トラベル&ライフ2024年12月-2025年1月号の巻頭特集「熱気と静寂のハノイ、癒しのダナン&ホイアン」では、個性豊かなベトナムの3都市を旅した。ここでは本誌で紹介できなかったダナンの見どころを中心に紹介しよう。
ハノイから国内線で約1時間30分のダナンは、ベトナムの中部に位置する国内屈指の商業都市であり、近年はリゾート地としても注目を集めている。中心部のおすすめの立ち寄りスポットは、本誌で紹介した通り、フランス統治時代に建てられたダナン大聖堂や雑貨や洋服、食品などが所せましと並ぶハン市場、手作りチョコレート専門店「Pheva(フェヴァ)」など。
ピンクの外観が印象的なダナン大聖堂
広々としたハン市場
ここで紹介したいのは、街を流れるハン川に架かるロン橋。ドラゴンを思わせるユニークな姿からドラゴン橋とも呼ばれ、車で通るのはもちろん、歩道もあるので景色を楽しみながら渡ることもできる。ドラゴン橋はその雄姿がはっきりと見える昼間もいいが、ライトアップされる夜は格別。主に金・土・日曜に21時から行われる火と水の噴射も見逃せない。
顔がわかる位置から撮影したドラゴン橋
ショーの始まる時間になると、ドラゴンの口から勢いよく火が噴き出される。予想より噴き出す火の量が多く、夜空を赤く染める。橋のライトアップも鮮やかで水面にその姿を映し、最後は水の噴射で幕を閉じる。ショーの間、橋の色は黄や青、緑と色を変わり、水上から間近でショーを眺められるナイトクルーズ船も多数集まり、ライトアップや船の灯りが水面を照らし賑やかな装いだ。
観客から歓声があがる
橋の近くに集まる船も彩りを添える
フィナーレは水を噴き出す
上の写真を撮影したのは、ドラゴン橋の顔側の高架下を歩いて2~3分にある「鯉の滝登り像」がある周辺。その姿はシンガポールのマーラインオンを思わせ、ダナンの新たな観光名所になっているそうだ。昨年、トラベル&ライフの取材でシンガポールを訪れた際に、マーライオンはお色直し中で水を噴き出す姿を見ることができなかったが、思わぬのところで似た像を発見した。
マーライオンを思わせる鯉の滝登り像
ダナンで訪れたパワースポットの五行山。孫悟空が閉じ込められたとも伝わる場所で、そのうちのひとつ、水山にあるタンチョン洞窟には将棋に興じている仏像もある。将棋の藤井聡太七冠が2023年に海外対局でダナンを訪れた際に、散策に訪れたことからも話題となった。
将棋を指す姿がユニークなタンチョン洞窟の仏像
水山でベトナムの扇子などを売っていたおばあさんに写真を撮っていいかと聞くと、最初はダメとのこと。それでもさらにお願いをすると、1つ50,000ドンの扇子を買うことで話はまとまり、撮影OKに。それで見せてくれた笑顔がこの写真の通り。さらに歌いながら踊りまで披露してくれた。購入した扇子を広げるたびに、おばあさんの優しい笑顔を思い出している。