香港の通貨・両替・クレジットカード・チップ事情
海外旅行でまず戸惑うのが見慣れぬ現地通貨。キャッシュレスが進む昨今ですが、まったく現金を持たずに行動するわけにもいきません。香港は1997年に英国から中国へ返還され、現在は中国の特別行政区ですが、通貨は返還後も引き続き香港ドル(HKD)を使用しています。香港ドルへの両替事情等お金にまつわる情報をご紹介します。
種類や絵柄も豊富な香港ドル
通貨単位は香港ドル(HKD)とセント(¢)で、1HKDが100¢です。
香港ドルの種類は、紙幣が10HKD、20HKD、50HKD、100HKD、500HKD、1000HKDの6種類、硬貨(コイン)が10¢、20¢、50¢、1HKD、2HKD、5HKD、10HKDの7種類もあります。香港には紙幣を発行する銀行が3つ――香港上海銀行(香港上海?豐銀行HSBC)、スタンダード・チャータード銀行(渣打銀行、Standard Chartered Bank)、中国銀行(中国銀行香港分行、Bank of China)――あり、それぞれが異なるデザインの紙幣を発行しています。また、返還前の異なるデザインの紙幣も流通しているので使用する際には額面をよく確認しましょう。
ちなみに2017年7月7日現在、1HKDは14.5円。香港ドルは1USドル(USD)当たり7.8HKDでレートが固定されています。香港ドルと日本円の為替は、USDと日本円の為替相場の動向に自動的に連動します。
日本円を香港で両替するのがベター
日本円から香港ドルへの両替ですが、日本は香港ドルの流通量が少ないためレートが良くありません。両替は香港についてから日本円を香港ドルに換えるのがおすすめです。
空港の銀行や両替所は街中よりレートが悪いので、最低限の現金を香港ドルに交換し、あとは街中の両替所で換えましょう。街中にはたくさんの両替所があり、レートは店によって様々なので、よく比較して店を選びましょう。銀行は両替所よりレートが良いですが、口座を持っていないと1回あたり50~100HKDほど手数料を取られるので、結果的に両替所で換えるより割高になります。銀行で両替をするなら何人分かをまとめてするのが得策です。
銀行は、土曜日は午前中営業しているところもありますが、日曜、祝日は休みです。
ホテルは24時間いつでも両替できるのが利点ですが、空港同様レートが良くないので緊急を要しない限り控えた方がいいかもしれません。
両替する際にはパスポートの提示が必要な場合もあるので携帯をお忘れなく。
なお、為替レートは、日本円1万円に対する香港ドルの額を示しています。Buyの欄を見て700HKDだったら、1万円÷700HKD=14.3円(1HKDあたり)となります。
利用価値の大きいクレジットカード
VISAやMASTERなど国際ブランドのついたカードを持っていれば、事前にカード会社に海外キャッシュカードの申し込みをしておくと、香港のATMで現金が引き出せます。カード会社からキャッシングをすることになるので、カードの支払い日に引き落とされます。利息やATM手数料はかかりますが、ATMのあるところならいつでも両替できる利便性が魅力です。ATMの利用方法はVISAやMASTERのホームページで確認できます。暗証番号が必要なので、それも出発前に確認しておきましょう。
香港はクレジットカードの利用が浸透しているので、実はそれほど現金を持つ必要がないのです。カードが使えないのは屋台や一部のタクシーなどに限られているので、あとはクレジットカードを利用した方が両替の手間や手数料も省けてお得です。JCBが使える店舗も多く、VISAかMASTERがついたカードを1枚持っていればほぼどこでも使えます。クレジットカードを利用する場合、日本円払いか香港ドル払いか尋ねられますが、香港ドル払いを指定しましょう。日本円払いを選ぶと両替手数料が上乗せされるようです。
また、クレジットカードではないですが、日本のSuicaのような「オクトパス」という交通系ICカードがあり、公共交通機関はもちろん、コンビニでの買い物にも利用できるのであまり現金を持ち歩きたくない人にはお勧めです。
チップの習慣
香港では現金を使う場面があまりない、というお話をしましたが、まったく持たないわけにはいかない事情があります。それはチップです。イギリスの影響を受けた香港では中国返還後も欧米同様、チップの習慣が残っています。厳密なルールがあるわけではないですが、チップは利用額の10%程度と言われています。レストランで食事をした場合は、サービス料10%が請求額に加算されているので、クレジットカードの計算書に5%程度のチップ額を書き込むか、5%程度の現金を置いて出ます(書き込むのは端数を切り上げる程度、現金は小銭くらいでいいという人もいます)。ホテルで荷物を運んでくれたベルボーイやドアマン、ベッドメイク、ルームサービスを運んでくれたウェイターには10HKD程度を渡します。タクシーでは端数のお釣りを受け取らないでチップとして渡すのがスマートです。
いかがでしたか? 両替の方法を工夫し、クレジットカードをうまく使ってお得に現地滞在を楽しみましょう。
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