タスマニアのマウントフィールド国立公園とブルーニー島の魅力
タスマニアは州全体の20%が原生地域のまま残っている大自然の宝庫。「島」といっても実に広く、国立公園が計17ほど。その多くが、世界遺産にも登録されています。見どころが多く、観光に迷ってしまうかもしれませんが、手始めに原生雨林の中で軽いウォーキングを、とお考えなら、マウントフィールド国立公園がおすすめです。
巨大なスワンプ・ガムの樹木にびっくり!マウントフィールド国立公園
マウントフィールド国立公園は、タスマニアの州都ホバートから北西に約70km、車では1時間ほどで到着します。
国立公園内には、初心者向けから本格派向けまで、距離や所要時間が異なる複数の遊歩道が整備されています。本格的な登山靴など必要なく、のんびり楽しめて、森林浴にちょうどよい最も手軽なコースは、駐車場入り口から15分ほどで到着するラッセル滝へのコース。ラッセル滝は、階段状になった崖の上を、いくつもの水筋が流れていく滝で、19世紀末、タスマニアで最初に自然保護区に指定されました。その後、1916年にマウントフィールドが同じくタスマニア初の国立公園に指定されており、「タスマニア最古の国立公園」とも呼ばれています。
広さ1万6,000ヘクタールと広大な国立公園内には、シダやユーカリの森が広がり、マイナスイオンがたっぷり。最高の森林浴が体験できます。雨が多くなる冬(日本では夏)は、ラッセル滝の水量が多くなり、迫力がぐんとアップします。国立公園のさらに奥の高地へと進むと、ドブソン湖やシェルフ湖があり、4~5月、秋が訪れると、紅葉が美しいシーズン到来。オーストラリア唯一の落葉樹、ファガス(ブナの一種)が、山の斜面を、赤や黄色、オレンジに染め上げます。このあたりまで歩く場合は、アップダウンもある4時間以上のハイキングコースになります。本格的に山歩きを楽しみたい方におすすめです。
マウントフィールド国立公園のもう1つの見どころといえば、樹高100mほどの巨木、スワンプ・ガムです。スワンプ・ガムは、オーストラリアに何種類も原生するユーカリの一種。広葉樹ですが、非常に高く伸びる木として知られています。マウントフィールド国立公園内を散策していると、ものすごく高い樹木をいくつも目にすると思いますが、それがこのスワンプ・ガムです。見上げると、空までまっすぐな幹が伸びており、上の方はもはやよく見えません。その立ち姿の優雅さも、スワンプ・ガムならではの魅力でしょう。森の中には、寿命を終えて倒れているスワンプ・ガムの巨木もありますが、その根元に立ってみると、幹の直径の大きさにびっくり。2メートル以上はありそうです。
ブルーニー島でタスマニアが誇る美食を堪能!
ホバート滞在中に、時間の余裕があればぜひお勧めしたい小旅行先が、タスマニア南東の海に浮かぶブルーニー島。フェリーに乗って15分ほどのアクセスで、絵本のような田園風景が広がっています。また北島と南島を結ぶ「ザ・ネック(The Neck)、つまり「ブルーニー島の首」からの景色は必見!波と風の音を感じながら、真っ白なビーチを散策するのもお忘れなく。
ブルーニー島の人気の秘密は、こうした美しい自然に加えて、おいしい食べ物が揃っていることです。島内には牡蛎の養殖場直営の店やベリーファーム、さらにチーズ、チョコレート、ワイナリーなどの食材を扱う専門店が充実しています。タスマニアが誇るグルメの数々をぜひお試しください。
なかでも有名なチーズ専門店、「ブルーニー・アイランド・チーズ(Bruny Island Cheese co.)」は、イチオシのお店です。創業者は、フランス、イタリア、英国などで欧州の伝統的なチーズ製法を学んだとか。タスマニアならではの特徴にもこだわった手作りチーズの数々は大人気です。2016年からは、地ビール製造にも乗り出し、こちらも保存料ゼロなど、こだわりの手法でタスマニアの新名物となっています。可愛いらしい店内で、美味しいチーズとビールを味わいながら、ゆっくり過ごすひとときは格別です。
Bruny island cheese co.(英語)
1807 Main Road, Great Bay, Bruny Island, Tasmania