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  • 環境と景観を守り続けてきた上高地とともに 〜自然と共生するサステナブルなリゾートホテル「上高地帝国ホテル」〜
日本初の本格的山岳リゾートホテルとして1933(昭和8)年に開業した上高地帝国ホテル。日本初の本格的山岳リゾートホテルとして1933(昭和8)年に開業した上高地帝国ホテル。

環境と景観を守り続けてきた上高地とともに
〜自然と共生するサステナブルなリゾートホテル「上高地帝国ホテル」〜

地球環境の保全やサステナブルツーリズムが叫ばれる今。心を豊かにする旅の形も、旅行者を受け入れる場所も、変化を求められる時代になりました。自然への配慮や持続可能な観光など、人や地球に寄り添うトピックをご紹介するシリーズ。その第16回目は、山岳景勝地・上高地の環境保全と、日本初の山岳リゾート施設である「上高地帝国ホテル」のサステナブルな取り組みをご紹介します。

長年に渡る環境保全活動によりゴミ問題を解決

長野県松本市、標高1500m地点にある上高地。年間で25℃を超える日が少ない冷涼な高原で、平坦な盆地の中央を清流・梓川が流れます。

湿地帯を含む古池や巨木、苔むした岩のある風景、そして周囲の焼岳、奥穂高岳、槍ヶ岳などの稜線に囲まれた広大な範囲が、特別名勝および特別天然記念物「上高地」として国の文化財に指定されています。

上高地のシンボルともいえる河童橋と雄大な穂高連峰。上高地のシンボルともいえる河童橋と雄大な穂高連峰。

昔は神聖な場所とされ「神河内」「神降地」などと表記される秘境中の秘境でした。明治時代になり、英国人宣教師・登山家のWウェストンらが北アルプス登山の基地として上高地を日本内外に紹介したことをきっかけに、多くの人々が登山目的で訪れるようになります。彼は、著書『日本アルプス登山と探検』の中で、「すべてのものは私たちの眼の下にあった」と、山頂に広がるパノラマを望むその高揚感を表しています。

1963(昭和38)年には自然環境を守るため有志や地元企業などによる「上高地を美しくする会」が結成され。一斉清掃は61年が経った現在も変わらず月2回実施されています。そして、上高地にはゴミ箱が設置されていないので、各自ゴミは持ち帰りが基本です。

シーズン中に約120万人もの人々が訪れるにもかかわらず、美しい自然環境が守られている。シーズン中に約120万人もの人々が訪れるにもかかわらず、美しい自然環境が守られている。

マイカー規制も行われ、年間を通して自家用車で上高地に行くことはできません。1970年代にオーバーツーリズムによる渋滞問題が起き、1996(平成8)年に植生や環境保全のためマイカー規制が始まりました。

4〜11月の開山期間、県道上高地公園線の全区間、釜トンネルより先は自動車が通行止めとなります。上高地へは、沢渡(さわんど)または平湯から路線バス(沢渡のみ)、シャトルバス(低公害車)かタクシーを利用します。

長年にわたる自然保護の取り組みのおかげで、今でも美しい自然が残る高原リゾート「上高地」のブランドは保たれているのです。

周囲の美しい自然と調和する丸太小屋風のホテル

宿泊施設もまた、自然との調和が意識されています。その象徴ともいえるのが1933(昭和8)年、日本初の本格的山岳リゾートホテルとして誕生した「上高地ホテル」。そのころ、日本各地に政府融資による外国人向けホテルが相次いで建てられていました。

当時の石垣倉治長野県知事からの協力要請を受けた、帝国ホテルの大倉喜八郎会長の尽力により、東京に次ぐ2番目の帝国ホテルとしてスタートしたのです。開業から3年後、名称は近隣ホテルとの混同を避けるため「上高地帝国ホテル」へと改名されました。

「上高地ホテル」の開業が、上高地を憧れの避暑地へと押し上げた。「上高地ホテル」の開業が、上高地を憧れの避暑地へと押し上げた。

ひっそりとした木立の中に佇む「上高地帝国ホテル」は、赤い三角屋根がシンボル。スイスのコテージ風建物です。世界に誇るホスピタリティと持続可能な取り組みで知られる「帝国ホテル」は、上高地で自然と共存するサステナブルなホテル運営を行っています。

ホテルの外観は開業以来、周囲の自然と調和する丸太小屋風を守り続けてきました。1977(昭和52)年に木造建築から鉄筋コンクリート造りに全面改築した際も、雰囲気はそのままに、仕上げ材として内外装の木造イメージを継承。

残した自然素材の部分は、人の手で大切にメンテナンスを行います。ロビーの床材に使われている栗の木への乾燥防止の水やりのほか、夏季オープン前には丸太を一つずつ叩いて音をチェック。老朽化した木は部分交換できるように工夫しています。

帝国ホテルのホスピタリティと徹底したSDGs対応

良質な雪解け水に恵まれた場所ならではの、恩恵もあります。ホテルで使う水は、約1.6q離れた六百山(ろっぴゃくざん)の湧き水を100%使用。散策時にはロビー1階の水汲み場で冷たい名水を自由に持って出かけられます。

8℃前後の冷たい名水が飲めるロビー1階の水汲み場。8℃前後の冷たい名水が飲めるロビー1階の水汲み場。

水の引き入れは電力を一切使わず、水源の始点から地中パイプを引くサイフォン式という方法をとっています。湧き水の水温は5〜8℃で、冷却せずそのまま施設内を循環させ冷房にも使われています。

エネルギーは地元産、環境に配慮したCO2フリー電気「信州Greenでんき」を導入。2022(令和4)年には東京・大阪帝国ホテルよりも早くCO2排出量実質ゼロ、カーボンニュートラルを達成しているほか、脱プラスチックも進めました。アメニティなどのプラスチック製品を自然素材に見直し、従来品より約9割削減を達成しています。

歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリなど多品目を竹や木製などに切り替えた。歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリなど多品目を竹や木製などに切り替えた。

ホテルから排出される生ゴミ対策も万全です。すべての生ゴミは環境保全工場にて堆肥化。その堆肥で生産された野菜をホテルのレストランで提供することで循環させる「生ごみリサイクルでつなぐ3R」を実現。また従業員食堂を自営化し、その食材の利活用も行っています。

レストランメニューには多くの地元食材を使っていることはもちろん、従業員が前述の「上高地を美しくする会」の美化活動へ参加するほか、上高地自然公園財団講師による特別レクチャーを毎年実施。サルとクマの生態を学び宿泊客に伝えていくなど数々の取り組みが、昨年、SDGsを実践する宿泊施設を認定する「サクラクオリティー5グリーン2023年認定」という形で評価されました。

穂高連峰側に面した専用ベランダ付きツイン。内装もスイスの山小屋風だ。穂高連峰側に面した専用ベランダ付きツイン。内装もスイスの山小屋風だ。

この素晴らしい自然環境を次世代へ守りつなげていく精神を地元と共有しながら、最上級のおもてなしと徹底したSDGs対応で宿泊客を受け入れている「上高地帝国ホテル」。エコでラグジュアリーなホテルに滞在しながら、高原リゾート「上高地」の魅力を満喫してみませんか。

※掲載の情報は変更になる可能性がありますので、ご自身でご確認の上、おでかけください。

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