水上人形劇、ベトナムの伝統芸能を楽しむ


ホーチミン支店

ベトナムの伝統芸能、水上人形劇をご存じですか?水上人形劇は、ベトナム語では「ロイ・ヌオック」と呼ばれ1000年以上の歴史があります。1121年建立の石碑にも、宮廷で水上人形劇が催された様子が描かれているそうで、王の前でも披露された格式ある芸能です。

水上人形劇はその名の通り、水上を舞台に、カラフルに色を塗られた人形たちが、物語や音楽に沿って縦横無尽に動き回る劇です。格式ある劇団では伝統楽器の楽団による生演奏とともに物語が展開し、その音楽も舞台の魅力の一つになっています。

水上人形劇の舞台。水が張られたところで人形が動きます。

水上人形劇の始まり

水上人形劇のそもそもの始まりは、ベトナム北部の、暑く湿気の多い地域の農民たちが、収穫の祀りの時などに池や湖を舞台に上演していたと考えられていて、当時は村の寺院やパゴダの池などで上演されていたそうです。

やがてそれが宮廷でも上演されるほど発展していくのですが、水上でどうやって人形を操っているのか、それは劇団の「門外秘出」とされていて、長い間、その秘密を守るために劇団に入団するには厳しい制限があったそうです。

どうやって操作しているの?

「水中」と聞くと、ひょっとして操る人たちは水にブクブクと潜って、忍者さながら水中で操作?と想像する方も少なくないのでは?実は人形を操るパフォーマーは水を張った舞台の、三方を囲んでいる薄い幕の奥に隠れて人形を操っています。人形の仕掛け部分は水の中に沈んでいるので、観客から見るとまるで水の上を自由自在に人形が動きまわるように見えるのです。パフォーマーは腰まで水に浸かっての操作となりますが、全身びっしょり、というわけではないのですね!

ただし、幕で覆われた部分から舞台中央の人形までは、2~3mはあります。その距離をどういう仕掛けで人形を動かしているのか、そういう操作のキモとなる部分は今でもヒミツ。観客にはわからないナゾの一つです。

こんな大勢の人形も舞台の幕の向こうでの「遠隔操作」。技術がいります!

コミカルで分かりやすいストーリー

そんなヒミツがいっぱい(?)の水上人形劇ですが、ステージはコミカルでユーモラス、分かりやすいストーリーですので、言葉がわからなくても大いに楽しめます。1話数分の短編十数話で構成されていて、伝統楽器の生演奏と歌やセリフに合わせ、妖精が舞い牛が飛びはね龍が現れ・・・と、どんどん場面が変わっていきます。

内容は伝説をモチーフにしたものや、人々の生活を描いたもの、田植えの様子を見せたものなどバラエティ豊か、途中には花火が使われ、もちろん水しぶきも盛大に上がります!前でご覧の方は、どうぞ濡れるのを覚悟してください♪

展開の早いストーリーとコミカルで時にはダイナミックな動き、そして人形のなんともユーモラスな表情に見ているうちに、あっという間にクライマックスを迎えてしまいます。子どもはもちろん大人も楽しめるパフォーマンスです。

なかなか分かりやすいストーリです。

人形の表情もなんともユーモラス!

最後にはパフォーマーが腰まで水に浸かって挨拶してくれ、ちょっと感動します♪

ステージが終わると、水の中からパフォーマーが現れ挨拶してくれます。みなさん腰まで浸かった状態でのご挨拶に、ちょっと感動してしまうかも。年配の方も若い人もいて、この伝統が次の世代へ受け継がれていることが垣間見えます。

この水上人形劇はとても人気で、週末などはチケットがとれないこともあるとか。確実に見たい方は、劇場のチケット売り場で早めに買っておくか、可能な劇場であれば、電話やインターネットでの予約(英語)した方がいいでしょう。もし言葉などに不安を感じる方は、現地旅行会社のパッケージなどを利用すると手軽で安心かもしれませんね。

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