JTB交流創造賞

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交流創造賞 ジュニア体験部門

第10回 JTB交流創造賞 受賞・入選作品

中学生の部

入選

Don’t be shy!

及部 愛実

私は、ゴールデンウィークにベトナム、夏休みにカナダと今年二度も海外へ渡り、現地の人と交流する機会がありました。ベトナムへは現地で日本語を学んでいるベトナムの学生と日本語で交流するために九日間、カナダへは英語研修のために十七日間ホームステイの旅でした。それぞれ言語は違っても、現地の人たちはとても温かく迎えてくれ、充実した時間を過ごすことができました。行く前は、全然違うイメージを持っていたベトナムとカナダですが、行ってみると似ているところもあり、逆に当たり前だと思っていた日本でのことが特殊なんだと気付かされることもしばしばありました。そんな中、日本人として誇りに思ったこと二つと、特に見習いたいと思ったこと三つを紹介します。

誇りに思ったことの一つ目は、時間についてです。日本では、コンサートが始まる時間や始業時間はきっちり決まっていて、予定の時刻よりも前に来る人がほとんどですが、カナダとベトナムは結構自由で、カナダでは授業と授業の間の休み時間に先生も一緒になって遊びに夢中になり、始業時間に誰も気付かず、授業開始が遅れても特に何とも思ってない様子で、とても驚きました。時間に厳しい方が効率的ですが、日本は厳しすぎるかもしれないとも思いました。

二つ目は、衛生面についてです。ベトナムに比べるとカナダは少なかったですが、ベトナムとカナダでは食器や果物、サラダなどにハエが付いていても気にせず食べるので、最初はとても気になりました。生活していくうちに慣れましたが、やはりきれいな方が安心できるというのが本音でした。

逆に、見習いたいと思ったことの一つ目は、会話についてです。日本人は、会話の中でちゃんと理解できないことがあってもなんとなく分かったふりをすることがありますが、外国の人は分かるまで粘り強く聞き続けます。なので、話が深まって、お互いをよく知ることができました。ベトナムの観光地で、ベトナム以外の国から来た観光客にインタビューをしたら、イギリスやオーストラリアなどたくさんの人が、快く一緒に写真を撮ってくれ、旅の目的や職業まで教えてくれて、母国語は違っても会話が弾みました。理解できるまで諦めず、相手を知ろうとする姿勢は見習いたいと思いました。

二つ目は、目標についてです。ベトナムでもカナダでも「夢は何か?」と聞かれました。私はまだはっきりとした将来の夢はありません。しかし、ベトナムのある子は通訳、カナダのホストファミリーの子は脳外科医、などみんなはっきりと夢を持っていて、それを堂々と言っていたので驚きました。また、夢を持つだけじゃなく、夢をかなえるために今できること(少しでも試験に受かる材料にするためピアノなどの資格をとるなど)をそれぞれがやっていて、とても刺激を受けました。

私は、短期間ですがこの二か国で生活し、たくさんの体験をしました。それぞれの国に良いところと悪いところがあり、そこにはその国の貧しさや歴史が関係していて、簡単には表せませんが、そんなことは関係なく明るくて優しい人達ばかりでした。自分の考えに自信を持って他人に伝えることで分かり合える、諦めなければ言語が何であれ、通じ合うことができる、恥ずかしがらずに自分から話しかけることで、相手を良く知れる、そんなことを改めて実感した旅でした。

※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。

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