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JTB交流文化賞
交流文化が広げる未来
第6回 JTB交流文化賞 受賞作品紹介
交流文化賞
優秀賞
日帰り農村生活体験:ほっとステイ
株式会社 信州せいしゅん村(長野県上田市)
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取り組みによる効果

【人はふれあって成長する】
祖父母世代と孫世代の世代を超えた交流を促進している。受入家庭は伝えることが世の役に立つと自覚。生き甲斐にも繋がっていて『次はいつ来るか楽しみだ』と語っている。子供達の感想では『お爺ちゃん死なないでね』、『将来の子供を連れてきたい』との手紙や色紙が。ほっとステイの目的は、人と人とのふれあいが提供サービスで、人はふれあって成長するのである。

【自然環境や、 農村景観の維持・改善】
来て貰うことが目的なので、来訪者が見て、荒れ果てている田畑や山林を見て綺麗だとは云わない。住民と一緒になって荒廃農地解消を行うことで気に入って貰える。
1. 私達は研修センター周辺で農村再生事業計画を立案し、進めてきている。
2. 県の『元気づくり支援金』の支援で農地再生事業。荒廃農地の再生・活用、トイレ整備。
3. 結果、県が研修センター裏の山林を、森林税を使った山の手入れを行うきっかけを作る。
4. 受入家庭は来てくれることが判ったことで、一緒に楽しむために野菜の作付け品目や面積を増やした。

【食農教育や、地域文化の保存・発展】
1. 教育旅行業界では幅広く『ほっとステイ』が周知され、関西圏からも伸びてきている。
2. 生きる原点は農村生活であり、そこでの農業体験や生活体験は何事にも代え難い体験。
3. ありのままの生活振りが、これからの生き方に気付くきっかけに、大きく寄与している。
4. 海外に忘れかけている日本の伝統生活や文化を提供する事で生活が見直されている。
5. 『国際青少年交流農村宣言』を行う。『交流の極意』と名付け、英語・繁体字・簡体字・日本語併記の冊子を制作。訪問者に渡し、家庭で日本語練習を、交流しながら学ぶ。

【農業者との関係、 新たに生まれた交流】
1. 農業専業農家(花卉・畜産・果樹)の参加が5軒になった。
2. イオングループの労働組合が定期的に農村体験に訪れ、機関誌でも大きく取り上げた。
3. 東京から『ユーゲント・フィルハーモニカー』の団員30人ほどが定期的に訪れ、施設訪問や村民を招いての無料『里の秋コンサート』を実施、定期化して第3回を行った。

これまでの取組期間、継続期間について

平成10年 (1)のうのうの会(農山村活性化啓蒙・広報)・・・・・・・・・継続中
平成11年 (2)我家我家(ファーム&梁山泊(農村都市交流)・・・・・・・継続中
平成12年 (3)せいしゅん村開拓団(環境保全・清旬品生産)・・・・・・・継続中
平成13年 (4)幻の寒晒し蕎麦・道場(農村都市交流・清旬品販売)・・・・継続中
平成14年 (5)ほっとステイ(農村都市交流・農山村体験)・・・・・・・・継続中
平成15年 (6)国際青少年交流農村(農村都市交流)・・・・・・・・・・・継続中
平成16年 (7)観郷ウォーク(農村都市交流・観郷意識啓蒙)・・・・・・・継続中
平成16年 (8)農村セラピー検証構築(農山村活性化啓蒙・広報)・・・・・継続中
平成17年 (9)信州・桃源郷街道(広域連携・新観光資源開発)・・・・・・継続中
平成18年 (10)寒晒し蕎麦焼酎「寒九郎」(清旬品:開発・販売)・・・・・継続中
平成19年 (11)寒晒し純米酒、若の夢&姫の夢(清旬品:開発・販売)・・・継続中
平成20年 (12)懐かしの村 Dear Village (新観光資源開発)・・・・・・・継続中
平成20年 (13)研修センター『えんでや』(農村都市交流)・・・・・・・・継続中
平成21年 (14)農商工連携事業認定(農村都市交流)・・・・・・・・・・・継続中
平成22年 (15)人材育成:農村観光コース(農村都市交流)・・・・・・・・継続中
平成22年 (16)チーム信州・会議(農村都市交流)・・・・・・・・・・・・継続中

取組体制・組織、財源について

【取組体制】
受入家庭数は延べ112軒(武石全域は1,200戸)。常時受け入れ表明は60軒を超える。

【組織体制】
1. むらおさ:活動の根源を為し、リーダーシップを発揮して組織を引っ張る。
2. ふくおさ:むらおさを補佐し、活動の裏付けの収集や補足補助活動を担う。
3. よろずや:事務方や接待係、あるいは労働力として動く。

【活動財源】
1. 売り上げからの資金
2. 県からの元気づくり支援金を受けたことが有る。
3. 国(経産省)の農商工連携促進法認定事業としての支援金を受けたことが有る。
4. 財団(高速道路交流推進財団)からの支援金を受けたことが有る。

今後の展望について

1. 観光は昔から周囲の神社仏閣、風光明媚な自然景観を売りものにしてきた。不況の時代は『お互いが相手のために役に立つ、お互いが寄与し合う関係』で誘客を図らないと駄目。宿泊とほっとステイの連携強化会議『チーム信州・諏訪会議』を開く。
2. 農商工連携の「農」は、産業面の「農業」だけを対象として捉えて生産物だけになってしまっている。そうではなく、「農村」と「観光」の連携を図らなくてはいけない。
3. 視察や講演会の依頼が増え、啓蒙活動にも力。活性化活動の拡大に寄与して行きたい。
4. 『農村セラピー』の数値をネット上で計れ、点数が低くなっている都市生活者を農村へ招き入れるシステムを進めている。『長野県農村セラピー協会』の立ち上げ準備中。
5. 年間を通した受入が出来るように力を入れている。インバウンドを特に力を入れる。



評価のポイント
  平成10年より始まる農村交流であり、来訪者は延べ40,000人を越えている。農業の生活全体をそのまま伝え、あらたな物産開発や、事業展開にも積極的に取り組んでおり、地域が主体となり、無理をせず出来ることを続けていることを評価。

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※賞の名称・社名・肩書き等は取材当時のものです。