パロネラパーク 古代遺跡のようなテーマパークへ
オーストラリアにあるパロネラパークってご存じですか?
クイーンズランド州北東部、ケアンズの南、約240kmに位置する町イニスフェイルにあるテーマパークで、1930年代に造られました。ケアンズの海岸地帯はマングローブが生い茂り、内陸部は世界最古ともいわれる熱帯雨林が広がる自然豊かな土地です。
ここにスペインからの移民ホゼ・パロネラが、子どもの頃からの夢を実現させ、自分の城を築いたのです。現在、熱帯雨林に囲まれ、苔が生えた建物はまるで古代遺跡のよう。夜ライトアップされたパロネラ城と庭園はとても幻想的な雰囲気に包まれています。
スペインからやってきたホゼの夢が結実
不可能と言われ続けた「自分の城を築く」という夢を叶えたホゼ・パロネラの「城」がパロネラパークです。スペイン・カタロニア地方でケーキ職人として働いていたホゼは、移民としてオーストラリアに渡り、クイーンズランド州のサトウキビ畑で働き始めます。
それから16年、青年実業家になったホゼはスペインに一旦帰国したものの、子どもの頃からの夢を追い求めて再びオーストラリアに戻り、土地を購入しました。資材の運搬用通路として47段の大階段を造り、自分たちが暮らす石造りの家を建てました。
7000本以上の木々を植え、滝のある熱帯雨林の庭園やスペインの城をイメージしたというパロネラ城を建造。滝を利用した水力発電の設備も作られました。そして、1935年、誰もが訪れることのできるパークとしてオープンしたのです。
パロネラパークは、ホゼ死去後、妻のマルガリータ、さらに彼らの子どもたちが守り続けましたが、洪水などの天災により何度も被害を受け、結局、ホゼ一族は1977年、パークを売却してしまいます。その2年後には大火災によってパロネラ城のほとんどが消失。86年にはハリケーンに襲われ、パークは廃墟と化したのです。
それからしばらくして、この廃墟となったパークを訪れたオーストラリア人夫妻が現オーナーのエヴァンス夫妻です。彼らは93年にパークを購入し、修復工事をいくつか施したものの、再建ではなくパークを保全して一般公開しました。
古代遺跡風の建物と樹齢約500年の締め殺しのイチジクの大木
パロネラパークは、クイーンズランド州の重要文化財に指定されています。熱帯雨林の緑に覆われ、緑の苔が生えた建物は、まるで古代遺跡のようにも見えます。
精霊が宿るともいわれる、樹齢約500年の締め殺しのイチジクの大木(Strangler Fig)は、夜になると、ライトアップされてより幻想的に。さらに晴れていれば、満点の星が夜空に輝き、とてもロマンティックな雰囲気に包まれます。庭園内のガイドツアーなどが行われています。
また、パロネラパークはこれまで、オーストラリア国内において、環境に優しく、持続可能なエコツーリズム・アトラクションに贈られるエコツーリズム・オーストラリア・ゲッコー賞(The Ecotourism Australia GECKO Awards)が授与されるなど、毎年さまざまな賞を受けています。
パロネラ・パーク(Paronella park)
住所:1671 Japoonvale Rd (Old Bruce Highway) PO Box 88 Mena Creek, Queensland 4871
電話:61 7 4065 0000
入場料:大人 42AUD/子供(5歳~15歳)21AUD(2014年7月現在)
営業時間:毎日9:30AM~7:30PM
HP(英語):https://www.paronellapark.com.au/
JTBでは、ライトアップされたパロネラパークを夜訪れるツアーを提供しています。