佐藤 優宙(ゆうき)
ぼくたち家ぞくは、朝ドラ「あまちゃん」でゆう名になった「まめぶ」を作る体けんをするために、岩手けんくじ市に行きました。まめぶは、くじ市の名ぶつりょうりです。朝ドラでは、あまいんだか、しょっぱいんだかわからないびみょうな味のたべものとしてでています。山の中にある「まめぶの家」で、まめぶのお母さんとアニキが、作り方を教えてくれました。
まめぶは、小麦粉にねっとうを少しずつくわえて、パンを作るようにきじをこねます。それを少しずつとって、うめぼしくらいの大きさの丸いだんごを作ります。アニキから、
「しわがあると、にた時にばくはつし、あまいんだか、しょっぱいんだかわからないまめぶ汁が、ただのあまったるい汁になるから、きれいに丸めてね。」
と言われました。ぼくは、いっしょうけんめいに丸めましたが、きじが手にくっついて、めちゃくちゃになってしまいました。びっくりして、朝ドラではやっている「じぇじぇじぇ」と言ったら、みんなに大わらいされました。まめぶは、それからだんごのまん中を親ゆびでつぶし、そこに黒ざとうとクルミを入れて、またきれいに丸めます。やさいがいっぱい入ったしょっぱい汁にまめぶを入れて、でき上がりです。
ぼくとお兄ちゃんは、「ばくだんだ」とふざけながら、大きなまめぶを作りました。それを見たアニキが、
「じゃじゃじゃ。おもしろいなあ。新しい名ぶつになるかもしれない。」
と言いました。「じゃじゃじゃ」は、くじ市の山の方で、「じぇじぇじぇ」のかわりにびっくりした時につかうことばだそうです。ぼくたちの「ばくだんまめぶ」が、本当にくじ市の名ぶつになったら、すごいなと思いました。
さいごに、家ぞくみんなで、まめぶ汁をたべました。びみょうな味ではなく、たいへんおいしかったです。まめぶはもちもちとしていて、かむと中からあまい黒ざとうがトロリとでてきます。まめぶの中にあるクルミいっしょになると、とてもおいしくなります。
ぼくたちが作ったばくだんまめぶは、ふつうのまめぶよりかみごたえがあって、中の黒ざとうとクルミもたくさん入っていたので、おいしさは2倍になりました。
しょっぱい汁は、あまいまめぶをたべた後にのむと、とてもおいしくなります。まめぶのお母さんが育てたやさいは、どれもあまくて、おいしかったです。
ぼくは、おいしくて、3ばいもおかわりをしました。お父さん、お母さん、お兄ちゃんも何ばいもおかわりをしました。とてもおいしいまめぶ汁でした。
まめぶの家の人たちともなかよくなり、とてもたのしいたびでした。
●東北の海女を主人公にした某TVドラマで有名になった「まめぶ汁」を作る体験をした筆者。小麦粉を練ってばくだんのように大きなまめぶを作り、皆で大笑い。家族一緒に食べる味はとてもおいしく、何杯もおかわりをした。
●自分が楽しく体験したことがイキイキと描かれており、読んでいて楽しくなってくる。男の子の素直な元気さがそのまま伝わってくる作品。
※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。