JTB交流創造賞

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交流創造賞 ジュニア体験部門

第15回 JTB交流創造賞 受賞・入選作品

小学生の部

入選

不便の中から得たもの

生越 佳子(場所:兵庫県)

私はこの夏に無人島キャンプに行きました。無人島は自然遊び団体に参加していきました。メンバーは代表の大人と子どもが15人と大学生のボランティアが15人です。無人島はせ戸内海の太島というところです。水も電気もガスも通っていません。姫路港から船に乗り20分くらいの場所にあります。けい帯はかすかに通じるようで、けがや病気の場合は緊急連絡できると聞いて安心しました。いざ行ってみると、初めて会うメンバーとの無人島にわくわくよりもドキドキの方が勝っていました。私は初対面の人と話すのが苦手だからです。まず島に着きテントをはります。足場はなれないほどごつごつした石が転がっていました。普段の生活では体験しないことにいきなり直面しました。ごつごつした石のせいでテントもうまくはれません。なんとかき地を作ると次はご飯の準びです。食べ物の調達からしないといけません。普段コンビニやスーパーで手軽に食べ物を買えるので自分でとることができるのだろうかと心配になりました。でも人間がほとんどこない海は見たこともないくらいすき通っていて、魚が泳いでいる姿が上からでもわかるくらいです。私はモリを借りて魚をつくことに挑戦しました。テレビで見ているのとちがって体はういてしまうし魚はすばしっこいし、なかなかとれません。でも楽しさは増すばかりです。何度も何度も挑戦しようやく手のひらサイズのかわいい魚をつくことができました。しかし、熱中しすぎて足に毒を持つ草が当たっていたことに気づきませんでした。

「足、毒の草にさされてるからお酢をぬろう。」

すぐに大学生のお姉さんが気づいてくれお酢をぬってくれました。お料理に使うお酢がまさか毒に効くなんてびっくりしました。昔からの知えってすごいです。夕方になるとあっという間に日が沈み暗闇が広がりました。家の明かりも町の街灯もない真っ暗闇です。かい中電灯が照らす小さな明かりの中で夕食の準びをしました。食べたことのない魚を自分で三枚おろしにしました。みんなでとった魚と拾ってきた木で炊いたご飯は、人生で一番美味しいと感じるご飯でした。無人島に行って不便なことはたくさんありました。しかし見たこともないようなきれいな海や、満天の星空。海から流れ着いたきれいなシーグラス。初めて自分でとって捌いた魚。どの経験も私にとって感動を与え続けてくれました。それと同時に普段の便利な生活に感しゃや反省を感じることもできました。クーラーがない無人島でも涼しくするすべはあったし、海に流れ着いたペットボトルのゴミを見て資源を大切にリサイクルすることが地球を大切にできるのではないかなとふり返ることもできました。無人島キャンプは人見知りの私がたくさんのコミュニケーションとともに一回り大きくなれる経験でした。百聞は一見にしかず。この言葉のようにこれからも自分の目で見て、たくさんの経験をしていきたいと思います。

※文中に登場する会社名・団体名・作品名等は、各団体の商標または登録商標です。
※本文は作品原稿をそのまま掲載しています。
※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。

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