アンコールワットだけじゃない!カンボジア世界遺産「プレアヴィヒア」
カンボジア観光といえばアンコールワットがあまりにも有名ですが、ぜひ訪れていたい遺跡はさまざまにあります。そのひとつが「プレアヴィヒア寺院」。アンコール遺跡群と並びカンボジアの世界遺産に認定されている貴重な遺跡で、何よりそこから眺める絶景が素晴らしいのです!シェムリアップから数時間かかりますが、日帰りも可能です。その魅力をJTB現地スタッフがご紹介しましょう。
タイ国境の山脈にひっそりと
カンボジアの北東部、タイとの国境として東西に延びるダンレック山脈。シェムリアップからは約150kmに位置するこの山脈に、プレアヴィヒア遺跡はひっそりとカンボジアの人々を見守っています。
標高約600mの山の斜面を生かして作られた細長いヒンドゥー教の寺院で、建築に着手したのは10世紀、ヤショーヤヴァルマン1世の時代。それから12世紀ごろまで歴代の王によって増改築が続きました。「プレアヴィヒア」とは「聖なる寺院」という意味で、その名の通り王たちにとっては大切な寺院だったようです。
ナーガが据えられた入口から最奥の聖堂まで約800mの参道は、ゆるやかな斜面に沿ってひたすら登っていきます。参道途中には楼門が5つ設けられ、「乳海攪拌図」や「ナンディンに乗るシヴァ神とウマー」などの美しいレリーフが施されています。
これらの遺跡を見学するだけでも十分訪れる価値はありますが、何といってもすばらしいのは、寺院最奥の展望台から眺める景色。遠くカンボジアの平原を望む絶景です。
長年の紛争を経てようやく公開に
プレアヴィヒア寺院は、アンコール遺跡にも並ぶ重要な遺跡で、2008年には世界遺産にも登録されています。しかし、タイとの国境に接しているため、長年その所有を巡ってタイと対立し、時には銃撃戦が起こる危険な地帯でした。
その紛争が近年ようやく落ち着き、主要エリアの地雷なども撤去されたため、一般に公開され広く観光客に開かれたのは、ほんの数年前のこと。
今は少しずつ整備が進んでいますが、それでも国境警備兵が治安に当たる緊張地帯であることには間違いありません。
訪れる場合には、できればグループで訪れ、整備された地区以外に入らないなど、安全には十分注意しましょう。
プレアヴィヒアへの行き方は?注意点は?
シェムリアップ中心部から車で約3時間。山のふもとのチケットオフィスで入場券(US10$)を購入します。山のふもとから頂きまでは4WDでしか登ることができないため、ピックアップトラックに乗って遺跡入口まで移動するのが一般的です。
シェムリアップから車をチャーターする場合には、信頼できるルート(ホテルや旅行会社など)で車を確保しましょう。
往復すると1日かかるため、車のチャーターや入場券の買い方、食事などの手配に不安のある方は現地旅行会社の現地発ツアーを利用されることをお勧めします。
【注意点】
・チケットオフィスでは、パスポートの提示を求められることもあります。パスポートを持参しましょう。
・ゆるやかとは言え、山を登る遺跡です。また岩場も歩きます。サンダルなどは避け、はきなれた歩きやすい靴で行きましょう。
・山とはいえ日中は大変暑くなります。日焼け止めや帽子、サングラスなどをおすすめします。
JTBでは、プレアヴィヒア寺院を日帰りで訪れる便利なツアーをご案内しています。そちらもご参照ください。