2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を約3年後に控え、10月の祝日「体育の日」を「スポーツの日」に改めようという動きが広がっています。
基本的に私は、この動きに賛成です。
2011年にはスポーツ基本法が制定され、それを受け15年にはスポーツ庁が創設されました。
基本法は<スポーツは、世界共通の人類の文化である>との書き出しで始まり、<スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利>と明記されています。
では、<幸福で豊かな生活>とは何でしょう。
もちろん、その概念は人によって異なります。<スポーツを通じて>そんなことが実現できるのか、といぶかる人もいるでしょう。
しかし、考えてみてください。
スポーツはヨーロッパのサッカーやアメリカのメジャーリーグ・ベースボールを持ち出すまでもなくホーム&アウェーによって成り立っています。
主役は地域と住民です。基本的にクラブは都市名を名乗ります。まさに地元のクラブこそは、そのまちに暮らす人々にとって、掛けがえのない「心の財産」なのです。
日本初のプロサッカーリーグ・Jリーグの公式戦がスタートしたのは1992年の秋です。
「スポーツでもっと幸せな国へ!」。
近年、このキャッチフレーズほど人々の心をとらえたものはありません。
Jリーグ発足前夜、あるサッカー協会幹部が口にした言葉を、私は今も忘れることができません。
「ヨーロッパでは、どんな小さなまちでもオーケストラと教会とスポーツクラブがある。
これが“心のインフラ”なんだ。翻って日本は高度経済成長期に心のインフラづくりを怠った。
それをJリーグは構築したいと思っているんだ。」
スポーツツーリズムという用語がこの国で市民権を得たのも、Jリーグが誕生してからです。
スポーツにはひとつとして同じゲームはありません。観戦したゲームの分だけ感動があります。予期せぬ雨も、苦いビールも、時間がたてば良き思い出のひとつです。
豊かな人生とは何か、幸せな国とは何か。スポーツを抜きにして、それを語ることはできません。東京オリンピック・パラリンピックを約3年後に控える今は、国民あげてそのことについて建設的な議論を深める絶好の機会と言えるでしょう。
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