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トップ > JTB地域交流トップ > JTB交流創造賞 > 受賞作品 > 交流文化賞(組織・団体対象) > 何もないけど何かある…。無人駅を、ひとのあつまる場所に。
過疎、そして少子高齢化の進行が著しい農漁村に、地域自慢の観光スポットがあります。JR四国予讃線、下灘駅。ここには全国からたくさんの人が訪れてきます。数年前まで、ここはただ景色の良いだけの荒れた無人駅でした。あるときから近所の老人たちが、誰に頼まれることもなく駅の美化活動を始めました。このささやかな活動は次第に拡がり、駅を中心とした地域活性化と交流の運動が、さまざまな人や団体を巻き込みながら前に向かっています。私たちはこの駅を起点に、さまざまな"人"の交流をはかり、元気に持続していくコミュニティづくりに取り組んでいきます。
JR下灘駅。ここは"青春18きっぷ" のポスターとして、またフーテンの寅さんなど数々のロケ地、撮影地として知られ、かつて「日本一海に近い駅」といわれたプラットホームらの景観を求め、毎日多くの観光客が訪れています。ほんの少し前まで、この駅はただの名な無人駅にすぎませんでした。管理のない駅舎や構内は荒れていました。地元のある老人は思いました。全国から訪れるたくさんの人たちにこんな荒れた姿を見せてよいものか。地域の恥だ。老人たちは掃除をし、草を刈り、花を活けはじめました。それは地域の老人の"おもてなし" の心から産まれました。 駅に一冊の落書帳が置かれました。多い月には200件をこえる書き込みのある「ウッフッフ」と題されたその落書帳は、地元の老人がここを訪れる人たちとの交流のために設置しました。そしていつしかこの落書帳にこんなメッセージが書き込まれるようになりました。 「今日は夕日もきれいでした。駅にきれいにととのえてある花も美しかったです」「地元の皆様のおもてなしの心素晴しく感謝です。暑い中感謝です。秋の夕日のころに又来ます」活動はやがて老人たちのひとつの生きがいになりました。そして地元老人会が中心となり"下灘駅観光スポットづくり" 活動が始まりました。老人会の呼びかけにより地元の小学校児童や近隣の農業高校生徒が季節の花の苗を植え、種まきに参加しました。活動は地域外にも波及しJR四国からは感謝状が贈られました。やがて老人会や地域の若者たち、あるいは行政に携わる有志の手により"フィールドミュージアム構想" が沸き起こります。これは下灘駅をひとつのミュージアム( 博物館・美術館・コンサートホールなど) と捉え、さまざまなイベントを仕掛け、地域内外の交流を図るとともに地域活性化の中心地としていこうという考えです。そして私たち「JR下灘駅フィールドミュージアム運営委員会」が発足しました。この駅では年に一度、"夕焼けプラットホームコンサート"という既に定着した人気イベントがあります。昨年、ふるさとイベント大賞奨励賞( 財団法人地域活性化センター) を戴いたこのイベントは、毎年1000名をこえる多くの来場者で盛り上がりますが、それは1日限りの一過性のイベントに過ぎませんでした。「JR下灘駅フィールドミュージアム運営委員会」では、単発で終わることなく、継続性・発展性のあるイベントを、地域活性化と地域外との交流を柱に展開していきます。さらには各種のイベントで育んだ交流をベースに、駅の景観や地域全体の環境整備を柱とするNPO団体の設立や、収益事業として、地域内で現在力を入れて取り組み始めている農漁村でのグリーンツーリズム体験と下灘駅の癒し旅をセットにした旅行の提案、地域住民と旅人との交流拠点"コミュニティカフェ"、自転車で訪れる方との交流や情報交換の場としての"サイクルエイドステーション"、駅以外の地域資源も見ていただく電動アシスト自転車を導入したレンタサイクルなど、さまざまな取り組みを画策しています。 現在までに行われた活動( 一部) は以下のようなものになります。