池田 冠都(場所:愛媛県)
「キラキラ光る海が見えて来た!」
橋から見える海の美しさにぼくの気持ちが一気に高まった。
今年の夏休みは、初めて、しまなみ海道へ家族で旅行に行った。しまなみ海道に行った理由は二つ。一つは、おばあちゃんの生まれ育ったなつかしいふるさとへ、おばあちゃんを連れて行ってあげるため。もう一つは、八十六才になるひいおばあちゃんの弟に会いに行くためだった。
美しい島たちを橋で結んでいるしまなみ海道。そこで、ぼくのとっておきをたくさん見つけた。
島のあちこちにあなをほって、のびのびとくらすうさぎたち。デコポンやレモンを使ったしんせんなジェラート。プリプリの食感がやみつきになるタコ料理。はげしい潮流が体験出来る船。海ぞくについて楽しく学べる水軍博物館。目の前に白い砂浜が広がる海の宿。朝日をながめながらの温泉。たくさんのお気に入りスポットが出来た。ふだんのぼくの生活では、味わえない、ゆるやかに流れる島の時間だった。この旅行で一番うれしかった事は、美しいしまなみ海道の景色にたくさんのおばあちゃんの笑う顔が見れた事だ。おばあちゃんが会いたがっていたひいおばあちゃんの弟にも会え、すてきな旅になった。おじいちゃんが亡くなってから、一人で大変だったおばあちゃんを笑顔にしてあげたいというお母さんの思いがつまった旅だった。おばあちゃんだけじゃなくて、家族全員笑顔になった。
橋とフェリーを上手く使ってたくさんの島めぐり。どの島も大好きになった。しまなみ海道をはなれる時には、さびしくてたまらない気持ちでいっぱいになった。また、おばあちゃんといっしょにしまなみ海道に行きたい。今度は、もっとたくさんのとっておきを見つけたい。
※文中に登場する会社名・団体名・作品名等は、各団体の商標または登録商標です。
※本文は作品原稿をそのまま掲載しています。
※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。