmのロードレースでは6kmコースの周回でしたが、序盤以降、集団についていけずほとんど独走を強いられました。
離されてしまった無念さや、悔しさを相当感じましたが、今後のモチベーションになるよう、周回遅れながらも諦めずに走っていたところ、審判団に最後まで下ろされず21位という結果が残ったこと、これは小さくとも自信に繋がりました。
(通常、周回遅れは降ろされ、失格扱いとなります)
アフリカ勢、ヨーロッパ勢の猛者、そして今大会は出場していませんでしたが、中国チームを筆頭にアジア勢も相当の実力とのことです。
ただ、現状の立ち位置を理解できたことで、より練習内容を明確にしつつ取り組んでいける良い経験を積ませていただきました。
今後はまず、9月の全日本トラック選手権大会での大幅な自己ベスト更新に向けて、じっくりと練習を積んでいきます。
昼食の様子。試合前数日は炭水化物を多めに食べるカーボローディングを実施していました
<直近の予定>
・8月:伊豆サイクルスポーツセンターにて早朝・午前はトラック練習、午後はロード練習にて基礎強化月間
・9月1日~7日:パラサイクリングチーム伊豆合宿
・9月8日~9日:全日本トラック選手権 兼パラサイクリング大会(伊豆ベロドローム)
・10月2日~15日:アジアパラリンピック(インドネシア)
→私の出場はまだ厳しそうですが、ぎりぎりまで挑戦です!
講演活動レポート
「夢」、「チャレンジ精神」等をテーマに、過去4度のパラリンピック出場の競技経験や、パラリンピックのタフな選手たちの紹介、片腕麻痺の障がい体験などを通じて講演をさせていただいております。
4月25日:文京区立汐見小学校にて、サッカー協会主催の心のプロジェクト夢先生役で登壇し、6月末には子供達から届いた手紙約80通への返送も終了しました。
現在、パラサポ―トセンター(日本財団ビル4階)の選手向けサポートの一環であるスピーチトレーニングを、全8回の予定で受講中です。
これまでの講演スタイルのさらなる改良をはかり、一人でも多くの子供達や地域の皆様により良い発信ができるようにしたいと思います。
サッカー協会夢先生 夢シート(手紙)返却時の様子
それでは以上、引き続き応援のほど、よろしく御願いいたします!!
JTBコミュニケーションデザイン所属
パラサイクリング競技 小池岳太