山梨も大会も「つながり」で盛り上げたい。
鈴木 徹選手(陸上走高跳/山梨県山梨市出身)
JTBグループでは、パラスポーツの発展とともに、地域を元気にするアスリートを応援していきます。
今回は、日本を代表する走り高跳び選手であり、山梨市観光大使も務める鈴木 徹選手にアスリートとしての地域の環境と魅力を語っていただきました。
写真撮影:Norihiko Okimura
写真撮影:越智 貴雄
誰でもわかる単純なルールが魅力
最近はパラスポーツを取り上げていただく機会も増えましたが、大会に足を運んでくださる方はまだまだ少ないです。
バレーボールがジャニーズの方とコラボして新たなファンをつかんだように、競技と人をつないでくれる人やアイデアが必要だと感じています。
それと日本の場合、陸上は静かに見るものという意識が強いですが、海外の大会ではBGMがガンガンに流れているんです。
もう、うるさいくらい(笑)。
でも実は、選手もその方が楽しいですし、そうして盛り上げてくれると、お客さんもワクワクすると思うんです。
写真撮影:Norihiko Okimura
その点では、イギリスの方はスポーツを観る目が肥えているという印象です。
走り高跳びの場合、スタート時にお客さんに手拍子を求めることがありますが、こちらが求めなくても自然と拍手が起きることもあるんです。
するとこちらもテンションが上がりますよね。
やはり陸上競技も会場の雰囲気がすごく大事なんです。
ただ盛り上げればいいという訳ではなくて、もちろん静かにしてほしい場面もあります。
ロンドンの方は、静かになるところと盛り上がるところを心得ていて、雰囲気作りが非常にうまいと感じましたね。
走り高跳びは、バーが落ちるか落ちないかというシンプルな競技で、お子さんでも誰でも、見てすぐにルールがわかるんです。
時にはバーが揺れながらギリギリのところで残って、会場中で「おぉ!」と歓声が沸くこともあります。
ですから初めてご覧になる方もシンプルに、「落ちた!」「残った!」とバーの動きに一喜一憂して、気軽に楽しんでほしいですね。
写真撮影:Norihiko Okimura
山梨は体験型の遊びの宝庫
僕は山梨市観光大使なのですが、昔はここの良さが分からなくて、遠征などで外に出たことで、初めて山梨の良さに気づきました。
山梨は果物がおいしいので、ぜひサクランボ、桃、ブドウなどの旬の時に来ていただきたいですが、花の時期もおすすめです。
サクランボの白い可愛い花や、桃の濃いピンクの花もきれいです。
ぜひ四季の色彩も楽しんでください。
それに富士急ハイランドやスキー場に湖といった、体験型の遊び場の宝庫ですから、ご家族で楽しめます。
大人の人は、やっぱり温泉とワインですよね。
ほったらかし温泉とか、いい温泉がたくさんありますし、ワインも安くておいしいですよ。
写真撮影:Norihiko Okimura
山梨は都内から2時間ほどなので、来たことがある方は多いと思うんです。
でも例えば、「笛吹川フルーツ公園」はご存じでも、そこが山梨だと分かっていない…。
なので公園と土地がつながるように、「そこは山梨市です!」といちいち言うようにしています(笑)。
やっぱりここも、つながりが大事ですね。
山梨県民は、海が無いせいか、お刺身、特にマグロへの憧れが強い気がします(笑)。
週末は回転寿司屋さんが行列しますし、お祝い事には必ずと言っていいほどマグロの刺身が出るんです。
それと馬刺し。あと最近はラーメンがキテます!
千葉の有名店で修業した方が甲府で開いたお店とか、実は山梨には人気店がいろいろありますので、ぜひチェックしてみてください。
写真撮影:Norihiko Okimura
PROFILE
鈴木 徹(すずき とおる)
1980年5月4日 山梨県山梨市生まれ
高校時代にハンドボールで国体3位という成績を残すが、卒業前に交通事故により右足を切断。
リハビリがきっかけで走り幅跳びを始める。
初めての公式大会で当時の障害者日本記録を超える1m74cmを跳び、事故後わずか1年余りでシドニーパラリンピックの出場を果たす。
また、日本人初のプロアスリートとなり、シドニー、アテネ大会はともに6位入賞という結果を残す。
2006年のジャパンパラリンピックでは2m00を跳び、当時世界で2人しかいなかった義足で2mを跳べるジャンパーとなる。
北京パラリンピックでは日本人選手団の旗手も務め、5位入賞となった。
2012年ロンドン・2016年リオデジャネイロ大会では4位入賞を果たす。
また、2017年7月にロンドンで開催された世界パラ陸上競技選手権大会で2m01の跳躍で銅メダルを獲得した。
取材協力=一般社団法人日本パラ陸上競技連盟、日本財団パラリンピックサポートセンター
JTBスポーツブログでは、今後もパラスポーツ情報、アスリート情報をお伝えしていきます。次回もお楽しみに♪
INFORMATION
鈴木 徹選手の記事はJTB旅カード ゴールド会員誌「トラベル&ライフ」にも掲載されています。
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