瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を発信する観光情報サイト「瀬戸内Finder(ファインダー)」から、瀬戸内の魅力あふれる記事をピックアップしてご紹介していきます。
今回は、誰もが乗ってみたくなる、愛媛の知る人ぞ知る観光列車をご紹介します。
全国ナンバーワンの呼び声も高い、愛媛の名物観光列車『伊予灘ものがたり』。
デビューから丸3年。今ではなかなか切符が取れない大人気の列車に、ついに、瀬戸内Finderのライターが乗ってきました!
伊予灘ものがたりは、出発時刻と目的地で、『大洲編』・『双海編』・『八幡浜編』・『道後編』の全4編に分けられます。今回は、日没時間が早まる仲秋、夕景が堪能できる『道後編』をチョイスしました。
愛媛の南部に位置する『JR八幡浜駅』から出発し、中心地の『JR松山駅』まで、ゆったりした速度で海沿いを走る約2時間15分の旅です。
車両は、色のトーンの違いから、1号車『茜の章』、2号車『黄金の章』と呼ばれる2両編成。1両で25シートとゆったりの設計です。今回は1号車に。
右が海側。左側の席を見てください。海が見えやすいように一段高くなっているのが分かりますか?この車両、じつは列車、路線を知り尽くした心配りが盛りだくさん。それもそのはず。すべてのデザイン、設計をJR四国の社員さんが担当しているんですって!
車内で販売されるものも、愛媛の伝統工芸などを生かしたハイセンスなものばかり!
この商品は、伊予灘ものがたりをイメージしてつくられたアロマオイル。
商品プロデュース、BGM、接客、見所の手描きマップなど、現場のアテンダントさんを中心に、日々考えているとか。まさに、『チーム伊予灘ものがたり』。
観光列車のたのしみと言えば、食べもの。4編とも地元の食材にこだわった逸品です。道後編はアフタヌーンティーで、限定20食(予約制、税込3000円)。
砥部焼のワンプレートにおさまるスイーツは、柑橘やベリーなど、県産の旬を使い、丁寧に作られていて甘さ控えめ。カトラリーに添えられた、愛媛の伝統工芸水引のあしらいなど、ディテールまで地元愛が詰まっています。
おもてなしは、車内だけではなく、車外にも。
沿道の住民の皆さんが、駅構内にいる人たちが、手を振る、とにかく手を振る。あっちからも、こっちからも、お城からも家のベランダからも(笑)。
列車は1時間とちょっとで、あの駅に到着します。心高鳴る、日本で最も有名といっていい、『JR下灘駅』へ。
伊予灘ものがたりは全編、この駅に8~10分ほど停車。列車から降りることができます。夕陽を浴びる車両の顔もクールでステキ!
ここで出会ったのが、このお二人。下灘駅界隈でとっても有名な、同名同士のさなえさんです。
運行日は、ほぼ1日4回お出迎えしているそう。なぜ?と聞くと、「とにかくここが好きだから、やりたくなるの」と満面の笑顔のダブルさなえさん。
お仕着せではなく、この地を愛し、この列車のために自然にやっていること。だからこそ、迎えられる側はその愛にすんなり浸かれるのかもしれません。
後ろ髪を引かれながら、列車に戻り、終着駅へ。
車窓から、見渡す限りの水辺線に美しい陽が飲み込まれていく絶景が。感動のダメ押しが過ぎる(笑)。
夜の帳が下りるころ、迎えられる街の明かりが、旅の終わりを教えてくれます。
約2時間は本当に、あっという間。決して華美ではなく、背伸びもない。約70kmの間にいただいたものの大きさに、胸がいっぱいになりました。それは、地元の人たち、アテンダントさん、乗客の皆さんが一緒になって作り上げる、温かい、とっておきの『ものがたり』。
あのアテンダントさんに、あの列車に、あの食に、手を振ってくれた、話してくれたあの人たちにまた、会いたい。ファンがここに一人、増えました。
乗ればきっと誰もがファンになるはず。穏やかな伊予灘のような列車が、地元の人たちが、あなたとの出会いを待っています。
伊予灘ものがたり
運行時刻/『大洲編』8:25JR松山駅発、『双海編』10:51JR伊予大洲発、
『八幡浜編』13:28JR松山駅発、『道後編』16:06JR八幡浜駅発
運行日/土日祝日を中心に運行(臨時運行あり、HP参照)
料金/大洲・双海編1930円、八幡浜・道後編2260円
(乗車券及びグリーン車料金を含む。それぞれ食事代は別途必要)
電話/0570-00-4592(JR四国電話案内センター)
瀬戸内Finderフォトライター ハタノエリ
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※2017年10月現在の情報です。掲載の内容は、変更となる場合があります。