小林 咲季
トロント。カナダの先住民、ヒューロン族の言葉で「人が集まる場所」という意味の言葉だ。私は昨年の夏にカナダのトロントに二週間ホームステイをした。その名の通り沢山の国の人が住んでいる。私は語学学校へ行くのに地下鉄とバスを利用していた。そこで初め私はとても驚いた。色んな国籍の人はもちろん異なる宗教の人や全身にタトゥーを入れている人が一人、二人ではなくそういう方が沢山いたからだ。でも周りの人はとても普通。「外人、外人」と言っているのは日本人だけだと思った。もっとインターナショナルになるべきである。
語学学校の先生に「日本人は読み書きはできるがコミュニケーション力がない。」と言われた。確かにそうだ。英語という科目を週三時間も習っているが英語を話せる人はあまりいない。だが、中国人やロシア人、メキシコ人は私と同じくらいの年の子はとても上手に話していた。また、日本人は他の国の人と比べてシャイだ。話し掛けられていても正しい英語を使って答えようとするから堂々と会話ができない。自分から話し掛けるなんて以ての外だ。コミュニケーションは大事だと改めて思った。
私のホストファミリーはフィリピン系カナダ人であった。親戚もトロントに住んでいた為、週に四回はホームパーティーをした。おじいちゃんとおばあちゃんは英語が分からなかったが私がいたから皆英語で会話をしてれた。おじいちゃんとおばあちゃんがフィリピン語で私に話し掛けてくれた。なんとなくだが会話ができたと思う。人間はすごい。
私が日本からUNOを持っていったら、子供達がとても喜んでくれた。UNOは世界共通の遊びだ。皆で盛り上がれる。毎晩私の部屋を子供達がノックして「UNOしてもいい」と聞きに来るのがとても嬉しかった。誰かと一つのことをする事は素晴らしいと思う。
このホームステイを通して思ったことや学んだ事は沢山ある。そして目標もできた。
まず「外人」という見方がなくなった。一人の人として見ることができるようになった。初めは黒人やアバヤを見て怖がっていたが今はそんなことない。
次に積極性が出てきた。言葉なんて伝わればそれで十分。コミュニケーションが何より大切だ。
そして交流の素晴らしさがよく分かった。一人が好きな私にとってこの経験は私を大きく変えてくれた。今では誰かと何かをすることはとても楽しい。
トロントはすごくよい町で気に入ったがもちろん福井もとてもよい町だと思う。治安もいいし、色々な施設が充実している。何といっても福井の人は皆優しい。
私はこんな素晴らしい町を色々な人に知ってもらいたい。私の今の目標は高校に受かって英語を勉強してコミュニケーション力をつけることだ。そして沢山の人と交流したいと思っている。その後は何か人の為になる仕事をしたい。人とかかわって生きてゆきたい。
もう一つの目標はこの素晴らしい町をインターナショナルな町にすることだ。福井はとてもよい町だ。だが、このままではもったいないと思う。もっとよりよい町になるはずだ。福井を「人の集まる場所」にしたい。
「人の集まる場所」とは自然に笑顔になれる所だと私は思う。
※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。