松村 梨紗
今年の六月に、わたしはしずおか県で、わすれられない出会いをしました。それはモリアオガエルです。出会ったしゅんかん、わたしは弟に、
「すごいカエルがいるよ」
と、さけびました。あざやかな黄みどり色の体に黒と茶色のグニャグニャしたもようがついていて、弟がはいているめいさいのズボンのような体をしていました。このカエルは、へいたいさんが着ているめいさいの服を見て、かっこいいなと思ってこのもようにしたのかなと思いました。
さっそく、お父さんとお母さんもいっしょにしらべてみると、モリアオガエルでした。モリアオガエルは黄みどり色だけのものと、このようにもようがついているものがいるそうです。どんどん数がへっていて、しずおか県では「じゅんぜつめつきぐ」になっていることも分かりました。人間が森をこわして、モリアオガエルが住める自然がへってしまったからです。木のえだにたまごをうみ、おたまじゃくしになると水の中におちて生活し、カエルになると森で生活するのでたくさんの自然がひつようなのです。こんなかっこいいめいさいもようのカエルがいなくなってしまうのは、とてもかなしいなと思いました。
その日は一晩だけそのモリアオガエルといっしょにすごしました。かっこよくて、いつまでも見ていました。
朝になって、かぞくぜんいんでモリアオガエルを森にかえしました。なるべく見つからないように木の多いしげみにかえしました。心の中で、
「ぜったいぜつめつしないでね」
と、言いました。そして、わたしもぜったい森をこわさない、自然を大切にするとやくそくしました。
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