JTB交流創造賞

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交流創造賞 ジュニア体験部門

第14回 JTB交流創造賞 受賞・入選作品

小学生の部

入選

おじいちゃん達の言葉

原 結衣

今年の夏休み、私は母方のおじいちゃんとおばあちゃんに会いに福島に行きました。そこで、お父さんが、おじいちゃんやおばあちゃんと話をしている時によく「それってどういう意味ですか?」と聞いていました。

何かむずかしい話をしているのかと思ったけれど、そうではなく、おじいちゃん達の言葉が方言なので時々意味が分からなかったそうです。方言とは何かと思って辞書で調べてみたら「地いき的に見た、それぞれの言語のちがい」と書いてありました。それでも何だかピンとこなかったので、お母さんにも聞いてみました。

お母さんによると、私やお父さんがふだん話している言葉はひょうじゅん語で、おじいちゃん達の言葉は福島弁。どちらも日本語だけど、ちょっとちがう表現があるそうです。例えば、お母さんやおばあちゃんはよく「したっけ」と言います。私がこれを聞いたら、何かをすませたのかなと思うけれど、お母さん達は「そうしたら」という文をつなげる意味で、この言葉を使っているそうです。こういうのがひょうじゅん語と方言のちがいで、東京育ちのお父さんは時々頭がこんらんしてしまうみたいです。

そう言えば、お母さんは「なんだって」もひんぱんに使っています。私の使う「なんだって」は、「何でも」とか「どれでも」という意味だけど、お母さんがこの言葉を使うのは私が服をよごして帰ってきた時です。「なんだって、よくよごしたね」。この場合の「なんだって」は「なんとまあ」という意味だそうです。私の住んでいる神奈川から福島まで車で約三時間、けっこう近いと思うのに、こんなにも言葉がちがうなんてふしぎだなと思いました。他にも、ごせやける(はらが立つ)、うるかす(水にひたす)、さすけねえ(問題ない)、などの福島弁を教わりました。どうしてそういう表現をするようになったのかは分からないけれど、きっと言葉にも長いれきしがあるのだと思いました。同じ福島県内でも少しずつ方言がことなるそうです。もし、日本中の方言を全部細かく数えたら、きっとすごい数になると思います。

これまで私は言葉のちがいをあまり気にせず会話をしていたけれど、これからはもっとアンテナをはって、その由来やれきしなども調べてみようと思います。今までりょ行に行くと、たて物や食べ物ばかり見ていたけれど、その土地の言葉にも注目したら、もっとその場所のれきしや、そこの住む人達の事が分かるようになると思います。お母さんは、むかしまわりの人達からなまっていると言われてはずかしいと思ったそうですが、今では「お母さんはバイリンガルなのよ」とわらっていました。私も、福島弁はひびきがやわらかくて、面白いと思います。方言は、それぞれの地いきの大切なれきしや文化だと思うので、これからもずっとのこっていてほしいと思いました。

※文中に登場する会社名・団体名・作品名等は、各団体の商標または登録商標です。
※本文は作品原稿をそのまま掲載しています。
※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。

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