ラグビーワールドカップはオリンピック、FIFAワールドカップに次ぐ世界3大スポーツ大会のひとつと言われています。
しかし、その歴史はまだ浅く、南半球のニュージーランドとオーストラリアがホスト国となって1987年にスタートしました。そのラグビーワールドカップが2年後の2019年、ついに日本にやってきます。アジアにおいては初となる記念すべき大会です。
日本代表チームのことをラグビー関係者は「ジャパン」と呼びます。これは他の競技にはない独特の呼称です。第1回大会から8大会連続でワールドカップに出場しているジャパンですが、15年のイングランド大会を迎えるまで、その戦績は芳しくありませんでした。1勝21敗2分け。95年の南アフリカ大会ではニュージーランドに17対145と歴史的敗北を喫してしまいました。「ブルームフォンテーンの悪夢」と呼ばれる大敗はラグビー人気の向上に水を差すものでした。
それから20年、長い雌伏の時期を経てイングランドのブライトンにたくましく成長したジャパンの姿がありました。エディ・ジョーンズヘッドコーチに率いられたジャパンは、2度のワールドカップ優勝を誇る南アフリカを34対32で撃破したのです。エディが唱えた「ジャパンウェー」が世界を驚かせた瞬間でした。決勝トーナメントにこそ進めませんでしたが、この大会での3勝は間違いなく4年後の本国開催に弾みを付けるものでした。
では、「ジャパンウェー」とは、どういうものでしょう。代表のヘッドコーチに就任して間もなくのインタビューで、エディはこう語りました。
「日本人選手は諸外国の選手と比べると相対的に小さい。これをハンディキャップと見る向きもありますが、逆に言うと他のチームは日本のラグビーを真似できない。つまり、体が小さいことは、むしろ強みなんです。
問題は体の小ささをどういかすかということです。スピードと頭脳、スキル。ここを伸ばさなければ世界に伍して戦うことはできません。
たとえばサッカーを見てみましょう。この前、日本とシリアのロンドン五輪予選を見ました。日本人選手のスキルレベルは素晴らしく、相手を圧倒していました。
そう言うと“コンタクトスポーツのラグビーとサッカーは違う”と反論する向きもあるでしょうが、フィットネスを高め、正しいテクニックを身につけることで、そうした問題は解決していきます。サッカーにできてラグビーにできないことはないでしょう」
有言実行とは、このことです。私たち日本人はオーストラリア人指揮官から、多くのことを学びました。
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