ニュージーランド北島、ワイポウアの森で森の神に出会う

JTBニュージーランド
メェ子

皆さんは、カウリの木をご存知ですか?

カウリの木はニュージーランド北部で見られる針葉樹で、「世界で最も古い樹木」とも「世界一成長が遅い樹木」とも呼ばれています。

なにより驚くべきは、その大きさ。国内最大のカウリは、樹高50m以上、幹の太さが直径4.4mという巨大なもので、「森の神」と呼ばれています。

気持ちのいい森を歩いて、森の神様に出会いにいきませんか?

銘木、ニュージーランド国内最大の樹高を誇る「タネマフタ」(マオリ語で「森の神」の意味)

ニュージーランドが世界に誇る美しい巨木 カウリ

「カウリって何?」という方のために、カウリについて少し説明しておきましょう。

カウリはニュージーランド固有の樹木で、北島北部の亜熱帯地方に生息しています。

針葉樹の一種ですが、樹齢が長く、巨大な古木は見る者を圧倒するほどです。ちなみに国内最長老のカウリは樹齢約2000年と言われており、幹の直径は5.2mもあります。また、カウリの起源は約1億9000年~1億3500年ほど前にさかのぼり、「世界で一番古い樹木」、「世界で一番成長の遅い樹木」とも言われています。

かつてニュージーランド北島北部には、カウリの森が広がっていました。しかしヨーロッパ人の入植によって伐採が始まり、わずか数十年の間にカウリの森は最大時の4%まで縮小されてしまいました。

伐採は、森を開拓して牧場を作るためでもあり、カウリの木を建材として売りさばくためでした。幹の下部に枝がなく、長くて太く、しかも硬質なカウリ木材は建材として重宝されたといいます。

危機感を覚えた人々がカウリの保護を訴えるようになり、保護区が制定されたのは1952年のこと。

北島北部の約9105haがカウリ保護区「ワイポウアの森」として認定されました。今では、カウリの伐採は全面的に禁止されており、植樹も頻繁に行われています。

樹齢30年のカウリ

ハニーセンターとカウリ博物館もお楽しみに!

オークランドからワイポウアの森へは約500km。

東京/大阪と同じ距離ですが、信号がないため片道の移動時間は、なんと4時間程度!日帰りで訪れることができます。道中にはハニーセンターやカウリ博物館がありますので、ぜひ寄り道していきましょう。

ワークワースにあるハニーセンターは養蜂家が運営する蜂蜜の直売所で、アプリコットハニー、ラベンダーハニー、ストロベリーハニーなど様々な蜂蜜を試食できます。

またこちらでは、バニラアイスとフローズンフルーツを、その場で混ぜてソフトクリームのようにしてくれる「リアルフルーツアイスクリーム」も大人気。ぜひ味わってみてください。

ワークワースから国道1号線を北上し、国道12号線に入ると、マタコヘの町があります。

こちらにはカウリ博物館があり、開拓時代の伐採の様子や工具、カウリのユニークな生態、カウリの木材で作られた家具、カウリガムと呼ばれるカウリの琥珀などが展示されています。

キラキラと飴色に輝く琥珀はそれだけで美しいものですが、カウリガムを使った工芸品やアクセサリーは一見の価値があります。

カウリ博物館

カウリ材を利用した家具も展示されています。

過去に伐採された木材の展示もあります。

ハニーセンター。様々な蜂蜜が試食できます。

「森の神」、「森の父」を探してワイポウアの森へ

ワイポウアの森に到着したら、森の小道を歩いてカウリの銘木を訪ねましょう。

冒頭にふれた国内最長老のカウリは「テ・マツナアヘレ」(マオリ語で「森の父」)と言う名がついており、駐車場から片道25分のハイキングで見学できます。道は舗装されていませんので、歩きやすい靴がおすすめですが、道はよく整備されているので、車椅子の方でもツアーに参加できます。

道中にはひとつの根から4つの幹がのびる「フォーシスターズ」と呼ばれるカウリもありますし、トタラやリム、ツリーファーンなどニュージーランド固有の樹木について、ガイドが詳しく案内してくれますので、自然観察を楽しみましょう。

そして、いよいよ「森の父」とのご対面です。樹齢2000年とあって、風格たっぷり。

森の中で圧倒的な存在感を放つ巨大な幹に息をのまずにはいられません。2000年もの間、同じ場所で風雨に耐えてきたその姿は、その名に恥じず威厳に満ちていて、いつまで見ていても飽きないほどです。

もうひとつの銘木は、国内最大の樹高を誇る「タネマフタ」(マオリ語で「森の神」の意味)です。(記事上部写真参照)

こちらは駐車場から3分ほどの至近距離に立っていますが、駐車場や道路からはその姿は見えません。

ですが森の小道を進み、タネマフタの姿が見えてくると、多くの人が驚きのあまり、笑顔になってしまいます。高さ51.2m、一番下の枝まで17.7m、幹の直径4.4mという巨木の姿は、まさに「森の神」と言うべき存在。木の周囲は神々しいオーラが放たれ、訪れる人たちの心を静かな感動で満たします。

このように、木と自然に圧倒されるワイポウアの森ですが、タネマフタやテ・マツアナヘレに直接手に触れることはできません。

また見学者が木の根を踏むと木の寿命が縮まってしまうことから、タネマフタの周辺には木道が敷かれていますし、テ・マツアナヘレは少し離れた場所に見学スポットが設けられています。永い歳月を生き抜いてきたカウリの木を守るためにも、ハイキング中は木の根を踏みつけないようご注意ください。

国内最長老のカウリ「テ・マツナアヘレ」(マオリ語で「森の父」の意味)

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