“Break a leg!”(がんばれ!)
舞台袖で、俳優さん五人が私の手を握り、背中をぽんっと叩いて、笑顔で声をかけてくれた。不思議と体中の緊張が抜け、私も笑顔で舞台に上った。満席のホールには、日系人のみならず、多くのアメリカ人の姿がある。劇は、スポットライトの中、着物姿の私が桃太郎の紙芝居を読むところから始まった。
“Once upon a time…”(昔々あるところに・・・)
“The treasures, Momotaro, the peaceful life without Oni, all the good things had returned to the village. They all lived happily ever after…”
(こうして桃太郎は村に平和を取り戻し、皆で末永く幸せに暮らしましたとさ。)