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第7回 JTB交流文化賞 受賞作品紹介
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何もないけど何かある…。
無人駅を、ひとのあつまる場所に。

JR下灘駅フィールドミュージアム運営委員会(愛媛県伊予市)
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取り組みの背景や目指す目標 (イメージ)

過疎、そして少子高齢化の進行が著しい農漁村に、地域自慢の観光スポットがあります。JR四国予讃線、下灘駅。ここには全国からたくさんの人が訪れてきます。数年前まで、ここはただ景色の良いだけの荒れた無人駅でした。あるときから近所の老人たちが、誰に頼まれることもなく駅の美化活動を始めました。このささやかな活動は次第に拡がり、駅を中心とした地域活性化と交流の運動が、さまざまな人や団体を巻き込みながら前に向かっています。私たちはこの駅を起点に、さまざまな"人"の交流をはかり、元気に持続していくコミュニティづくりに取り組んでいきます。

取り組み内容

JR下灘駅。ここは"青春18きっぷ" のポスターとして、またフーテンの寅さんなど数々のロケ地、撮影地として知られ、かつて「日本一海に近い駅」といわれたプラットホームらの景観を求め、毎日多くの観光客が訪れています。ほんの少し前まで、この駅はただの名な無人駅にすぎませんでした。管理のない駅舎や構内は荒れていました。地元のある老人は思いました。全国から訪れるたくさんの人たちにこんな荒れた姿を見せてよいものか。地域の恥だ。老人たちは掃除をし、草を刈り、花を活けはじめました。それは地域の老人の"おもてなし" の心から産まれました。
駅に一冊の落書帳が置かれました。多い月には200件をこえる書き込みのある「ウッフッフ」と題されたその落書帳は、地元の老人がここを訪れる人たちとの交流のために設置しました。そしていつしかこの落書帳にこんなメッセージが書き込まれるようになりました。
「今日は夕日もきれいでした。駅にきれいにととのえてある花も美しかったです」「地元の皆様のおもてなしの心素晴しく感謝です。暑い中感謝です。秋の夕日のころに又来ます」活動はやがて老人たちのひとつの生きがいになりました。そして地元老人会が中心となり"下灘駅観光スポットづくり" 活動が始まりました。老人会の呼びかけにより地元の小学校児童や近隣の農業高校生徒が季節の花の苗を植え、種まきに参加しました。活動は地域外にも波及しJR四国からは感謝状が贈られました。やがて老人会や地域の若者たち、あるいは行政に携わる有志の手により"フィールドミュージアム構想" が沸き起こります。これは下灘駅をひとつのミュージアム( 博物館・美術館・コンサートホールなど) と捉え、さまざまなイベントを仕掛け、地域内外の交流を図るとともに地域活性化の中心地としていこうという考えです。そして私たち「JR下灘駅フィールドミュージアム運営委員会」が発足しました。この駅では年に一度、"夕焼けプラットホームコンサート"という既に定着した人気イベントがあります。昨年、ふるさとイベント大賞奨励賞( 財団法人地域活性化センター) を戴いたこのイベントは、毎年1000名をこえる多くの来場者で盛り上がりますが、それは1日限りの一過性のイベントに過ぎませんでした。「JR下灘駅フィールドミュージアム運営委員会」では、単発で終わることなく、継続性・発展性のあるイベントを、地域活性化と地域外との交流を柱に展開していきます。さらには各種のイベントで育んだ交流をベースに、駅の景観や地域全体の環境整備を柱とするNPO団体の設立や、収益事業として、地域内で現在力を入れて取り組み始めている農漁村でのグリーンツーリズム体験と下灘駅の癒し旅をセットにした旅行の提案、地域住民と旅人との交流拠点"コミュニティカフェ"、自転車で訪れる方との交流や情報交換の場としての"サイクルエイドステーション"、駅以外の地域資源も見ていただく電動アシスト自転車を導入したレンタサイクルなど、さまざまな取り組みを画策しています。
現在までに行われた活動( 一部) は以下のようなものになります。

(イメージ)
  • ■下灘駅観光スポットづくり定期講座(平成21年度5回、平成22年度6回、平成23年度6回開催予定)(園芸専門家の講話、農業高校生の研究発表、野地菊など植物の苗植え・種まき、小学生との環境学習会、地域まつりでの成果発表、栽培した野地菊など植物の観賞会・茶話会・小学校児童による合唱鑑賞会など)
  • ■下灘駅観光スポットづくり講演会(平成23年8月24日)…来場者数60名
    JR四国 松山駅駅長をお招きした"下灘駅76年の歴史を振り返って"講演 ほか
  • ■しもなだ「駅フォト」コンテスト(平成23年8月〜10月末)…10月10日現在 応募14点
    下灘駅かいわいの写真を募り地域まつりで住民による投票を行い、地域の特産品セットをプレゼントする。
  • ■まちづくりフォーラム in 下灘駅(平成23年9月23日)…来場者数98名
    山梨県清里高原の観光カリスマ舩木上次氏をお招きしての講演、当地の観光カリスマ若松進一氏との対談。地元小学生で結成した"双海子ども読み語り隊"の手作り紙芝居の披露など
  • ■双海史談会現地研修 平成23年10月1日…参加者数32名
    地域の文化・歴史を学ぶグループによる下灘駅を含めた地域全体の文化・歴史・観光財産をめぐるツアー
  • ■演劇「プラットホーム ハンモック」上演( 平成23年10月23日予定)
    昭和48年ころの無人駅を題材にした演劇を、駅のプラットホーム上で公演する。それに先駆け10月6日〜9日の4日間5公演を松山大学ホールにて上演。…入場者数675名

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※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。