多種多様なエンターテインメントが気軽に楽しめる街、ロンドン。
普通なら少し敷居が高く感じられるクラシック音楽のコンサートでも、ロンドンではさらっと体験することができます。そんなお手軽クラシック音楽体験のなかでもおすすめなのが、セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会で行われている「キャンドルライト・コンサート」シリーズです。
セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会があるのは、トラファルガー広場の北東の角から、道を挟んですぐ向かい側。新古典主義建築の白亜の建物が美しい、イングランド国教会に属する教会です。現存する建物は、ジェームズ・ギブスの設計により1726年に完成したもので、観光客も含め、一般の人々でも無料で教会内部へ入ることができます。
こちらの教会で、クラシック音楽のキャンドルライト・コンサートが開かれているのは、週に3晩または4晩という、かなりの頻度!地元の人々の間ではもちろんのこと、世界中から訪れた観光客たちにも大人気のシリーズとなっています。
キャンドルの光に照らされた教会の聖堂という神秘的な空間で、奏でられているレパートリーは、日本人にも馴染みの深いものばかり。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」や、ヴィヴァルディの「四季」、バッハの「G線上のアリア」、ベートーヴェンの「ピアノソナタ 第14番 (月光)」などなど、あまりクラシック音楽に詳しくない人ですら、「この曲、知ってる!」と言えるような楽曲が毎回チョイスされています。演奏を行っているのは、ロンドンに拠点を置くアンサンブル楽団やオーケストラ、コーラス隊などです。
ちなみに、写真にも写っている、天井から下げられたシャンデリアの「キャンドル」は本物ではなく、電球製のものですが、コンサートの演奏中は照明も落とされ、実際のキャンドルの淡い光が輝く、それはまた綺麗な光景が広がります。
チケットの購入も簡単です。当然のごとく、事前にオンラインで購入が可能なほか、実際に教会を訪れ、教会の外や内部に貼ってあるポスターや、無料配布されているチラシを参考にして、ボックス・オフィスで直接チケットを取ることもできます。
チケットの値段は一番いい席種でも25ポンド前後(約3,650円。2018年6月現在)と、お手頃価格なのも嬉しいところです。
コンサートの前や休憩時間中には、地下聖堂(クリプト)のスペースをそのまま利用した、その名も「カフェ・イン・ザ・クリプト」も覗いてみましょう。
こちらのカフェも実は隠れた名所で、このカフェだけを目当てに訪れるビジターも多いのです。フル・イングリッシュ・ブレックファストの味わえる朝食時から、ランチはもちろん、アフタヌーンティー、そしてディナーまで、どことなく厳かな雰囲気のただよう空間で、一日中充実したメニューが楽しめます。
なお、毎週水曜日の夜にはカフェで「ジャズ・ナイト」が催されており、午後8時以降のカフェの利用には、ジャズ・ナイトのチケット購入が必須となっています。
そのほか、セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会では、ランチタイムにも無料の音楽イベントが多く行われています。
トラファルガー広場やナショナル・ギャラリーの目の前という立地で、国会議事堂やバッキンガム宮殿からも徒歩圏内にあるこちらの教会。もし時間に少しでも余裕があれば、音楽を楽しみにふらりと立ち寄ってみてください。教会に入ったら、細部まで美しい内装をチェックするのもお忘れなく!