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トップ > JTB地域交流トップ > JTB交流創造賞 > 受賞作品 > 交流文化賞(組織・団体対象) > 交流は地域との連携から 〜地域資源は誰のもの?〜
飯山市は豪雪地帯であることから、毎年冬にはスキー客で賑わっていました。しかし、経済状況の悪化等、いくつかの要因から、スキー客は年々減少し続けてきたのです。そうしたなか、旅客の受け入れは「観光型から交流型」への転換が急務となりました。地域資源を生かすべく、交流拠点施設、体験施設を設立し、「グリーンツーリズム」事業を市全体で展開することにしたのです。当初はグリーンツーリズムという言葉も概念も定着しておらず、事業展開は苦難の連続でした。最近では、地方が活性化する対策の一つとして、交流人口の拡大が有効的な施策であるとの理解を得ることができ、グリーンツーリズム、さらにはエコ、ヘルスといった環境や健康をテーマとした交流型旅行の推進が加速しています。
「なべくら高原・森の家」は、長野県飯山市の最北部の里山に位置しています。北信州とも奥信濃とも表現される当地は、日本の「故郷」を連想させる風景に満ち溢れています。グリーンツーリズムの振興を目的とした都市と農村の交流施設として平成9年7月に開業しました。春にはブナやミズナラの新緑が残雪とのコントラストを演出し、夏には農場で高原野菜の収穫体験や冷たい雪解け水が流れる沢での水遊びが楽しめます。秋には色鮮やかに山々を染める黄葉が観る人の心を癒し、冬には山間部で4〜5mの雪が積もる日本有数の豪雪で思い切り雪遊びを堪能することができます。美しく変化に富んだ四季と、そこで暮らす人々の素朴な生活の中で、様々な自然体験を提供しています。 グリーンシーズンのブナ林トレッキング、カヌー、沢遊び、スノーシーズンのスノーシューやクロスカントリースキー、かんじき体験、雪遊び、通年可能なそば打ち、草木染め、木工クラフト等、300種類以上の体験メニューは、常駐のインストラクター7名と、地域住民が登録する「市民インストラクター」200名で行っています。これらの体験プログラムは、随時2名様以上から申し込むことができ、インターネット、新聞、地元テレビなどの媒体を活用し、集客、宣伝をしています。 施設内には、車いすやベビーカーでも散策可能なユニバーサルデザインの遊歩道の他、自然散策路、芝生広場、炭焼き小屋などがあり、周囲を森に囲まれた10棟のコテージでは長期滞在も可能です。 また、宿泊体験のみならず、里の景観を守る里山再生活動や、巨木ブナの保護活動に端を発した「いいやまブナの森倶楽部」事務局の立ち上げ、平成15年には長野、新潟両県にまたがる国有林内に開通したロングトレイルの管理、運用を行う「NPO法人信越トレイルクラブ」を設立(NPO法人認定は平成16年2月)、平成18年には飯山市が第1期「森林セラピー基地」の認定を受けた際、当施設がメインセンターとして認定されました。 地域活性化の中核を担う施設として、試行錯誤を繰り返しながらも事業内容は拡大し、時代のニーズに対応すべく展開を続けています。