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トップ > JTB地域交流トップ > JTB交流創造賞 > 受賞作品 > 交流文化賞(組織・団体対象) > 祖先の痕跡が残る空間「ガンガラーの谷」守るために価値を伝える
2008年の公開前、この場所に価値があると認識していた人は少なかったと言える。40年前にこの場所の価値を見出し伝えたいと思っていたメンバーもほとんど残っておらず、30数年の閉鎖中に多くの人々には「臭い、暗い、汚い、怖い」場所と認識されていた。しかし公開後、掘り起し磨いた様々な価値を伝えていく中で、その意識は変化し、地域の様々な役割の人々が実際に動き出している。「そこにしかない・埋もれている・守るべき価値」について人々が目を向けるきっかけを作るのは観光の力かも知れない、4年ほどの取組の中でそう実感している。 沖縄観光全体の課題である「旅行の個人化」「高いリピーター率」などから、今までにない新しい観光素材が求められている中、沖縄本島南部の新しい素材として公開し、現在年間約6万人のお客様がガイドツアーへ参加している。そのうち約80%程が県外からの個人旅行のお客様であり、レンタカー利用のお客様が多く、近隣地域へ波及効果を生んでいる。また沖縄本島南部全体の新しいイメージ作りに貢献できていると考える。
この場所を守り伝えるために、土地の管理を始めたのが1971年。歩道、階段、手すり等を整備し「自然公園」として公開したのが1972年。しかし、そのわずか数年後、谷内を流れる河川環境の悪化から公開を止め、その後半閉鎖状態のまま30数年が過ぎ、2008年河川環境改善の状況から再び公開し現在満4年が経過している。
沖縄最初の有料観光施設である「玉泉洞(現:おきなわワールド)」を運営する、地元沖縄の人々の資本による民間企業の株式会社南都が管理運営している。「ガンガラーの谷」のスタッフは全員常勤で現在9名。活動は全て自主財源。2008年の公開初年度より黒字で運営している。発掘調査に関しては、2007年の開始当初は国立科学博物館と沖縄の研究者合同チームでスター卜し、2008年からは沖縄県立博物館・美術館が主体となっている。
10,000年以上前の古代人が発見された地域周辺は、奇跡的に開発の手がはいっていない谷間だった。その土地の価値を守り伝えるために、専門ガイドと歩くツアーを開始。「命はどこから来たか」を隠れたテーマに、最新の研究成果と共に目に見えない世界をイメージできるような工夫あるガイドが印象的。