マカオの世界遺産を2時間で巡る町歩き セナド広場界隈編

マカオの魅力はいくつもありますが、ポルトガルの影響を受けた歴史ある町歩きは間違いなくマカオ滞在の楽しみのひとつです。1日かければマカオの町の雰囲気をたっぷり堪能できます。1日でなくても例えばランチ前や夕方など2時間あれば、セナド広場界隈のポルトガルの雰囲気を街角に残す、マカオの歴史遺産を楽しむことができます。フォトジェニックな広場や中庭を訪れながら、マカオの歴史を辿る町歩きをJTB現地スタッフがご紹介します。

仁慈堂。手前に見えるのが教皇境界線を描いた地球儀の噴水。

石畳のセナド広場とポルトガルの面影


マカオの町の中心にあるのがセナド広場です。ここを町歩きの拠点にしました。セナド広場は長きに渡るポルトガル統治の面影が残された、マカオらしい独特の雰囲気に包まれています。波打つ紋様の石畳と広場中央にある教皇境界線を描いた地球儀の噴水、さらに濃いピンクや黄色といったカラフルな色調の新古典様式の建物が写真映えする広場です。この広場周辺には世界遺産に登録された歴史的建造物がいくつもあります。

セナド広場の南西側、アルメイダ通り(新馬路)をはさんで建つのが18世紀建造の民政総署です。建物の中に入り、ポルトガルのタイル装飾アズレージョが施された壁に誘われるように階段を上がれば、そこには雰囲気の良い中庭があります。セナド広場に向かって右側、緑の木々の奥にあるのが郵政総局(郵便局)です。世界遺産の登録建物ではありませんが、時計台のある建物は重厚さとデザイン性を感じます。数々の記念切手が販売されていて、お土産にも最適。ここから絵葉書を出すのもいいかも。郵便局の隣にあるのがマカオ仁慈堂。16世紀に初代マカオ司教が設立した福祉施設で、ネオクラシック様式の建物です。仁慈堂博物館には宗教関連の美術品や古文書、イエズス会の紋章である「HIS」が描かれた陶器などが展示されています。

小高い丘の上の聖ポール天主堂跡へ


セナド広場の波打つ石畳を北方向へと進み、コロニアルスタイルの建物1階で営業するファッション関連のショップやファーストフード店などを横目に見つつ歩いていくと、黄色の外壁に緑色の鎧戸とドアという目にも鮮やかな外観の聖ドミニコ教会があります。かつて鐘楼だった建物は博物館として約300点に上る宗教的な装飾品を展示公開しています。教会の中はとても静かな空間であり、広場の喧噪とは全く別世界のよう。しばし教会内で静かな時を感じたら、聖ドミニコ教会のちょうど北側にある聖ポール天主堂跡を目指して歩きましょう。

同教会に向かって右へと行き、左折して賣草地街へ入って道なりに歩き、細い路地の大三巴街を進みます。お土産物店などの店舗が並ぶ緩やかな坂道を歩くと、そこには聖ポール天主堂跡が見えてきます。大階段を上った先に建つ聖ポール天主堂跡はマカオを象徴する建物。もともと17世紀に建設され、19世紀には火事で崩壊し、現在目にするファサードしか残っていません。歴史を背負うファサードの前に建って辺りを見回すと、遠くにマカオカジノを象徴する、ゴールドに輝くグランドリスボア(新葡京)の建物が見え、新旧マカオの姿が垣間見えます。聖ポール天主堂跡から、もと来た道を辿ってセナド広場に戻ります。

色鮮やかな外観が印象的な聖ドミニコ教会。

世界遺産の町マカオを象徴するスポット、聖ポール天主堂跡。

民政総署の裏辺りの聖オーガスティン広場へ

民政総署を出て、セナド広場に向かって左へと行き、1つ目の角を左折して蘇雅利醫生街に入り、そのまま道なりにちょっとした坂道を歩いていくと、大きなガジュマルの木が見えてきます。この小さな聖オーガスティン広場も花びらのような石畳の紋様が目を引き、広間を取り囲むようにして右から順にロバート・ホー・トン図書館、聖ジョセフのセミナリオ、ドン・ペドロ5世劇場、聖オーガスティン教会のカラフルな色の建物が並びます。広場にはベンチも置かれていて、散策の途中休憩にもおすすめ。

ホートン図書館はもともと住居や別荘として使われていた建物ですが、今はマカオ政府所有の図書館です。こんな素敵な図書館で本を読みたいと思わせる落ち着いた館内と木々が木陰を作る中庭の雰囲気が魅力的。ペパーミントグリーン色の外壁が印象的なドン・ペドロ5世劇場は1860年に中国で最初に建造された西洋式劇場で、マカオの人々にとってとても重要な建物だそう。今も記念行事や重要なセレモニーなどが同劇場で行われています。火曜以外は劇場内を見学できます。その対面にあるのが16世紀にスペインの聖オーガスティン修道会が創建されたという聖オーガスティン教会です。

聖オーガスティン広場からセナド広場へと戻り、広場の入口付近にある濃ピンク色の建物1階の「義順」でマカオ名物の冷たい牛乳プリンを食べながら一休み。マカオスイーツの定番中の定番で、さっぱりとした甘さの牛乳プリンはぜひとも一口食べて帰りたいところ。

各施設の情報

民政総署ギャラリー:10~21時(月曜・祝祭日定休)
仁慈堂(博物館):10~13時、14時30分~17時30分(月曜と祝日休館)
聖ドミニコ教会:10~18時
聖ポール天主堂跡:9~18時(最終入館17時30分)
天主教芸術博物館:9~18時(最終入館17時30分、火曜は14時から休館)
ロバート・ホー・トン図書館:10~19時(月~土曜)、11~19時(日曜)
ドン・ペドロ5世劇場:10~18時(火曜定休)
聖オーガスティン教会:10~18時(一時的に入場できません)

ドン・ペドロ5世劇場。

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