台南のレトロな街並み「老街」を楽しむ!
台湾南部の街・台南をご存じですか?台北から新幹線で2時間弱、高雄に近い南部にある第4の都市で、台湾の歴史とともに歩んできた古都です。とは言っても難しく考えないで大丈夫。台南の魅力は、「老街(ラオチェ)」と呼ばれる、古くともどこか懐かしい街並みと、ゆったりとした時の流れにあるのです。JTB現地スタッフがご案内します!
ノスタルジックな街並みが魅力の「老街」
台南は、17世紀にオランダが首府を置いて以来、台湾の行政の中心として発展してきた街。今もあちこちに、当時の面影を感じることができます。
特に最近、台湾ローカルにも海外の観光客にも注目されているのが、「老街」と呼ばれる、古い家並みと町並みが残るエリア。細い路地に軒を連ねる、ちょっと古いけどかわいらしい家々が、カフェやショップ、レストランとしてリノベーションされ次々とオープン、今注目のエリアとなっているのです。
古都台南は、侵攻したオランダが安平にゼーランディア城(安平古堡)を築いてから、街のあちこちに住民や移民の居住区が造られました。統治者がオランダから清朝、日本、そして台湾へと変わってもその居住区には多くの人々が住み続け、少しずつ形を変えながら現在もなお生活の場となっています。
そこにすむ、ごくごく普通の人々の生活の温もりがどの老街にも漂い、訪れる多くの人の心を包んでくれるのかもしれません。
台南の代表的な老街を、ご案内しましょう。
レンガ造りの街並みがステキ~安平老街
台南駅から車で30分ほど南にある安平地区は、17世紀前半のゼーランディア城(安平古堡)築城に始まる歴史地区。安平古堡は一時は荒れるにまかせ、日本統治時代には城壁の多くも撤去されましたが、現在は再建され博物館や展望台、そして保存されたオランダ時代の城壁を見ることができます。
安平古堡と同じく、安平老街もレンガ造りの家や壁が続きました。安平古堡の東側にある小さなエリアですが、何と言ってもここの魅力は、このレンガや漆喰の古びた風合いが続く街並み、でしょう。レンガ造りではありますが、台北の老街とはちょっと違って、どこか中国っぽさを感じさせる軒の低い家が続きます。
てくてくと歩いていると、このレトロな雰囲気を活かしたショップやカフェ、茶藝館にふいに出合えるかもしれません。
安平老街のすぐ近くには、まるで巨木が家を呑みこもうとしているような「安平樹屋(Anping Tree House)」が。元貿易商の倉庫だったそうですが、ガジュマルの木の枝や根が建物を覆うように大きくなり、まるでおばけ屋敷のような...。でも今ではその威容が必見の観光ポイントとなっていますので、安平老街を訪れたらぜひこちらも見てくださいね。
200年分の温もりが刻まれた路地~神農街
台鉄台南駅から車で10分ほど西にある小路「神農街(シェンノンチエ)」は、安平老街とはまったく違う雰囲気の老街です。
清の時代にはこの一帯は商業地区で、多くの貿易商が軒を連ね、1階を店舗、2階を倉庫として利用していたそうです。現在は道路となっているところは、かつては運河で、船で荷が運ばれては、2階の倉庫に吊り上げていたため、2階にも入口がありました。その建物を、手を加えつつも原型を残しているので、独特の街並みとなっています。
また建物も、清代の頃のものを改築しつつ使い続けているので、当時の面影を残すものもあれば、日本統治時代に改装された、どこか和風の建物もあるなど、それぞれとても個性的なのが魅力です。
神農街は、そのノスタルジックな雰囲気にひかれた若い人たちが次々とショップやレストランをオープンして、今やローカルにも観光客にも人気のストリートになっているのです。
夜になると、街全体が灯籠でほの暗くライトアップされて、昼間とはまったく異なる景色を楽しめます。台南に泊る予定なら、ぜひ夜の神農街に訪れてみては。
台南版原宿(!?)~府中街
一方、台南駅の南西、歩いて15分ほどのところにある「孔子廟(コウシビョウ)」の前には、数百メートルの小路「府中街(ふちゅうがい)」が延びています。
細い道路の両脇には並木が続き、大枝の下にいろいろな露店やショップ、カフェなどがずらりと続いて、さながら台南の原宿!?てとこでしょうか。どこか昭和っぽいような懐かしさも感じさせてくれる、気持ちのいい街路ですよ!
いかがですか?今回は古都・台南の生活を感じられる老街を紹介しましたが、台南はグルメの街、小吃の街としても知られています。老街で美味しいものに出合いながら、街歩きを楽しんでくださいね。
個人であれこれと回るのはちょっと面倒...という方には、オプショナルツアーがおすすめですよ!JTBでも台北から日帰りで訪れる台南のツアーをご用意しています。ぜひご参考になさってくださいね!