スイス西部フランス語圏に位置するラヴォー(Lavaux)地区は、レマン湖のほとりに広がる葡萄畑で知られており、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。風光明媚な景色が広がる中に点在する村の散策や、ここで収穫された葡萄から生産されたラヴォー産ワインを楽しむことができます。
ラヴォー地区で生産されるいろいろなワイン
ラヴォー地区の葡萄畑にある村々は昔から変わらぬ姿を残しており、狭い石畳の路地を歩いていると、なんだかタイムスリップして過去の時代に足を踏み入れたかのような感覚に陥ります。
リュトリ(Lutry)村の通り
さらに葡萄畑に囲まれた坂だらけの細い道を登っていけば、突然一面の葡萄畑と青い水をたたえるレマン湖が眼下に広がり、絵葉書のような絶景に圧倒されます。
葡萄畑の小道から、眼下の村々や湖を望む
まるで絵本か映画の中に入り込んだような気分。同じ場所を何度歩いても、季節や時間によって山や空、湖は全く違う表情を見せ、飽きることがありません。
こんな素敵な風景の中ですくすく育つ葡萄たちから作られるラヴォー産ワインは、一体どんな味がするのでしょう。
一般的に欧州産ワインといえば、イタリア、フランス、そしてスペインやドイツといったワインが有名ですが、実はスイスもワインの生産量&消費量が多い国の一つだったりします。特にスイスで生産されるワインの7割は、温暖な気候に恵まれたフランス語圏のもの。
収穫された葡萄
その一方で、この国から国外へ輸出されるワインの量は非常に少なく、全生産量のたった1%ほどです(スイス連邦経済省農業局データ/2023年)。というのもスイスは一人当たりのワイン消費量が世界でも5本の指に入るほどワイン好きが多い国。そのためスイス産ワインは国内で"地産地消"されてしまい、輸出できるほどのワインが残らないのだとか。
だからスイスワインを日本で見かけることが少ないのですね!
ラヴォー地区のワインは、ラヴォー地区はもちろん、主にスイス・フランス語圏にあるレストランやカフェ、バーなどで提供されていますし、この地区に数多くあるワインセラーで楽しむこともできます。
「ラヴォー・ヴィノラマ」の外観
さらに「ラヴォー・ヴィノラマ(Lavaux Vinorama)」というラヴォー地区ワインに特化したビジターセンターもあり、300種類以上の銘柄がそろっています。ここでもワインテイスティングやワイン購入ができます。
鮮やかなグリーンが可愛い「ラヴォー・エクスプレス」
さて、ワイン用葡萄畑は十分な日照量を得るため斜面にあることがほとんど。ラヴォー地区の葡萄畑も坂道が多くあります。そのため「ちょっと時間があまり取れないな」「坂道を歩き回るのは大変そう」という時には、毎年春から秋頃まで運行している「ラヴォー・エクスプレス(Lavaux Express)」というミニトレインが便利です。
いろいろなルートを走っており、ワインセラーに立ち寄るルートもあります。
ワインセラーでテイスティングを楽しむ
また、レマン湖や山が美しく見える地元のバーやレストランで、様々な地元ラヴォー産ワインを飲み比べながら、ご自分のお気に入りを見つけるのも楽しいかもしれませんね。
レマン湖のプロムナード