大西 理斗(場所:群馬県上野村)
夏休みにぼくは、初めての体験をしました。それは、群馬県の上野村に友達と一緒にキャンプに参加したことです。家族と四日間もはなれて過ごすのは、初めての体験でした。
一番印象に残った事は、ニワトリの絞めと解体を見学したことです。そのニワトリは、それまでエサをやったりしてかわいがってきたので、最初はとても悲しくて辛かったです。でも、見学しているぼく達以上に絞めたり、解体したりしている人の方が辛い気持ちでもがんばっているので、しっかり見学しようと思いました。そのニワトリは、最後まで生き続けようと必死でがんばっていました。そのすがたは、今でも目に焼きついています。
それから、料理をしてそのニワトリをいただきました。食べながら、ぼくの頭にうかんだことは、「いただきます」の言葉の意味です。前に聞いたことがあったけど、「いただきます」というのは、命をいただく意味だと改めて感じることができました。今は、ふだんスーパーマーケットで手軽に食べ物が手に入るけど、店頭に並ぶまでには、たくさんの人が関わっているのだな、と改めて感じました。
もう一つ印象に残ったことがあります。それは、初めてテント泊をしたことです。今までは、キャンプに行ってもロッジやホテルに泊まっていたので、テントでねるのをとても楽しみにしていました。ドキドキとワクワクでいっぱいでした。いざ、テントの組み立てとなると、それは思っていた以上に難しかったです。シートが逆になったり、ポールを入れるタイミングがちがったりして、なかなか組み立てることができませんでした。何度も最初からやり直し、みんなで協力することで、やっとの思いで組み立てることが出来ました。テントが出来上がった時は、この中に泊まるのか、ととても興奮したのを覚えています。夜、テントの中ではランタンの明かりがゆらゆらとゆれて、とてもきれいでした。
他にも、あい染めをしたり、川で遊んだり、ふだんなかなか味わうことが出来ない体験をし、とてもうれしかったです。大自然とふれ合い、自然の大切さを学ぶことが出来ました。その中でも、食べ物とその命に感謝して「いただきます」をすること。そして何事もみんなの協力が大切なこと、この二つのことを、旅で改めて感じることができました。この旅で学んだことをふだんの生活でも大切にしていきたいです。
夏休みに友人と一緒に訪れた群馬県の上野村でのはじめての経験を描く。ニワトリの絞め・解体の見学を通じて、食べ物とその命に対して「いただきます」と感謝の意を表すこと、友人と協力しテントを組み立てる中で協力の大切を知る等、上野村での大自然とのふれあいの中で経た経験から感じ、学んだことを丁寧に描いている。
・家族と離れ、ひとりで参加したキャンプの4日間に経験した初めてのできごとが、具体的に生き生きと書かれている。
・ニワトリの解体作業を目にして命をいただく尊さに深く感じ入るようすが、自然な文体で素直に書いてあり、共感を持って読めた。
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